鈴木 |
デザインの仕事をしようと思ったきっかけ‥‥。
そうですね、
ぼくは中学生のときには、けっこうはっきりと、
「デザイナーになりたい」と考えていました。
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ほぼ日 |
中学生のときにはもう‥‥。早いですね。
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鈴木 |
当時、雑誌の『ブルータス』が
イームズの特集をしていて、
一大ミッドセンチュリーブームみたいな、
椅子とか家具のブームがありましたよね。
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ほぼ日 |
ありました、ありました。
(※BRUTUS 1995年6/1号 特集:イームズ/未来の家具)
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鈴木 |
あのころぼくは田舎の中学生で、
そういう東京のカルチャーに憧れていたんです。
はじめてイームズを見たときは、
すごくびっくりしました。
こんなかたちの椅子があるんだ、みたいな。
もう、すごい衝撃的で。
(チャールズ・イームズ/20世紀の半ばに活躍した
アメリカのデザイナー、建築家、映像作家。
当時の工業製品デザインに大きな影響を与えた)
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ほぼ日 |
中学生で、イームズが好きだった‥‥。
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鈴木 |
もともと美術が大好きだったんです。
中学校、高校と、
「日本のぜんぶの美術館を制覇する」と、
寝台列車や青春18きっぷを使って、
いろいろな美術館を回ったりしているような‥‥
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ほぼ日 |
美術大好き少年だった。
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鈴木 |
ええ。
その延長で、デザインに興味を持ち始めました。
あと、ぼく、ボーイスカウトに入っていて。
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ほぼ日 |
ボーイスカウト。
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鈴木 |
ナイフで枝を切って箸を作る、みたいな。
そういうことも好きだったんです。
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ほぼ日 |
それ、プロダクトデザインですね(笑)。
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鈴木 |
ええ(笑)。
ナイフ1本あれば何でも作れちゃうみたいな。
そういう思いがあって、
イームズにもあこがれていて、
「やっぱりぼくは立体を作る仕事がしたい」と。
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ほぼ日 |
中学生で思っていた。
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鈴木 |
はい。
その後、多摩美術大学に入って、
そこでは、プロダクトデザインを専攻できるので、
そこからはもう、
立体のデザインを学んで、ずーっと学び続けて‥‥
今に至る、みたいな感じです。
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ほぼ日 |
卒業後は、就職を?
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鈴木 |
最初は、NECという、普通の会社に勤めたんです。
インハウスデザイナーと呼ばれる、
その会社のものだけを
ひたすらデザインしていく部署にいました。
大きな会社で多くのことを勉強させていただいて、
そのあと、
社員が社長を入れて3人という事務所に移りました。
そこでひたすらデザイン漬けの日々を送って、
両方を経験することができたんです。
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ほぼ日 |
なるほど。
それで、独立されて今のかたちになって‥‥
どのくらい経つのでしょう。
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鈴木 |
ちょうど2年です。
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ほぼ日 |
あ、まだ2年なんですね。
2年でこんなにヒット商品を‥‥。
ほぼ日の仲間もみんな、
「富士山グラス」のことを知っていました。
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鈴木 |
ありがとうございます。
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ほぼ日 |
中学時代からずっとブレない思いが‥‥
すばらしいです。
やはりずっと、
シンプルできれいなデザインがお好きなのでしょうか。
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鈴木 |
好きなデザインは‥‥
そうですね、やっぱり‥‥
なんでもないものがいちばんだと思います。
すぐに飽きたり、消費されてしまうものではなく‥‥。
けっきょく自分でも、
飽きずに長く使っているのは、
なんでもないものなんですよ。
だから、そういうものを作っていきたい。
でも、それって実は本当にむずかしくて‥‥。
山のように作って、
その中にひとつあるかないか‥‥みたいな。
ぼくの仕事は、
それを探していくことなんだと思っています。
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ほぼ日 |
なるほど。
話は変わりますが、
今回ごいっしょさせていただいたのは、
鈴木さんからいただいたメールがきっかけでした。
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鈴木 |
はい。
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ほぼ日 |
なぜ「ほぼ日」と何かをしてみたいと
思っていただけたんでしょう?
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鈴木 |
それは‥‥
あの、すごく正直に申し上げると、
「ほぼ日」って、毎日は見てなかったんですね。
たまに見ている感じで。
存在はもちろん前から知っていましたが、
毎日チェックをしにいくほど、
ヘビーなユーザーではなかったんです。
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ほぼ日 |
はい。
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鈴木 |
それでも、「ほぼ日」以外でも、
ビジネス関係の誌面とかで
糸井さんのお話に触れることがあるんです。
そこで知った、組織としての糸井事務所とか、
会社としての「ほぼ日」のあり方に
すごく興味が出てきたんです。
ぼくらもモノを作ってますけど、
それをコンテンツにしていくということは、
考えたことがなかったんで。
そういう視点で、「ほぼ日」をあらためて訪れたら、
「伊藤まさこさんの白いお店」が開いてて‥‥。
ああー、なんかすごい。
やっぱりおもしろい、と思って。
ぼくらも、もし何か、
いっしょにやらせていただけることがあればと、
ああいうメールを送ってしまいました。
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ほぼ日 |
ありがとうございます。
メールは鈴木さんひとりの思いつきで?
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鈴木 |
いや、みんなで話し合ってです。
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ほぼ日 |
こちらはいま、お仲間は何人いらっしゃるんですか?
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鈴木 |
いまは、えぇと‥‥
1、2、3、4、5人、ぼくを入れて5人です。
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ほぼ日 |
5人。5人のチームで。
そうですか‥‥
ぼくらもそうなんですが、
ミーティングの時間が、きっと多いんですよね?
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鈴木 |
多いです。
毎日お昼ごはんをここで作って
みんなで食べてるんですけど‥‥
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ほぼ日 |
え、そうなんですか!?
ここで毎日、みんなでごはんを。
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鈴木 |
ええ、
そのときにも、いろんなことを話します。
「ほぼ日さんの扇子どうしよう」とか(笑)。
悩みを共有したり、
新しいことについて話したり。
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ほぼ日 |
ぼくらも、よく食べながら話してます。
週に一度、給食があるんですよ。
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鈴木 |
給食(笑)、いいですねぇ。
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ほぼ日 |
おしゃべりの中から
アイディアが生まれてくるみたいな。
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鈴木 |
あ、そうそう、うちもそんな感じです。
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ほぼ日 |
会議というより、雑談みたいで。
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鈴木 |
ぜんぜん会議じゃないです。
ほぼ日さんにメールを出したときも、
「最近のほぼ日、なんかすごいよね」
「じゃ、ちょっとメールでも送ってみる?」って。
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ほぼ日 |
そんなノリでしたか(笑)。
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鈴木 |
はい、そんな感じでした(笑)。
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ほぼ日 |
そのおかげで出会えてよかったです。
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鈴木 |
こちらこそ。
たのしい仕事でした。
全力でやらせていただきました。
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ほぼ日 |
すみません、いろいろとわがままを言って。
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鈴木 |
いえいえ、ほんとにたのしかったんです。
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ほぼ日 |
さっきうかがった、
「なんでもないデザインが好き」というお話は、
ぼくら、とても共感できます。
まだ仲良くしていただけるんじゃないかと
勝手に思っていますので、
これからもどうぞ、よろしくお願いいたします。
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鈴木 |
もちろんです。
ありがとうございました。
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