「海大臣」は高価な海苔?

「海大臣」の価格を、一般的な海苔と比べ、
高価だと感じるかたがいらっしゃるかもしれません。
ましてや今年の「海大臣」は、仕入れ価格の高騰により、
昨年までの4,700円から5,500円へと
価格改定をおこないましたから、
なおさらその印象を強くなさるかたも
いらっしゃるのではないかと思います。
けれども「高くはないのですよ」と、
「ほぼ日」は考えています。
「海大臣」は、林屋海苔店が基本単位とする
「全型30枚1パック」で販売をしています。
「全型」はタテ21センチ、ヨコ19センチ。
これを「8切(はっさい)」にしたのが、
よく見かける「おかず用のカット海苔」です。
「海大臣」1パックは、「8切」に換算すると、
30×8=240枚ぶん、となります。

ここで、デパートなどで買うことのできる
「8切」が(5枚1組などの)パックになっている
贈答用の缶入り高級海苔を思い出してください。
「えっ?」という値段がついているものもありますよね。
じつは「8切」240枚の缶入り高級海苔は、
1万円を超えるものも、珍しくありません。

そして世の高級海苔は、見た目がとても大事。
まずはピカピカで、厚くて、小穴が少ないものは、
その見た目だけで高い値がつきますし、
「8切」にして缶や箱に詰めることで、
さらにその価値をたかめています。
けれど、「海大臣」は、等級や見た目とは関係なく、
食味検査をして「これだ!」という海苔を仕入れています。
曇りは味に影響せず、
小穴の多さはむしろ「やわらかな芽を使った証拠」、
おいしい海苔のあかしです。
そして「8切」にせず、缶に入れず、
問屋さんである林屋海苔店さんが扱っている
全型30枚1パックという
「おすし屋さん向けに販売しているいつもの姿」で
販売を行なうことで、
できるかぎりコストをおさえています。