Miknits 2023 三國万里子さんのサマーニットのお店、はじまります。

Miknits 2023 三國万里子さんのサマーニットのお店、はじまります。

“Long Long Summer” 春から秋まで着られる、サマーニットのお店です。

三國万里子さんがデザインした、
サマーニットのお店です。
春先から秋ごろまで、
長い季節重宝するニットができました。
軽快な音楽を奏でるような
アラン模様のプルオーバーと、
透かし模様がきれいで
バッグにしのばせても軽いシュラッグ。
季節のうつりかわりを一緒にたのしみながら、
お休みの日も、いそがしい日も、
やさしく包み込んでくれるようなアイテムです。
デザインや編むポイントについて三國さんに、
おしゃれや手作りが好きな方々に
着こなしを見せていただきました。

01 ほどよく暖かみを足してくれる。 三國万里子さん

袖のある、2種類のサマーニット。
三國さんが今季デザインされたのは、
春先から秋ごろまで、
季節のうつりかわりを
一緒にたのしんでくれるような、
癒しのアイテムです。
デザインや編む際のポイントなど
三國さんに質問のお手紙を送り、
お返事をいただきました。

──
今季は長袖のものが2枚、
かぎ針のアイテムもできあがりました。

完成したアイテムを拝見されて、
今季の全体テーマや想いについて、
浮かび上がってきたことがあれば
ぜひお聞きしたいです。
三國
春先って、何を着るか迷う日が結構ありますよね。
肌寒いんだけど、ウールのものを
身につけるのはちょっと違う、というような。
そんな日に、たとえばワンピースの上にさっと羽織ったり、
ジーンズとTシャツの上からかぶって、
ほどよく暖かみを足してくれる、
コットンやリネンの長袖があると重宝だな‥‥と。
そんな思いから、
今回のプルオーバーとシュラッグを作りました。

──
アランを夏に着られることは、
とてもよろこばれるのではないかと思います。
アラン模様のプルオーバーは、
どのようなイメージで作られたのでしょうか?
そこから「ongaku」という名前に
つながったエピソードもお聞きしたいです。

三國
ゆったりした身幅でドロップショルダーの、
着て動きやすいプルオーバーです。

アランの豊かなテクスチャーを楽しみながら、
夏糸で軽いところもうれしい。
模様はとても個性的なケーブル柄で、
編んでいて飽きないです。
丸が連なっている模様は
「バンジョー・ケーブル」という
名前がついています。
もう一つの大きなケーブルは、
楽譜の記号のようでもあるし、
ミクニッツチームからは
「竪琴(たてごと)みたいですね」
とも言われていました。

ongakuというネーミングは、
Miknitsチームのシブヤさんによるものです。
彼女は本の虫で、いつもイマジネーション豊かに
名付けの提案をしてくれます。
──
前後の丈感がことなり、
着てみるとシルエットの可愛さが際立ちます。
デザインについて、
三國さん的ポイントをお聞かせください。
三國
裾にスリットを入れると、
立ち居振る舞いに優しい「揺れ」が生まれますよね。
このディテイルで、アランのプルオーバーという
ボーイッシュなアイテムにも
程よい女性らしさが
感じられる仕上がりになったと思います。
後ろの方が長いのは、うーん、
たとえば「お尻を隠したいから」とか、
そういうことではないです。
前を長くしても良かったんだけど、
今回はたまたま後ろが長いです。

──
イメージされた着こなしやシーンを教えてください。
三國
たとえば長靴とジーンズを合わせて
「磯遊び」をしているシーン、でしょうか。

わたしは子供の頃、春先になると、
よく家族で岩畳のある海岸に出かけていました。
春先の海ってきれいなんです。
人もほとんどいなくて、透き通った潮溜まりには
イソギンチャクや小魚が群れていて。
そんな海で遊ぶ時、このセーターを腕まくりして
着ていたら、素敵なんじゃないかなと思います。

──
まさに編む醍醐味は模様部分かと思いますが、
編む際のポイント、楽しいところは?
三國
形自体はストンとしているので、
編み目の増減にさほど気をとられることなく、
ケーブル模様に集中できると思います。
数種類の柄が同時に現れてくるのが、
すごーく楽しいですよ。
襟は編んだ後、
ダブルにして襟ぐりにまつりつけるのですが、
手加減をきつくすると
頭が通らなくなることもあるので、
どうか、気をつけて!

