『今日の目撃情報』にいただいた、
「アニメのエンディングで『ほぼ日手帳』を見ました!」というメール。
その『夏色キセキ』宛に問い合わせると、それは確かに「ほぼ日手帳」。
しかも作られた方が実際に「ほぼ日手帳」をつかわれているとのこと。
というわけで、ほぼ日手帳チーム、お話を聞きに行ってきました。
ほぼ日 | こんにちはー。 今日は、よろしくお願いします。 |
---|---|
みなさん | こんにちはー。よろしくお願いします。 |
ほぼ日 | 突然、変わった取材ですみません。 本日、お話を聞かせていただきたい内容を あらためて説明しますと、 じつは先日、我々「ほぼ日」手帳チーム宛に 『夏色キセキ』というアニメのエンディングに 「ほぼ日手帳」を発見しました! というメールを 読者の方からいただきまして。 |
みなさん | はい、はい。 |
---|---|
ほぼ日 | いったいどんな理由で 「ほぼ日手帳」をつかうことになったのか? そのあたりをお聞きできたらと思ってうかがいました。 まずは、この『夏色キセキ』がどんなアニメなのか、 簡単に説明していただいてもいいですか? |
若林さん | はい。『夏色キセキ』は、 ある中学2年生の女の子たち4人の 1ヵ月間の夏休みをテーマにしたお話なんです。 それが、この4人なんですけれど。 |
ほぼ日 | 公式ページで拝見しました。 4人の女の子たちが過ごす、夏休みの物語。 |
---|---|
若林さん | はい。で、夏が終わると、 この4人のうち1人が引越してしまうんです。 だから、この1ヵ月で、この4人組が、 最後の思い出作りをするんですね。 そして、最後の、別れを乗り越えて‥‥というお話。 夏休みならではの、ちょっとさびしい気分もあって。 あと、その4人の間にちょっと不思議なことも起きます。 ‥‥これが、一般的なストーリーからの 『夏色キセキ』の説明ですね。 立原さん、これで大丈夫ですか? |
立原さん | 完璧です。 |
ほぼ日 | なるほど。 あの、一般的じゃない 他の『夏色キセキ』の説明っていうのも あるんですか(笑)? |
若林さん | あ、ええ(笑)。 有名な声優さんたちが出ているのでアニメファンの方には、 「sphere(スフィア)の主演作です」とか言うと 「おおっ」っていう方がいらっしゃるかと思うんですけど。 スフィアというのは4人組の、 とても人気の声優ユニットなんですが、 その4人組全員が主人公として登場する、 初めてのアニメ、という。 また、挿入歌もたくさんあって、 スフィアの歌う曲が、いろいろ聴けるという。 そういった視点で見ると、この『夏色キセキ』は ファンの方には、たまらない豪華な番組なんですよ。 |
ほぼ日 | へえーー、そうなんですね。 その『夏色キセキ』のなかに、 いったいどうして「ほぼ日手帳」が 使われることになったんでしょうか? |
---|---|
立原さん | はい。 まず、演出家の方から、エンディングのシーンで 「かわいい手帳をつかいたい」という要望がありまして、 ぼくが参考資料としていくつか手帳の資料を用意しました。 ちなみに、なぜエンディングに手帳が出てくるかというと、 これはぼくの個人的な解釈なんですが、 このシーンにおける手帳って、 「約束」とか「未来」とか「また会おうね」とか、 そういうことの象徴なんじゃないかと思うんです。 だからエンディングでの手帳は、この物語の結末を暗示する 重要なキーアイテムなんだとも言えて。 それで、エンディングのシーンに、 4人のそれぞれの手帳を登場させることになりました。 |
ほぼ日 | なるほど、なるほど。 |
立原さん | で、その準備したうちの1冊が、 どうして「ほぼ日手帳」だったのかというと‥‥ もちろん、ぼくが自分でつかっているから、 というのがいちばんの理由です(笑)。 |
ほぼ日 | ありがとうございます(笑)。 |
---|---|
一同 | (笑) |
ほぼ日 | 「4人のそれぞれの手帳」ということは、 この「ほぼ日手帳」は、主人公の4人のうち、 誰かがつかっているという設定なんですね? |
立原さん | そのとおりです。 |
ほぼ日 | んーー、誰だろう? |
夏海
紗季
優香
凛子
立原さん | 実はこの手帳は、優香の手帳なんです。 |
---|---|
ほぼ日 | あー、そうなんですか。 |
立原さん | 選んだのは演出家の方なのですが、 参考資料として用意した「かわいい」手帳の中で、 この手帳がいちばん優香にぴったりだったので、 という理由だと思います。 |
ほぼ日 | 言われてみると、そんな気がしてきました。 |
一同 | (笑) |
ほぼ日 | ちなみに、数ある「ほぼ日手帳」のカバーのなかから、 「ダーラナの春」を選ばれた理由はなんでしょうか? |
