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── |
今度はリバティ社について教えてください。
創立はいつごろなんですか? |
矢部 |
1875年ですね。
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── |
ということは‥‥今年で136年!
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矢部 |
そうです。
でも最初は
日本や東洋の美術品、骨董品を扱う店舗として
スタートしました。
買い付けた商品を売る
セレクトショップのようなものです。
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── |
うんうん。
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冨永 |
当時、ヨーロッパを中心に
日本文化がブームになった
「ジャポニズム」というムーブメントがありました。
その追い風もあって店はたいへん繁盛したんです。
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矢部 |
その後、中国のシルクのすばらしさに感銘を受け、
自社製のシルクを作り始めます。
リバティファブリックは
シルクから始まったんです。
しかもそのシルクが大ヒット。
店はどんどん大きくなり、
後に現在の「リバティ百貨店」になります。
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── |
リバティ百貨店?!
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冨永 |
日本ではリバティというと、
リバティファブリックを連想されると思いますが、
ロンドンでリバティというと
「リバティ百貨店」のことを指すんです。
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── |
‥‥ちょっと驚きました。
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矢部 |
ロンドンでも老舗の百貨店で、
その建物は重要な建造物として
認定されているほどです。
大きな特徴として船の廃材を使っています。
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── |
ちなみに、何を売ってるんですか?
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冨永 |
ロンドンでも有数の老舗の百貨店ですので
通常の百貨店よりも
少しステータスのあるような商品を展開しています。
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矢部 |
リバティファブリックももちろんあるんですが、
ここでしか手に入らないような、
珍しいリバティファブリックを使った製品もあります。
たとえば‥‥。 |
▲スツール。 |
▲長靴。 |
▲トレー。 |
▲ユニオンジャック柄のクッション。 |
── |
わー、どれもかわいいです!
長靴なんかは、
さすが天候不順なロンドンだけありますね。
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矢部 |
かわいいですよね。
もちろんこれは一部です。
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── |
(トレーや長靴を見ながら)
「ほぼ日手帳のカバー」も
言ってしまえばそれに当てはまるんですが、
リバティファブリックは、
洋服以外に使われるようになりましたよね?
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冨永 |
そうですね。
たしかにここ最近、さまざまなものに
使われるようになったと思います。
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矢部 |
ナイキのスニーカーや、デイパック、
アウトドア用の椅子や寝袋までありますからね。
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── |
リバティとアウトドア、
一見繋がらないように見えるのに、
こういう商品が出るってスゴいですよね(笑)。
これって生地なんですか?
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矢部 |
えぇ。
ちゃんとリバティファブリックを使ってます。
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── |
じつはそこ、気になってたんですが、
リバティ社はデザインの販売というのは
やっていないんですか?
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冨永 |
生地ではなく、
図版のみの提供するということですか?
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── |
そうですそうです。
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冨永 |
じつは、昔はやっていたんですが、
現在はデザインだけの販売はやっていません。
あくまで生地屋として、
キチンと生地を販売するようにしています。
ただ、ライセンシーの関係で
まだその関係が残っているメーカーさんもあるんですが、
基本、現在売っているのは生地だけですね。
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矢部 |
先ほどのトレイにしても、ただの印刷ではなく、
ちゃんと樹脂に生地を挟んでるんですよ。
やっぱりただの印刷と
生地を使ったものでは高級感が違うんです。
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── |
なるほど。
ちなみに、いま何社くらいと
お付き合いがあるんですか?
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矢部 |
大体、アパレルだけで約130社ですね。
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── |
そんなに!
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冨永 |
アパレルだけで見れば、
ベビー服ブランドからシニア向けブランドまで
全年齢カバーできるくらいの数の
会社とお付き合いしてます。
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── |
親子3代でリバティファン、というのも
あり得ない話じゃありませんね。
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冨永 |
えぇ、まさにそうだと思います。
それこそ、おばあちゃん、お母さん、
娘さん、赤ちゃんと親子4代だってあり得ますよ。
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── |
確かに。
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冨永 |
そのうえ、取り扱いのある生地屋さんに行けば
好きな尺で購入できるわけです。
既製品ではなく、ご自身で作られる方も
大勢いらっしゃいますから。
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矢部 |
さらに、先ほどお見せしたような
洋服以外の雑貨などもたくさんあります。
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── |
どんどん広がっていきますね。
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矢部 |
今回「ほぼ日手帳」のカバーになったことは
リバティファンにとっても、
「ほぼ日手帳」ファンにとっても
うれしいことのような気がします。
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冨永 |
すごく素敵に仕上がってますし、
今回チョイスした2種類のファブリックは
とてもいい選択をされたと思いますよ。 |
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(おわり) |