第2期ぶんも順調にオーナーが決まっていきつつある
「誤解されやすいくま」。
そんななか、わたしたちの心にある考えが芽生えたのです。
「誤解されやすいくま」は、
早くいえば「くまのぬいぐるみ」の一種です。
であれば、その世界的コレクターに、
もらっていただけないだろうか。
そしてあわよくば、
コレクションに加えていただけないだろうか。
秘めたる野望を胸に、わたしたちは新宿に向かいました。
着いたのは、新宿小田急百貨店の催事会場。
おりしも、『開運!なんでも鑑定団』などでもおなじみ、
玩具コレクターの第一人者として知られる、
北原照久さんの「大コレクション展」が開催されています。
入り口から、すでに気になるものがいっぱい。
そう、北原さんに「誤解されやすいくま」を進呈して、
コレクションに加えてもらおうという魂胆なのです。
会場に北原さんが来られていると聞いたのですが、
いらっしゃいますかー?
会場に入ると、のっけからすごいものに出くわします。
ひゃあ、『スター・ウォーズ』や『グレムリン』で、
実際に使われたものですって!
北原さんならではの玩具コレクションはもちろん――
北原さんといえばの、ブリキのおもちゃ。
こちらはキューピーさんのコレクション。
ミッキーをはじめとるするディズニーもの。
伝説のトキワ荘のカーテンに描かれた、
マンガの寄せ書きやら――
著名なアーティストの作品――
横尾忠則さんの「腰巻きお仙」のポスター。
こんな超有名なもの、美術館にしかないと思ってました。
奈良美智さんの、ごくごく初期の作品。
知らなかったけど、気に入ったから購入したのだとか。
さらには現代アーティストの作品まで、
実にさまざまなものが、ところ狭しと並んでいます。
そして、あっ、あの後ろ姿は?
北原さーーーーーん!
わあ、いらっしゃいました!
「やあ!」と気さくに手をあげてくださった北原さん。
北原さん、くまのぬいぐるみを集めたコーナーで
待っていてくださいました。
「これはもう、ぜんぜん一部で、
実際にはくまだけで、博物館ができるくらいあります」
うわ、そうなんですか。
それにしても、どれも年季の入ったくまさんたちですね。
「あたらしいものでも、60~70年くらい前のものです。
右端は1905年につくられた『リチャード・ベア』で、
創業者のマルガレーテ・シュタイフの甥である、
リチャードさんがデザインしたものです。
この年から、有名な『ボタン・イン・イヤー』
(ぬいぐるみの耳につけられた商標)がつくんですよ」
100年以上前ですね。
うちの子は、今年うまれたばっかりですけど、
受け取っていただけるでしょうか。
「はい、もちろんです。さっそく拝見しましょう」
「へえ! マスクをしてますね」
はい、恐がられないようにマスクをしてるんです。
「それで『誤解されやすいくま』なのか。
あのぬいぐるみといっしょですね」
北原さんが指さす先には、
オルゴールを回す、リアルなくまさんが。
よく見ると、口輪をしています。
「むかしヨーロッパでは、くまに、
こういう曲芸をさせてたんですよ」
ええっ、ほんとに街角に、こんなくまがいたんですか!?
「そうそう。
マスクをはずしていいですか」
どうぞどうぞ。
「あっ、かーわいいじゃないですか。
うん、かわいいかわいい」
おお、北原さん、よろこんでくださっています。
気に入っていただけましたか?
「うん、気に入った!」
ああ、よかった!
「くまはぼく、けっこう好きなんですよ。
テーマとか、そういうのは特になく、
かわいいなって思ったものを、集めています」
あっ、じゃあ、この子が仲間入りしても?
「ええ、かまいませんとも。
もう、いっしょにしちゃいましょうか」
なんと光栄な。
「誤解されやすいくま」が、
栄えある北原コレクションに認定された瞬間です。
「会期中、このまま飾っておきましょう」
とうわけで、ほんとにそのまま、
貴重なテディベアたちといっしょに、
ショーケースに収まってしまった「誤解されやすいくま」。
無事「北原さんちの子」にしていただくことができました。
北原さん、どうもありがとうございました!
「誤解されやすいくま」、
北原コレクションに正式加入です。
「誤解されやすいくま」オーナーのみなさん、
「これ、『なんでも鑑定団』の北原さんも、
コレクションしてるんだよ」
って、自慢してOKですからね。
さあ、こんどは、どなたに進呈しようかな。
2015-11-13-FRI