まずはいちばん、あたりまえのことを。
扇子であおげば、涼をとることができます。
体の表面に送りこまれた風(空気)は
身体から放出されている熱を逃がし、
それによって涼しさを感じさせてくれます。
また、体の表面には汗などの水分があります。
そうした水分は、
蒸発するときに体から熱(気化熱)をうばいます。
つまり、扇子の風で水分の蒸発を促すことで
より多くの熱を放出させ、涼感を与えることに。

エアコンのような強い冷却はできないけれど、
扇子であおげば、
しずかに、おだやかに、
体にやさしく涼をとることができます。


コンパクトに折りたためるので、持ち運びに便利です。
かばんにポンッと入れておけば、
どこでもサッと取り出して涼をとることができます。
あおいで涼しくする道具には「うちわ」もありますが、
携帯できるという点では、やはり扇子が便利。
いつでも一緒にいられる分、愛着も増すでしょう。

外側の太い骨(親骨)に守られた扇子は
そのままかばんにいれても傷つきにくいですが、
すこしでも長く愛用したい場合は、
袋に入れて持ち歩くことをおすすめします。


ごく自然に扇子をつかっているおしゃれさんを
見かける機会も増えてきました。
さりげなく、スッと扇子を取り出す人‥‥
すてきだと思います。
オフィス、カフェ、電車の中、映画館、お散歩などなど、
いろいろな場所につれていってください。

日本古来のアイテムなので
「和」のイメージが強いのはとうぜんですが、
扇子は洋服にもよく似合います。
とくに「ほぼ日のいい扇子」のラインナップには、
和洋どちらのファッションにも合うデザインがたくさん。


これだけはちょっと、
「あたりまえの理由」ではないかもしれません。
今回の扇子をいっしょにつくった京都の扇子屋さん、
「山二」の代表の方にうかがったことです。

「扇子というものは、
 目上の方への贈り物にとてもいいんです。
 相手に対して失礼にならず、品がいい」

なるほど、と思いました。
お友だちや恋人へのプレゼントにももちろんいいけれど、
目上の人へ差し上げるにはほんとうに最適。
礼節を感じられて、おしゃれで、実用的で‥‥。
「母の日」「父の日」の贈り物や、
お世話になった先輩へのプレゼントなどに、
扇子のプレゼントを、おすすめいたします。


model/colliu Erika Hostrop 
photo/白川青史(model)・富井義人(item) styling/川上薫 hairmake/小澤麻衣(モッズ・ヘア)