Miknits Vintage Pattern Works

ソーイングのおもしろいところは、
自分で”自分のための”とっておきをつくれるところ。
三國万里子さんがみつけた
フランスのヴィンテージワンピースをヒントに、
アールデコドレスのパターンと
イラストレーター山本祐布子さんによる
植物柄のオリジナル生地ができました。
生地の製作は、大阪の宇仁繊維さんと一緒に。

また、三國さんデザインのサマーニットも登場。
植物をモチーフにした、
レース模様が美しいクルーネックのニットは
春から秋まで活躍しそうです。
あたたかい季節に向かって芽吹き、
香り立つようなお洋服について、
つくり手のみなさんにお話をうかがいました。

04 Snap01 Noufu 志田亜希さん、大造さん

埼玉県入間市にオープンしたばかりの
パンとおやつとスープのお店「Noufu」
生地の食感がしっかりと味わえるような
天然酵母のパンを中心に、
身体にやさしい自然素材を使った
食べものに出会うことができます。
店内もセルフリノベーション。
古道具やリネンといった、
経年変化を楽しめるものに囲まれています。

店を営むのは、志田大造さんと亜希さんのご夫婦。
オープン前からイベントへの出店などで大忙し、
店舗には遠方からもお客さんがいらっしゃるそうです。
パンにも、店内にも、
おふたりの思いと人とのつながりによって生まれたもの、
ギュッとつめこまれた空間にお邪魔しました。

 
お店がオープンしたのは、2021年の1月。
福祉施設が営むパン部門で働いていた大造さんが、
「オーガニックなど身体に安全な素材を使って、
味わいの変化を楽しめる日常づかいのパンをつくりたい」
という思いから独学でパンづくりを学び、家族で独立しました。
お店の名前は「Noufu」。
農耕を生業とする人を意味する”農夫”を語源に、
自分たちやつながりのある人たちが育てた
安全な食材をつかってパンづくりをすること、
誰かのきっかけになるようなものを
”種まき”するように提供していきたい、
という思いが込められています。

「人とのつながりを大切にしています」と亜希さん。
亜希さんの親戚がつくる自然栽培米で酵母を起こしたり、
石臼で挽いて米粉のクッキーにしたり、
甘酒にしてお砂糖の代わりにパンに使用したり。
友人の養蜂農園が生産する天然ものの蜂蜜や
無農薬で作ったミカンをクロワッサンに使用したり、
つながりからユニークなラインナップに。
しみじみ美味しいパンが揃っています。

大造
環境にやさしい素材でつくることをベースに、
甘酒やジャムなども自家製です。
自分たちでも畑を耕し、
パンやおやつに使う雑穀やハーブを育てています。
パンの材料は有機栽培に取り組む知り合いから仕入れたり、
ロデブやパンドミなど
プレーンで日持ちがするパンをつくることで、
フードロスを避けたい思いもあります。
亜希
生地を味わう、みたいなパンなので、
他のお店とは違った味わいかもしれません。
たとえばクロワッサンは、
バターを控えめに挽きたての小麦の風味と食感を楽しめるもの。
ロデブ、パンドミ、カンパーニュは
サンドイッチなどアレンジもしやすいパンなので、
買った方々が工夫の想像を巡らせてもらえるように、
私たちはバトンを渡すような気持ちで作っています。
インスタグラムのタグ付けを見ると、
私たちのパンをいろいろアレンジしてくれていて。
それはとっても嬉しいです。

大造
基本は自分たちが食べたいものを作るようにしていて。
名前だけだと、どんなパンなのか
わかりにくいところもあるかもしれません。
でも、だからこそコミュニケーションが生まれると思うので、
食材のことや食べ方のおすすめなど
必ずお話しすることを大切にしています。
僕たちのお店が、生活のサイクルの中に
あってくれたらいいですね。

