季節を感じられる花を一輪花瓶にさしたり、
小さな器に生けたり、部屋に花を飾ることを
身近に感じてもらえるような提案をしている、
フラワースタイリストの平井かずみさん。
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「年齢を重ねていくにつれて、
好きなものが自然と淘汰されてきました。
いまはお気に入りのものしかないですね」。
昨年引っ越してきた新居も、
1970年代に建てられた家を
オーナーさんがリノベーションした古い一軒家で、
一目惚れで入居を決めたそう。
平井さんのお気に入りがギュッとつめこまれた
“お城”のような気持ちのいい場所です。
自分にとって心地のいいもの、好きなものを
よく知っている平井さんは、
どのようなパールをお持ちなのでしょうか。
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「これはね」と、一つひとつ手に取りながら、
エピソードを語ってくださった平井さん。
それぞれに思い入れがあります。
「いちばん長く愛用しているパールは、
母から譲ってもらったものです」
と見せてくださったのは、
パールが一粒あしらわれたリング。
光の加減で表情が変わり、
パールをささえる土台の部分が個性的で素敵です。
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「母が昔よくしていただいていた方から
譲ってもらった指輪だそうで、
母が若いころ、よく身につけているのを見ながら、
素敵だなとずっと思っていました。
だんだんと登場回数が少なくなってきていたので、
私から『ちょうだい』とおねだりしたんです。
パールはかしこまった印象がありますが、
ほどよい使用感があったので
アンティークジュエリーのようにすっと肌になじみました。
どんな洋服にも合うので、
普段遣いとして頻繁につけています。
持っているパールの中で、
登場回数がいちばん多いですね」。
長く愛用しているもうひとつのパールも、
お母様からもらったものです。
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「20代のころに、母から冠婚葬祭用の
パールネックレスとピアスのセットをもらいました。
誰にでも似合うのが、パールの素敵なところ。
このセットは友だちに貸してあげることもあります。
アクセサリーはしまいこむものではなく、
たくさん使ってこそ良さが際立っていくと思うので、
使ってもらえると、とてもうれしいですね。
パールはどんな人にも似合うから、
遠慮なく貸し出せるところもあります」。
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20代のころは、淡水パールやコットンパールなど
手に取りやすい値段のパールを
いろいろ買っていた時期もあったそう。
「アクセサリーの種類もそんなに知らないころで、
唯一のあこがれがパールだったんだと思います。
働き始めたころ、初めてお給料で自分のために買ったのが、
たしかパールのアクセサリーだったはず。
パールがついたピンキーリングは、
気に入って、よくしていたことを覚えています。
だんだんと似合わなくなってしまって、
手放してしまいました。
そうやって、年齢を重ねるにつれて
自然と自分に似合うものがわかってきて、
いまは本当にお気に入りの
アクセサリーだけが手元に残りました」。
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宝石箱のようなアクセサリー置き場から見つけたのは、
華奢なデザインのパールのピアスやネックレスです。
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「ピアスは、自分でパールを選ばせてもらいました。
淡水パールだとニュアンスも違うので、
選ぶことでとっておき度が増す気がします。
ネックレスも小粒のパールですし、
基本的には繊細で華奢なものが好きです。
そういうものを選ぶと、
普段から使うことができます」。
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目移りしてしまいそうな美しいアクセサリーたち。
平井さんにとってパールもふくめたアクセサリーは
“御守り”のような、日々に欠かせない存在です。
「いろいろなものを見るようになって、
今はミネラルショーに通うくらい鉱石が好きです。
鉱物マニアのおじさんや科学部の学生たちに混ざって、
とても真剣にチェックしています(笑)。
一つひとつ、大事に選んだものなので、
花のように愛でています。
仕事で忙しいときは、忘れてしまわないように、
つけっぱなしで寝るくらい大切なもの。
一日つけ忘れてしまうと、物足りない気持ちになります。
装飾品なので、身を守ってくれる感じが
するのかもしれないですね。
だからこそ、譲ってもらったものは
より愛おしく感じるのかもしれないですね」。
(つづきます。)