──
羽織り部分の波模様が美しいアイテム。
デザインされてみて難しかったところ、
可愛く仕上がったところなど、
デザインや模様のポイントについて教えてください。
また、「acacia」という名前についてもお聞きしたいです。
三國
波のような編み地は、
英語で「chevron」と呼ばれるタイプのもので、
編み目の増減を繰り返すことで
ジグザグのラインになります。
そして、その繰り返しの数を変えていくことで、
ウェア全体の形も作っていきます。

単純な法則ではあるのですが、
編んでいて心が静かに盛り上がるような、
不思議なグルーヴを体感できる編み地だと思います。
(こう書いていて、自分でもなんのこっちゃ、と思うんですが、
でも編んでもらえばわかるはずです)

acaciaという名前は、
チームの山川さんが提案してくれました。
アカシアの葉っぱって、細く切れ込みが入っていて、
かぎ針の長編みっぽいんですよ。
その葉っぱが豊かに茂った様子が、
このウエアのイメージにぴったり、採用!となりました。
山川さんはグラフィック・デザイナーなんですが、
さすが目の付け所が鋭いと思います。

──
昨年のrukosoもかぎ針作品でしたが、
今回のacaciaは初の全面かぎ針編み作品です。
Miknitsといえば棒針のイメージがあると思うのですが、
近年かぎ針を作品に取り入れられているのは
何か三國さんの中できっかけがあったのでしょうか?
三國
わたしの中でのきっかけというよりは、
素材との相性ですね。
かぎ針編みのウエアは、
「風を通すような透け感のある編み地を作りやすい」、
「綿、麻の細い糸の方が軽くて着やすいものになる
(かぎ針編みは太糸を使うと重くなりやすい)」、
という理由から、
春夏のアイテムに向いていると思うのです。

──
かぎ針編みが初めての人も挑戦しやすいように
デザインされたと伺っています。
編む際のポイントや、かぎ針編みの楽しさについて
ぜひ教えていただきたいです。
三國
かぎ針編みも棒針編みも、
日本では「編みもの」と一括りに呼ばれますが、
英語では「crochet」と「knit」と呼び分けて、
全く違うジャンルのものとして
扱われている印象があります。

わたし自身、実際に手を動かしてみると、
この二つはあまり似ていないと思う。
棒針編みでは、針にかかっている
「数十から数百の編み目に向き合う」
気持ちで取り組むけれど、
かぎ針編みでは、針の先の1目を集中して追っていく。
編んでしまった箇所は放っておいてもほどけてこないし、
持ち運んで、出先でちょこっと編むのにも向いている。
先日「棒針編みよりかぎ針編みをする人の方がずっと多い」
という話を編み図担当の方から聞いて、
うーん、そうかも、と唸りました。
気軽に楽しめるという点において、
かぎ針編みにアドバンテージがあるのはたしかだと、
わたしも思います。

──
シュラッグという形をはじめて見た方に向けて、
三國さんがふだんどのように
シュラッグカーディガンを愛用されているのか
お伺いしたいです。
三國
薄手のニットやカットソーに合わせて
着ることが多いです。
クロップト丈で、立ち姿がすらっと見えるんですよ。

あとは、そうですね、
いい天気だしワンピース一枚で出かけたい、
でも風が出てくるかな?
…という日に、小さく折りたたんで
バッグに入れていくような使い方もいい。

あまり見かけない形と思われるかもしれませんが、
気軽に取り入れられる羽織ものですし、
着ればこっちのもの、くらいの気持ちで
楽しんでいただけたら、と思います。

──
今年も糸は、
横田株式会社さんのDARUMAの糸です。
acaciaは細番手で機械編みのセーターに近い、
薄手のニットに仕上がる糸です。
ongakuのコットン糸は
ほどよい太さがありながら編み上がりが重くならない、
使いやすいコットン糸になっています。

(つづきます。)

2023-03-22-WED
[販売時期・販売方法]
2023年 3月29日(水)午前11時より
数量限定販売


[出荷時期]
1~3営業日以内
スタイリング|岡尾美代子
撮影|清水奈緒
ヘアメイク|茅根裕己(Cirque)
モデル|RADHA(身長170cm)
美衣(身長162cm)
なお(身長161cm)
岩崎咲(身長154cm)