06分娩室には希望がありました。

私は産婦人科医です。
3月11日は神奈川県川崎市の病院で
勤務していました。
分娩室には出産をひかえた
妊婦さんが1人いました。
分娩室の棚が倒れ、余震が続く中、
15時12分、無事に赤ちゃんが産まれました。
日本がどうなっているのか、
全くわからない状況でしたが、
分娩室には希望がありました。
東北の病院で頑張っている医師を
報道などで見るたびに、
私たち医療に関わる者の使命を
考えさせられます。
手帳の右半分の付箋の下には
大事な家族の連絡先が書いてあります。
携帯電話の充電がなくなってしまったら、
家族の電話番号が
わからなくなってしまうと思い、
とりあえず書きとめました。
(Shihoko)