やっぱり、三國万里子さんの世界観がみごとにフィットした、
っていうのが大きいんじゃないかな。
ダウンジャケットって、どっちかっていうと、
実用のものじゃないですか。
それが、三國さんのニット柄でおしゃれなものになって、
あったかい雰囲気になった。
それが、よかったんじゃないかと思います。
水沢ダウンは、いい製品をつくるための
すばらしい条件がそこにあって、
たまたま市場とのつながりが弱かった
というケースですよね。
つまり、昔からの、ダウンを詰めるのと防水加工とを、
高水準で両方できる工場があって
、そこで働く、職人芸に近いような技術をもつ人たちがいた。
あれはもう、手づくりに近い、職人さんの世界ですよね?
そういう人たちが、あの工場にはいた。
中国やベトナムで、仕様書を出してつくれって言っても、
絶対にできないですよね。
いい土地に、いい作物が育つのといっしょで、
あの水沢っていう場所にそれがあったおかげで、
「買ってお得」なものをつくれたんじゃないですかね。
そういうものに、三國さんの世界観を
接ぎ木できて、花が開いたっていうのが、
ぼくらがそれなりに手伝えたことなんじゃないかな。