制服や内装なども、
ふたりの思いがたっぷりつまっています。
清潔感がありつつもヴィンテージの味わいが残る空間は、
じっくりと眺めたくなります。
亜希
内装は古道具屋さんを巡って、
自分たちで壁を塗ったり床を変えたり。
ときには沢山の友人の協力によりつくりあげた。
制服も、空間の雰囲気に合うように、
アメリカのアーミッシュをイメージして、
アンティークリネンのような厚手生地で
知り合いの「KIKONO」さんにつくってもらいました。

大造
お店ができあがっていないときから、
制服をつくりたい!と話をしていて。
パンも、内装も、制服も、
楽しいことを優先してイメージを膨らませていけたので、
この店に寄ってもらえるおまけがたくさん出来たんですよね。
それで、近所の人も知り合いも、
オープン前から気にかけてくださっている方が
たくさんいて嬉しかったです。

オフの日は、
どんなスタイルがお好きなのでしょうか?
亜希
内装ともつながるのですが、
やっぱり古道具やヴィンテージに惹かれます。
時間の記憶が刻まれたような古い物を、
今使うとまた生まれ変わるように感じていて。
なので、長く使えて、
経年変化を楽しめるものが好きです。
大造
靴はふたりとも「NAOT」が好きですね。
長野県にある「わざわざ」という
パン屋さんの方が紹介されていて、
履かれている姿が素敵だったので、
僕も履かなきゃと(笑)。

亜希
かっこいいし、はき心地もいいんですよね。
子育てしているので脱ぎ着がしやすいし、
徐々に自分の足に合っていくのが楽しくて、
革靴系がお気に入りです。

経年変化を楽しめる、シンプルなファッション。
つながりのある作家さんから購入することも
多いという亜希さん。
Plants柄のワンピースは新鮮だったと話します。

亜希
ふだん柄物を着ないので、
「柄物を着るとこんなにわくわくするんだ!」と
すごくいいきっかけになりました。
大造
4歳の息子が大喜びしてましたね。
ふだんはあまり言わないけれど、
「ママきれい、かわいい」って褒めていました。
亜希
嬉しかったですね(笑)。
コーディネートを考えたときに、
帽子やカバンを合わせて
朝のマルシェにお出かけしたいと思いました。
腰紐で丈の長さを調整すると表情が変わったり、
シルエットはストレートでふんわりしているのに
首元がVネックでシャープに見えたり、
着こなしによっていろんな表情を引き出せる
お洋服だと思いました。

ヴィンテージっぽい生地も好きです。
着心地もしっとり気持ちいいので、
夏の暑い日にも良さそうですよね。

大造
KIKONOさんの帽子と洋服の組み合わせは
もちろん合うんだけれど、
今回のワンピースと組み合わせても
すごく良いと思いました。
あたたかくなるのが楽しみになる感じがします。

亜希
ニットは模様がとっても素敵で。
夏用ニットを着たことがあまりなかったんですけど、
意外と着心地がサラッとしていて、着やすいと思いました。
編みものは一回挫折してしまったので、
また挑戦してみようと思います。

三國さんの「Miknits Best 小物編」を購入したので、
来年の冬に向けてゆっくり、
レッグウォーマーやマフラーを編みたいです。
わたしの手づくり

亜希
ふたりでいろんな想像を膨らませながら、
壁を白く塗ったり
アンティークショップを巡って
家具を集めたりしました。

パンを入れるショーケースは、
自分たちの理想に近づけられるように
古い素材を使いながら全部張替えしていただいて。
お客さんの中には、ヴィンテージアイテムが好きで、
このケースを見るためにわざわざ遠くから
いらっしゃる方もいます。
大造
次につくりたいものは、
パンに使う道具をNoufuオリジナルで
つくりたいですね。
大きな木のトングを開店祝いにいただいて、
すごく愛用しています。
あとは、いつか石窯をつくりたいですね。

亜希
今はまだ準備中ですが、スープも提供したい。
パンに合う素材を大切にした滋味深いスープを添えて
「一食分」として食卓に迎えてもらえたらと思います。

(つづきます。)

2021-03-30-TUE
[販売時期・販売方法]
2021年 3月30日(火)午前11時より
数量限定販売


[出荷時期]
1~3営業日以内