Miknits Vintage Pattern Works

ソーイングのおもしろいところは、
自分で”自分のための”とっておきをつくれるところ。
三國万里子さんがみつけた
フランスのヴィンテージワンピースをヒントに、
アールデコドレスのパターンと
イラストレーター山本祐布子さんによる
植物柄のオリジナル生地ができました。
生地の製作は、大阪の宇仁繊維さんと一緒に。

また、三國さんデザインのサマーニットも登場。
植物をモチーフにした、
レース模様が美しいクルーネックのニットは
春から秋まで活躍しそうです。
あたたかい季節に向かって芽吹き、
香り立つようなお洋服について、
つくり手のみなさんにお話をうかがいました。
スナップや、読者から募集した手づくり品もご紹介します。

09 わたしのソーイングの楽しみかた。
<ほぼ日乗組員・山川路子>

 
じぶんだけの「とっておき」を作れる、ソーイング。
好きな生地を選んで、好きなシルエットに調整して、
この世にたった一つの、
お洋服をじぶんの手でつくり出すのは
とてもたのしく、豊かな時間です。
ハンドメイドを楽しんでいる人たちの風景をお届けする
エッセイ連載。
第二回はMiknitsチーム随一のニッター、
双子のママ・山川です。

 
Miknitsのおかげで長年編みものを楽しんでいます。
そんな私には山本祐布子さんが描いた
「amibari」柄がたまらず、
いつかこれで何かを縫いたいなー‥‥と思っていました。
ニッターをニヤリとさせるこんな柄、何にしたらいいかしら、と
考えていましたが、
昨年はまだアブアブ言っていた娘たちが、
2歳半をすぎて、最近すっかり自分の足で歩けるようになり、
スカートも履けるようになってきたので、
手持ちの子供服のパターンでワンピースを縫ってみることにしました。

我が家の娘たちは双子。
何かを手づくりするときは2つ同じものを作ります。
娘がお昼寝しているときや、
夜寝たあとの時間に
「今日は型紙をうつして裁断までやろう」とか
「こないだ襟ぐりに失敗しちゃったからそれをといて
 しつけし直すところまではいまやろう」とか
少しずつ少しずつ縫いすすめました。
 
「amibari」生地はさらさらとして、
これからの暑い季節にぴったりの
良質で品のあるコットン地。
裁断するときに感じたのは、
柄の上下がないので、生地を切り詰めて
型紙を置いても、違和感ない仕上がりになる
いい柄だな、ということでした。

スカートのギャザーを寄せて、
少し生地が立体的に波打つところを見ると
無性にキュンとします。

 
我が家のように小さな子供がいると、
なかなか道具を出したり広げたり、が
ソーイングは大変ですが、
いざやり始めると、だーーーっと
できていく過程が面白くて、
最後の最後は、
娘の昼寝時間にやっていたはずのところ
娘たちが起きてくる時間になってしまっても
猛然とミシンに向かい続け、
娘たちは「なにしてるの~~?」と
興味津々でした。

最後は娘たちに見守られながら
完成したワンピース2着。
今度はこうしよう、と思う反省点は
あるものの、
「できたの? かわいい!」と
娘たちはよろこんで着てくれました。

が、そこはまだ2歳児。
着用してあっという間に
食べこぼしで汚してしまいましたが、
薄手のコットン地なので、
さっと洗濯できて、そこも良かったです。

 
ちなみに、娘たちにソーイングで初めて手作りしたのは、
夏祭り用の甚兵衛です。
通っている保育園の夏祭りで着せる可愛いものが
ないかと散々探したのですが、
どうもこのみのものに出会えず、
手持ちの布で作ってみたのでした。

 
この時、娘たちは9ヶ月。
まだ立って歩けなくて、
机の上にミシンや裁縫道具をひろげていても
大丈夫だったので、
家の片隅にソーイングスペースを作って
来る日も来る日も夜に1時間くらいそこで
作業をしてコツコツと作り続けました。

同じものを2枚作るつもりが
サイズが全然揃わなかったり、
縫い代がぎりぎりすぎたり、と
いくつか反省があったので、
今回のワンピースで再チャレンジできて
たいへん満足です。

せっかく好きな生地で手作りするなら
大人とこどもでおそろいの
服にしても楽しそうですね。
ぜひぜひ、ソーイング楽しんでみてくださいね!
2021-06-24-THU