「ほぼ日のいい扇子2014」ができるまでのことを、 扇子チームで振り返りました。 メンバーはの4人。 思い入れがあふれ、長い読みものになりました。 お時間があるときにお読みください。 デザインしてくださった作家さんたちや、 前向きに取り組んでくださった 扇子メーカーさんの想いが伝わるといいな、と思います。 |
(資料を読みつつ) ‥‥あらためて、ありがたいですね。 |
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(資料を読みつつ) はい、すでに目を通したアンケートですが、 みなさんすごくていねいに答えてくださって。 |
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(資料を読みつつ) 「扇子についてのアンケート」、 やってよかったですね。 |
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(写真を撮りつつ) よかったですー。 |
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そもそも、なぜアンケートを実施したのか、 おぼえてますか? |
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もちろん。 |
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実際に使ってるかたの声をちゃんと聞きたかった。 |
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みんなが使ってるシーンのイメージを持ちたかった。 |
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1000を超える方々がアンケートに参加してくれて、 まずはそれにびっくりしました。 |
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ありがたいことです。 このアンケート、ぼくの印象としては、 「おしゃれ」と書かれた解答が多かったような‥‥? |
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そうそう、多かった。 「ほぼ日の扇子のいいところは?」 「周りからの評判は?」 という質問に対して「おしゃれ」という解答。 |
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「デザインがいい」っていうのも。 |
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「自慢できます」とか、 「誇らしい気持ちに」っていう感想も。 |
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ありがたいですよね。 そう思ってもらえたのはやっぱり、 他にはないデザインだったからだと思うんです。 つまり、作家さんたちと、 ほぼ日の扇子を作ってくれている 京都の『山二』さんのおかげだなぁ、と。 |
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ほんと、そうだわ。 |
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このアンケート結果は、 『山二』さんにも読んでいただきました。 |
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あ、そうなんだ。 |
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『山二』さん、うれしいですよね。 |
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たぶん、よろこんでくださったと思います。 |
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3年前、はじめてご一緒したときと、 『山二』さんとの関係はだいぶ変わった? |
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変わりました、とても。 4年目ということもありますが、 今回の、このアンケートは大きかったと思います。 これを読んだことで 「他にない扇子を作ることの価値」を すごく共有してくださって、 わたしたちの難しい注文にも応えようと より頑張ってくださるようになった気がします。 |
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‥‥すばらしい。 |
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その一方で、 「ほぼ日の扇子を持っていない」というかたの アンケートも、参考になりました。 |
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はい。 |
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「使うのが照れくさい」 という答えもありましたよね。 「扇子は使うのがちょっと恥ずかしいです」 |
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正直に答えていただいて。 |
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その恥ずかしさ、 TPOによっては、たしかにありますよね。 |
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ある、ある。 |
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あと、「普段、扇子を使うシーンは?」 っていう質問への答えも、おもしろかったです。 |
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「待ってる場面」が多かったでしょ。 |
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そうそうそう! |
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駅のホーム、バス停、信号待ちの横断歩道、 コンサートの開演待ちのとき扇子を使う‥‥。 |
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そこがポイントで、 使うシーンはやっぱり、 「移動中」、「外(そと)」なんですよね。 |
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そうですね。 |
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で、移動中に使うっていうことは、 必然的に「人に見られる」わけで‥‥。 そうです‥‥恥ずかしくない扇子が、いい。 |
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うん。 おしゃれなら、かわいければ、人前で出せる。 |
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出せるどころか、どんどん出してほしい。 |
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もっと扇子を持ち歩いてほしい! |
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それを本気で伝えよう! というのが、 2014年の扇子の最初のテーマでした。 |
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ちなみに、このアンケートを実施した9月には、 すでに翌年の扇子デザインを 各作家さんにお願いしていました。 |
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8月末にはご依頼しています。 10月にデザインを完成してないといけないので。 |
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つまり扇子というものは、 夏の真っ盛りにもう、 翌年のデザインをはじめているのです。 |
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というわけで、 ここからはもう具体的にいきます。 2014年のデザインをどうやって決めていったか、 ひとつずつ振り返りましょう。 まずは、ひびのこづえさんのデザインから。 |
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「くもの宝石」です。 |
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ひびのさんは「ほぼ日のいい扇子」を 企画の元年から手がけてくださっています。 |
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今年で4回目ですね。 |
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2014年もすばらしい扇子ができたと思います。 |
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作家さんとのやりとりは 主に、ちなちゃん(コウノの名前)の役割りなんだけど、 ひびのさんとのお仕事はどうでしたか? |
