Miknits Vintage Pattern WorksMiknits Vintage Pattern Works

ニットデザイナーの三國万里子さんが、夏に登場です。
ニットだけでなく、実はソーイングも得意な三國さん。
イギリスに買い付けに行ったときにみつけた
ヴィンテージワンピースをヒントに、
涼しげなサマードレスのパターンと生地をつくりました。
気軽に洋服づくりにチャレンジしてもらえるよう、
あまり裁縫をしたことがない方にも
縫いやすいアレンジになっています。

プリント生地はオリジナル。
三國さんの相棒「編み針」をモチーフに、
ソーイングのお店CHECK & STRIPEさん、
イラストレーターの山本祐布子さんとご一緒に、
上品で愛らしい生地をつくりました。
「いますぐ着たい!」という方には、
完成品のサマードレスをお届けします。

また、サマードレスに合わせたサマーニットカーディガンを
三國さんがデザインしてくれました。
冷房のきいた場所でサッと羽織れて、
軽くて、着心地のいいサマーニット。
ボタン専門店COーさんセレクトの貝ボタンがアクセントです。
モダンな色展開で、サマードレスやワンピースはもちろん、
Tシャツやキャミソールにも合わせやすい一着です。

夏に思いきり着たくなる、
自分のためのお洋服。
どんなものになったのか、
つくり手のみなさんにお話をうかがいました。

02 自分のために服を
つくるということ。 三國万里子さんのお話 vol.2

昔から、母親のために
服を縫ってあげることが多くありました。
とにかく、縫うのが好き。
母親も、わたしがつくった服を
とてもよろこんで着てくれました。
何十枚もつくったと思いますが、
とっかえひっかえ着てくれましたね。
それがうれしくって。

でも、自分のために服を縫うことはほとんどなくて、
最近やっと、
自分の服を縫って、着るようになりました。

なかなかいいものですよ、
自分で縫った服を着るっていうのは。

いちばんうれしくなるのは、
つくっているときです。
カーッと、胸が熱くなります。
でも、手づくりだからって工程を端折ってつくると、
洋服に魂がこもらないんですよね。
既製品のようにきれいにつくることは
わたしには難しいですが、
素人っぽい仕上がりでも、
気持ちを込めてちゃんとつくる。

たとえば家庭用のミシンって、
薄い布だと端の始末がきれいにできないんです。
既成品はロックミシンという業務用ミシンを使うので
簡単に綺麗にできてしまうけれど、
家庭用ミシンのジグザグ縫いだと、そうはいかない。
「うーん、イマイチ……」と、
納得いっていませんでした。
でも、端にアイロンをこまめにかけて袋縫いにしたら、
素人っぽさがひとつ減ったんです。
それで、だいぶストレスが解消されました。

すこし丁寧につくるだけで、
服を着たときの気分がだいぶ違うと思います。
つくっている工程を自分がいちばんわかっているので、
どれだけ気持ちを込めてつくったかどうかが、
着たときの気分を左右するんでしょうね。
無理をせず、できる範囲ですが、
簡単なれど丁寧につくると
気分がいいものです。

三國万里子さんのツイッターより

生地はインターネットで探すことが多いです。
よく利用するのはロンドンのリバティ社のサイト。
シルクが売っているんですよね。
日本だとなかなか手にしにくい価格なのですが、
ロンドンのリバティはそれに比べて買いやすいと思います。
それでも、手づくりにしては結構なお値段。
わたしは服を縫うときは
「この服は10万円」
と思って縫うようにしているんです。
そのために、見つける限りでいちばんいい生地を選んで、
心を込めて丁寧につくります。

自分のために縫った服はほこらしいものだ、
という気持ちになってほしい。
今回、サマードレスのパターンを購入いただいた方に、
「Miknits vintage pattern works」の
ブランドタグを同封します。
服ができあがった勲章、のようなものですね。

オリジナルのブランドタグは、完成の印!

本格的に暑い夏がはじまります。
地面からモワーっと熱気が上がってくる
夏の景色を想像しながら、
お家でこの涼しいサマードレスを縫うのは、
きっとたのしいと思います。
いまから縫えば、
できあがったその日から着られますよ。

(つづきます。)

2020-07-10-FRI