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※ほぼ日註  作者の金津さんのインタビューは、
 電話取材という形で行ないました。
 そのため、ほかの方のインタビューとは、
 掲載写真など、体裁がやや異なります。
 ご了承ください。
── 金津さんは、ふだんは、
ガラス作家として
活動されているんですね。
金津 はい。
おもに器ものが多く、
ぐい呑みのような小さめのものから、
花瓶のような大きめのものまで作っています。
── はんこをつくりはじめたきっかけを
うかがえますか。
金津 ガラスの作品をつくっていると、
端材がたくさん出ます。
とくにオブジェをつくるときは、
ガラスのかたまりや、
使えないところが出やすいので、
それらの端材を使って、
何か作品が作れないかなと思ったのが、
きっかけです。

ガラスの端材。
1ミリ程度の不純物が入っていたり、
ヒビが入っていたりして、
そのままでは使えません。
── どうして、はんこだったのですか。
金津 もともとスタンプが好きで
集めたりしていました。
それで、自分でもつくってみたいなと
思ったのがきっかけです。
── 同じはんこでも、
ガラスでできているというところが
素敵です。
金津 ガラスだと、
はんことして使わないときに、
オブジェとしても置けるので、
いいかなと思ったんです。
あと、ガラスは透明なので、
光のあたり方によって、
影の出方も変わるんです。
── なるほど。
ひとつのはんこでも、
いろんな見え方がしそうですね。
金津 はい。
私がもともと
ガラスをやりたいと思ったのも、
光でいろんな表情が出るところが
いいなと思ったからなんです。
── ガラスを切るところから、
表面に絵柄を入れるところまで、
全ておひとりで
つくっていらっしゃるんですか。
金津 はい。
創作の流れを簡単に説明しますと、
まず、端材をガラス用の切断機で
切っていきます。
切った断面が粗くなっているので、
ダイヤモンドがついた板に乗せて、
きれいに削っていきます。
── ダイヤモンド、ですか。
金津 はい。
ダイヤモンドがついた板で
少しずつ削りながらおおよその形を
決めていきます。

ガラスを切っているところ。
ダイヤモンドがついている刃に、
ガラスをゆっくり当てながら切っていきます。
── ほかの工程も教えていただけますか。
金津 次に砂で削ります。
砂は、粗い粒子の砂から始まり、
何段階かに分けて
細かい砂にしていきます。
砂の粒子が徐々に細かくなっていくにつれて、
ガラスの表面もきれいになっていきます。

曲面を削っています。
これも、ダイヤモンドが表面に付いている板を
縦方向に回転させて、
そこにガラスを当てて削っていきます。


ガラスの形を作るための道具。
ガラスを切るための専用のはさみ、
濡らした新聞紙、大きなピンセットなど。
ガラスが溶けて柔らかいときは
熱くて直接は触れないので、
道具を介して触ります。
── 削る工程が終わったら、
いよいよ柄ですか。
金津 はい。
形ができたら、柄を掘っていきます。
今回のがらすのはんこは、
全部で106点ありますが、
すべて絵柄が違います。
── 柄の豊富さには
驚きました。
金津 ふだんから
きれいな柄やかわいい柄が
頭に思い浮かんだら
メモするようにしています。
今回も、思いつつくままに、
どんどん掘っていきました。
── 思いつくままに。
金津 雪の結晶や、街の風景、
花や星の模様、鳥たちなど、
いろんな柄が
106種類ありますので、
お好きな柄をえらんでいただけたらと
思います。
── どれもかわいいので、
悩みながらえらぶのも、
また楽しますね。?


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