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毎回、すごく勉強になります。 とくにひびのさんは、 骨の形と骨の色に関して、 毎年、細かくご指示をくださるんです。 扇子の竹は、染められるんですが、 かなり特殊な色をご指定されます。 |
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特殊というのは? |
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まず、染められない色です。 |
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ああーー。 |
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最初の年、「山二」さんに色指定を出したときは、 「こんなん無理ですわ」というお返事で。 |
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ほえ~~~。 |
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でもひびのさんは、 「多少は色が転んでもいいから、 その色に向かって全力でやってみてほしい」と。 |
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「色がころぶ」というのは、 ちょっと違う色になってしまうことです。 |
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で、全力でやってくださった仕上がりを見て、 「あ、この色でも案外いいじゃない?」と。 |
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こづえさんのその感じ、 ハラマキのときといっしょです。 「再現できない細かい柄ということはわかってます。 柄がつぶれちゃっても構わないので、 まずはできる限りやってみてください」 という。 |
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ひびのさんは、 自分がデザインしたものが すこし変化することをたのしんでらっしゃるような。 |
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そう、そうなんです。 |
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その「できる限りやってみる」というあんばいが、 山二さんと、ひびのさんのあいだで、 今年はツーカーになってきたんですよ。 |
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へええーーー。 |
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あとはそう、今回の扇子は 全体が「くもの巣」という見立てなので、 「扇子の骨はできるだけ細く、華奢に」 というご指定がありました。 |
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それはすごく、おっしゃってましたよね。 |
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強度との兼ね合いで、できる限り細く。 |
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なるほど。 ‥‥あとはその、ビーズの飾り。 ぼくらは扇子につける飾りを 「チャーム」と呼んでますが、 そのチャームはすごいですね。 |
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かわいい‥‥。 |
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かわいいでしょお。 扇子の中に、くもはいなくて、 下に糸でぶらさがってるイメージなんです。 |
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かわいいけど‥‥つくるのはたいへん。 |
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ええ。ぜんぶ手作りなので。 |
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そうでした。 |
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名作、ですよね。 なかなか、他では実現できないことだと思います。 |
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あとひとつ、 今回、個人的にすごくうれしかったことを。 去年の5月くらいの段階で、 こちらからご依頼をする前に、ひびのさんから、 「次の扇子を作るときは、 こういう方法で色確認をしませんか」 というご連絡をいただいたんです。 |
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おおー、前向きに考えてくださっていた。 |
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そうなんです! それがすごくうれしくて‥‥。 |
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ありがたいですね。 もう‥‥さっきからずっと、感謝しかないです。 |
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そうですね、ほんとにそうですね。 |
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うん。 ‥‥感謝しながら進めましょう。 こちらの扇子、 「APPARE」をデザインしてくださったのは‥‥ |
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鈴木啓太さん! |
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今回のテーマ、 「ジャパネスク」をストレートに表わしてます。 |
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鈴木啓太さんとは、 メールで知り合ったんですよね。 |
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そう。鈴木さんが「ほぼ日」に 「何かいっしょに」 というメールをくださったのが最初でした。 |
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「富士山グラス」とか「虹色風鈴」を知ってたので、 あれをデザインした人だーー! って。 |
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さっそくお会いして、 扇子のデザインをお願いしたのが去年の8月。 |
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すぐに最初のアイデアを プレゼンテーションしてくださって。 |
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かっこよかったー。 |
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いちばん最初のアイデアも 富士山がモチーフだったんです。 それが、びっくりするようなデザインで。 |
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あれは画期的でした。 |
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ただ、画期的すぎて、 作ることが不可能だったんです。 |
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さすがの「山二」さんでも無理だった。 |
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そしたら鈴木さん、 「製造の現場を見ておきたい」と。 |
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わざわざ京都まで行ってくださったんですよね。 |
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最初にやりたかったデザインが 「技術的に無理です」となったことが やっぱり残念だったようで、 次のデザインを考えるにあたっては、 どこまでができることなのか、 作り方の仕組みを知っておきたい、と。 それによって 自分のデザインの幅も広がるだろう、と。 |
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‥‥また感謝しかないです。 |
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この扇子、扇子の骨と骨のあいだから、 向こう側が見えませんよね。 |
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はい。びっしり扇骨でふさがっています。 |
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これは、紙扇子ではほとんど例のないことなんです。 でも、工程を見ていた鈴木さんは、 「たぶんできるはずだ」と。 そしたら山二さんも、 「前例はないんですが技術的にはできますねぇ‥‥ やってみましょう」と。 |
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しびれる話ですね。 |
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そのほかにも細かい部分のチューニングで 何度もやりとりをさせていただいて完成した、 「APPARE」という扇子です。 |
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鈴木啓太さんも「山二」さんも、 どちらも「あっぱれ」なお仕事ですよね。 あと、ちなもあっぱれ。 |
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え!? いやいや、私はそんな‥‥。 それよりも、ふくろ。 扇子のふくろの話をしましょう! |
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「扇子のトートバッグ」。 これは今回、 最も試行錯誤を繰り返したアイテムでした。 |
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話し合いましたよね、とことん。 |
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そうなんです。 鈴木啓太さんとの扇子アイテムは、 「ほぼ日」とアイデアのやりとりをしながら いっしょにつくったものでした。 他の作家さんとも、もちろんやりとりはあるんですが、 鈴木さんとは、なんていうんでしょう‥‥ ほんとにちからを合わせて考えましたよね。 |
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新鮮な作り方でした。 |
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▲鈴木さんの事務所で打ち合わせ中。煮詰まったりもしたけれど。 ▲様々なパターンを試した、試作の山‥‥。 |
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たどりついたのが、この扇子ケース。 |
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「もっと扇子を持ち歩いてほしい!」 というメッセージを みごとにカタチに落としこんでくださいました。 |
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ああーー、「持ち歩く感」がすごくでてるー。 |
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ね。 なにしろ、かわいいし。 続けてまいりましょう。 |
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こちらも、初めて「ほぼ日」とご一緒した、 ひがしちかさんの扇子で、「Swan」という名前です。 |
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ひがしちかさんへのインタビューは、 とても好評でしたね。 |
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そう。 このお話を聞いて勇気が出るかたが 世の中にたくさんいらっしゃるだろうと思って 急きょ掲載することにしました。 それはそれといたしまして、 「Swan」のデザインの進行はどんな具合でした? |
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最初、まずはこういう絵をいただきました。 |
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刺繍の指示書きが入ってます。 |
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「Swan」は刺繍で柄が描かれた扇子なので、 まずはこれを刺繍屋さんに渡して、 機械刺繍をしたんですが‥‥だめで。 |
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だめだった‥‥。 |
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やはり絵だと伝わらないのかもと、 ひがしさんに元の刺繍を作っていただいて、 もう1回、入稿データとして準備しました。 とはいえ機械刺繍には限界を感じていて‥‥。 |
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限界を感じて、どうしたんでしょう。 |
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オール手刺繍にしてしまうと、 とんでもない価格になってしまうし‥‥。 「山二」さんが、 どうやったらひがしさんが思うようにできるか っていうのを頭を絞って考えてくださったんです。 |
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はあー、追求してくださった。 |
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そうなんです。 で、刺繍屋さんをもう一度さがして、 その刺繍屋さんとの相談で、 「外側の輪郭だけ機械で 内側の羽の表現は手刺繍でいこう」 ということになりました。 |
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‥‥それって、ほぼ手刺繍ですよね。 |
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はい。 なので、他の扇子よりも どうしても製作に時間がかかるんです。 |
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▲試作の刺繍をチェックするひがしちかさん。 |
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あとほら、ここの「Swan」文字。 ぼくはこれ、すごく好きです。 |
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これ、機械? 手彫り? |
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機械ですね。レーザーで。 |
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レーザー! ‥‥なんかすごい。 |
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骨のところも女性的で‥‥。 |
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いいでしょ~? |
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ここも、鳥の羽をイメージしているような。 |
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そうなんです、すてきなんです。 |
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うっとりしてるちなちゃんが 一瞬で目を覚ますような、 次の扇子をご紹介しましょう。 秋山具義さんの「にゃんす」です。 |
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インパクトあるわー。 |
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あなたのそのお洋服もね。 |
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そう? |
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アッキーさん(秋山具義さんの愛称)に 扇子のデザインをお願いして、 このデザインがやってきて‥‥ |
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まあ、みんなで唖然としましたよね。 |
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ビックリ。 |
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大の猫好きで知られるゆーないとさんでさえ‥‥ |
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「アッキーさん、マジか?」と。 |
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マジか?(笑) |
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「お洋服のような扇子をお願いします」 って言ったのに。 |
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お伝えしました。 |
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今回のテーマは、 「もっと扇子を持ち歩いてほしい!」なのに。 |
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そのあたりもお伝えしたと思います。 |
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その上で、これがドーンとやってきて。 |
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すごいなぁ(笑)。 |
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アッキーさん、さすがだな、と。 |
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そうそう、さすがですよね。 つまりまぁ、さっき話した、 「外で使うのがちょっと恥ずかしい」 っていうことをなくすどころか、 逆に「これを見て!」というデザインに。 でも、この振り方はアリなんですよね。 |
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アリ、アリ。 |
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「目立たない」だけを目標にしちゃったら、 ひたすら地味なものを作っていく っていうことになるわけですからね。 |
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それは退屈ですね。 |
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ちなちゃん、 「にゃんす」の製作で難しかったところは? |
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それは、耳です。 |
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あー、なるほど。 |
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まずはこの、 コシとハリを出すための素材選びですね。 コシのある布で裁ちっぱなしのって、 フェルトくらいしかないんですよ。 でもアッキーさんは、 「フェルトじゃなくて、 扇子の布と似たような感じの、薄い布です」と。 |
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うーーん‥‥悩みそう。 |
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悩みました。 普通の薄い布だと、 耳がタラーンって垂れてきちゃうんですよ。 垂れないようにするには、 耳のサイズをちいさくするしかない。 |
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▲試作品で耳のサイズを検討するアッキーさん。 |
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なるほどねー、ぎりぎり垂れないサイズに。 |
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なおかつ、 アッキーさんと相談しながら決めたんですけど、 この、耳の真ん中に、 ちょっとくぼみをつけると、 垂れにくくなるんじゃないかと。 |
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くぼみ、ありますね。 ネクタイの、えくぼみたいな感じで。 |
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あとは、ズボンのタックみたいな。 |
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はい、はい、はい。 なるほどなーーー。 ‥‥これ、耳をずっと触っちゃうね。 |
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わかる(笑)。 |
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愛着が、ぐんぐんわいてきた(笑)。 |
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急に(笑)。 |
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やっぱりこれ、アリですよね。 いけますよ、普段使い。 ゆーないとさん、ちょっとやってみて。 |
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へ? |
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なんかこう、「ニャンス」をあおぎながら、 さっそうと街を歩いている感じ。 |
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‥‥ええと‥‥(立ち上がる)‥‥こう? |
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そうそう! |
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一同 | (拍手) |
アリですね、普段使いにぜんぜんアリ。 |
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すばらしい。 では次にまいりましょう。 すっかりお馴染みのシリーズになりました。 デザーティック・平武朗さんの扇子、 「The Other Side of Marine」です。 |
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平さんは、3年目の扇子ですが、 名前がぜんぶ同じですよね。 「The Other Side of Marine」。 |
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ずっと一貫して、マリン。 |
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平さんと何度もやりとりを重ねるのは、 もう恒例になりましたが、 直接の担当のチナちゃん、今年はどうでした? |
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まずは、布探しでした。 |
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布探し。 |
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「白と白でボーダーにしたい」 というご希望があったので、探しました。 白と白のストライプって、 シャツの生地くらいしかないんです。 しかも、そんなに種類はない。 平さんのイメージにぴったりなのがなかなかなくて、 いくつもサンプルを取り寄せて、 ようやく「これかな」と言っていただいたのが、 この生地でした。 |
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これに決まるまでに、何日くらいかかったんですか? |
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ええと‥‥2、3ヶ月。 |
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ああ‥‥そのくらいかかるんですね。 |
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他の作業も平行してやってたので。 |
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平行して、たとえば扇子の骨も作らないといけない。 |
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ええ。 その骨がまた、今回はたいへんで‥‥。 |
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3色に染め分けられてますね。 |
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しかも、よく見てください。 型が2種類あるんです。 |
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‥‥あー、ほんとだ。 丸が多いのと少ないのと、2種類。 |
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すごい‥‥。 |
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これも、レーザーで? |
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これだけ細かい柄なので、たぶんレーザーだと。 |
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はあ~。 |
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この、染めもすごいですよね。 青、水色、白にぱきっと染めてて。 |
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これ、竹に4度塗りくらいしてるんです。 |
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はあ~~。 |
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そして、くじらのチャーム。 |
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かわいい、かわいい。 |
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クジラが海水を吹き出しているっていう 表現なんですよね。 |
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うん。 躍動感。 |
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爽快感とかリズム感も感じます。 ナイスアイデアですよね。 |
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去年の平さんの扇子にも 焼き物のチャームがついていたんですが、 今年も引き続き、 長崎の波佐見焼(はさみやき)の工房で、 1個1個つくっていただいたものです。 |
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オリジナルで。 これはマッコウですね。マッコウクジラ。 |
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マッコウちゃん。 |
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クジラの絵は、平さんが描きました。 | |
▲試作品をチェックする平さん。 |
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爽やかな扇子ですね。 |
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ほんと、爽やか。 |
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青空の中の雲のような、 波しぶきの中の白のような。 |
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薄い生地に、波しぶきが透けて見える感じが、 おしゃれで素敵です。 |
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夏に持ちたくなります。 |
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そうだ、もうひとつチャームポイントが。 平さん、 「ここのところが、 波っぽく見えるようにしたかった」 とおっしゃってました。 |
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ここって? |
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どこ? |
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扇子をとじている要(かなめ)の下の部分。 開いたとき、ここにウェーブができるように、 要から下をシュッと短めにしたんです。 |
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はあー、それ、聞いておいてよかった。 いやぁ、細かい工夫ですねぇ。 |
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きれーい。 |
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そう、きれいなんです。 とてもきれいな扇子だと思います。 |
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さて、次へとまいりましょう。 ほぼ日オリジナル、「よる花火」と‥‥ |
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「ひる花火」。 |
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「ほぼ日」のデザイナー、とやまちゃんの作品です。 |
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‥‥うれしいです。すごくうれしい。 |
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なぜ、花火をテーマにしたんですか? |
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なんか、めでたいっていう方向じゃない カラフルさというか、 夏っぽい色合いをベースに‥‥。 なんかこう、ただ涼しげとかじゃなくて、 元気な色でアクセント的になる感じで。 うまく言葉で言えてないですけど‥‥。 |
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大丈夫です。言えてます。 |
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「ほぼ日」のコンテンツで、 長岡の花火を見て、 ああいう大きい花火、見たことなかったんで、 世の中にこんなきれいなものがあるんだーと思って、 こういう花火図鑑を開いたら、 すごくきれいで、魅かれて。 |
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(図鑑を開く)ああ‥‥きれいですね。 |
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花火と扇子って、イメージの相性もいいし。 |
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きれーだー。 |
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打ち上げられた花火が一直線に上がって、 パーッて開く感じが、 ちょっと扇子に似てるなぁと思って。 |
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自分でやってみて。 ヒュルヒュルヒュル~と上がった花火が‥‥ |
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パーーン!(笑) |
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全員 | やんややんやー(拍手)。 |
そのリボンが、 打ち上げられた花火の軌跡のようになって。 |
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そうなんです。 |
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ちょっとこれ、名作じゃないでしょうか。 |
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そうですか?! |
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素直に、そう思います。 |
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うれしい! |
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ちなみにこの扇子は、 こんなにカラフルに骨を染めわけていますが、 これも「山二」さんの努力のたまものなんです。 |
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そうですよね、「山二」さんのおかげだ‥‥。 |
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そして、最後にこちらをご紹介です。 「雨ニモマケズ」。 井上有一さんの書を扇子にしたものです。 |
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「ほぼ日のいい扇子」のシンボルですよね。 |
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最初からあるデザインです。 |
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これはもう、いつものように 作っていただいてということでしょうか。 |
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いえ、それが、 今年はマイナーチェンジがされているんです。 ここなんですけど。 |
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え? ここ? 要の下のところ? |
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そうです。 ここの部分を大顔(おおがお)という かたちに変えたのだそうです。 |
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大顔? |
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この部分、最初はもうちょっと細かったんです。 |
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デザーティックの扇子では、 短くシュッとさせた場所ですよね? |
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そうです。 この扇子では逆にそこを 幅の大きな「大顔」に変えたんです。 |
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それは、なぜ? |
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「山二」の専務さんが、 「そのほうが品がいいですから」と。 |
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ほおーーーー。 |
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「格調の高いものになります」と。 |
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提案をしてくださったんですね‥‥。 ありがたいです。 本気に取り組んでいただいて。 手のかかる扇子を、 こんなに作っていただいているのに、 さらにそこまでしていただいて‥‥。 |
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ほんとうに、凝った扇子を作っていただきました。 他ではまずできないことを やっていただいたと。 |
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‥‥それは繰り返しますが、 アンケートのおかげですよね。 みなさんの声が、 今回のラインナップを実現に導いてくれたんです。 手間を厭わなくさせてくれたというか‥‥。 |
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そうですね、ほんとうに、そうですよね‥‥。 |
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というわけで、 けっこう長い時間、 扇子のラインナップについて話してきましたが、 まだあります! |
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まだある! |
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作家さんとやりとりをしながら、 様々な準備を進める中で、 もうひとつ、大きな山がありました。 |
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ありましたねぇ。 |
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扇子のデザインも決まって、 そういうページ作りをしようと考えていたある日。 |
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あれはたしか去年の11月末‥‥。 |
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さんに報告にいったんですよね、 「来年の扇子は、 夏を涼しく。ちいさな風を持ち歩いてください。 というテーマでやります」と。 |
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はい。 |
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そしたらイトイさん、 「正直で悪くはないんだけど、 そのテーマは古いのかもしれない」と。 |
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「夏を涼しくは、 そうなんだけどちょっと当たり前すぎる」 |
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で、しばし考えたイトイさんが、 膝をポンと叩いて、「ジャパネスク」と。 |
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一瞬、ぽかんとしましたよね。 |
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「扇子っていうニッポンのものを、 もっと客観的に見せる工夫をするといい。 たとえば‥‥ 自分が外国人で、日本に遊びに来たなら、 どんな扇子を選びますか? みたいな。 そういう感覚でお届けすると、おもしろいでしょ」 |
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ああーー! って思いました。 |
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思った思った。 そこからはもう、チームの中でも パタパタパタっとイメージが整ったよね。 |
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撮影のモデルさんは、外国の女の子がいいとか。 |
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外国から遊びにきたその子が、 日本の女の子とふたりで 海の近くに小旅行に出かけるイメージ。 |
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そのイメージで逗子を候補地にして、 ロケハンに行って‥‥ |
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イメージにぴったりのモデルさんを見つけて‥‥ |
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カメラマンさん、スタイリストさん、メイクさん、 などなど、スタッフの予定を調整して‥‥ |
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いざ、ロケ撮影! |
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▲かわいい物語が浮かび上がる、一連の写真が撮れました。 |
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商品の「物撮り」もいちにちかけてやりました。 |
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▲商品の詳細を見せる写真は「ほぼ日」のスタジオで。 |
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あとは商品のたのしさや魅力を伝える、 コンテンツ作りです。 |
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ジャパネスクというテーマなので、 「センス交換!?」という企画を思いついて、 デンマーク大使館に行ったり、 様々な国の学生さんに扇子の話をしたりしました。 |
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その企画はこちらでお読みいただけます。 |
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ひとりひとりの作家さんに会って、 デザインについてのお話をうかがって‥‥ |
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ひたすら原稿を書き‥‥ |
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ひたすらレイアウトをし‥‥ |
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「ほぼ日ストア」と 販売のシステムをしっかり確認して‥‥ |
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みんなでテストをして‥‥ |
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販売開始の日をむかえる、というわけです。 ‥‥なんか、 いつもやってる仕事を並べてしゃべっちゃった。 これ、ぜんぶ書いたとしたら、 長ーい読みものになっちゃうね。 |
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はい(笑)。 |
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でもまぁ、いつもこういう感じです、と。 そういう意味では、いいのでは? ここまで読んでくれた人、 ありがとうございましたーーー! |
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全員 | ありがとうございましたーーーーー!! |
「ほぼ日のいい扇子」は、 ほんっとにほんとーに、 他にはできない「いい扇子」です。 よろしかったらぜひ、夏の友だちにしてください。 |
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おおー、さすがチームリーダー。 |
最後の最後までオススメしている! |
ほぼ日の扇子、どうぞよろしくお願いします! | |
全員 | よろしくお願いしまーーーす!! |
(メイキング・オブ・いい扇子2014 おしまいです) |