立原さん | もちろん、「かわいさ」もあるんですけど、 アニメのなかに登場させるものの 参考資料を選ぶときには、 「描きやすさ」というのも重要なんです。 |
ほぼ日 | 「描きやすさ」。 |
立原さん | はい。 実際のエンディングの場面では、 この手帳は動かないんですけれども、 「動かしたときにどうなるか」ということを 最初に考えておかなくてはならないんです。 たとえば、ペイズリーみたいな複雑な柄の手帳だと、 アニメのなかでその絵を動かそうと思うと、 描くのがめちゃくちゃ大変ですよね。 その点、この「ダーラナの春」は、 動かそうと思ったときには 動かせるだけの描きやすさもありますから。 |
ほぼ日 | はーーー。いろんな面から熟考されているんですね。 |
立原さん | じつは(笑)。 |
ほぼ日 | ちなみに、物語の時代設定は現代なんですか? |
---|---|
立原さん | そうですね、現代です。いちおう、2012年。 |
ほぼ日 | あ、そうなんですか! この「ダーラナの春」は2012年4月の限定カバーなので、 ぼくらにとって、2012年の話というのはぴったり来ます。 |
みなさん | (笑) |
ほぼ日 | ちなみに立原さんの「設定制作」という仕事は、 どういったお仕事になるんですか? |
立原さん | アニメってものすごく大勢の人が関わっていて、 みんなが、いくつもの仕事を並行して 進めていたりするんですね。 そういうなかで、いろんな人たちが混乱することなく、 パッと参照して絵を描けるような資料をつくっています。 今回の手帳のようにモノを集めることもあるし、 写真を撮るときもあるし、 登場人物がどんな動きや表情をするか、 といった設定などもつくったりします。 『夏色キセキ』は伊豆半島の下田を舞台にしたお話なので、 よく伊豆に出かけて建物の資料をつくったりしてました。 |
ほぼ日 | ああー、実際の町を舞台にしているとなると、 かなりの資料が必要そうですね。 |
立原さん | ええ、ある時期は、毎週日曜日になると 下田に行って、朝から晩まで写真を撮ってました。 実際にある建物や通りを背景にすることも多いんですが、 「正面からの写真はあるのに、横からの写真がない!」 とかなると、勝手につくるわけにもいかないので、 そのために下田に撮りに行くんです。 『夏色キセキ』は下田市と公式にタイアップしているので、 下田市の方に写真を送ってもらったこともありました。 |
若林さん | 地元の人にも応援してもらっていて、 下田の「黒船祭」っていうお祭りのときに、 『夏色キセキ』のギャラリースペースを設けてもらったり、 大きな画面で第1話を放映したりとか。 地元の人たちをはじめ、メッセージボードに いろいろ書いてくれたり。 あれはうれしかったですね。 |
立原さん | うん。 |
「黒船祭」のメッセージボードより。
ほぼ日 | ちなみに資料集めなどのときには 「ほぼ日手帳」も、いっしょに持っていかれてますか? |
---|---|
立原さん | はい。仕事に「ほぼ日手帳」、けっこうつかってますよ。 |
若林さん | ほんとにたまたまなんですけど、 ここにいる全員、つかってるもんね。 |
新宅さん | こうやって手帳を真ん中に置いてみんなで話をしていると、 「ほぼ日手帳」ファンの集い、みたいですよね(笑)。 |
(左奥、立原さん)2012年革カバー、コニャックブラウン
(右奥、若林さん)2009年牛革オイルコーティング、レッド
(手前、新宅さん)2010年ナイロンカバー、ターコイズブルー
ほぼ日 | なんだか、ありがとうございます。 ちなみにみなさん、いつごろから 「ほぼ日手帳」をつかわれているんですか? |
---|---|
若林さん | ぼくはこの手帳以外、 ちゃんとつかったことがないんですよ。 学生のときに別のを持ってたりもしたけど、 それはぜんぜんつかわなくて。 で、学生のときから「ほぼ日手帳」にしたから‥‥8年? |
ほぼ日 | お、おおー。 |
立原さん | ぼくは4年目かな。 |
新宅さん | ぼくは3年目ですね。 |
ほぼ日 | お、おおお。 みなさん、長くつかってくださっているんですね。 本当に、ありがとうございます。 |
みなさん | いえいえ(笑)。 |
---|---|
ほぼ日 | ちなみに、おつかいの手帳のなかで、 見せてもいいページってありますか? アニメ業界で働かれている方ならではのページ、 みたいなものがあるとうれしいんですが。 |
新宅さん | うーん、どうかなあ‥‥中身はけっこう普通で 見せても大丈夫なものもあんまりなくて‥‥。 あ、自分の担当作品の宣伝グッズとかは 手帳に貼ったりしてますね。 中よりもむしろ、このシールのほうがいいかな。 今貼っているのは『ブラック★ロックシューター』っていう アニメのステッカーシールです。 |
若林さん | お、いいね。 ぼくはちょっと‥‥見せられる部分がないですね。 すみません。 |
---|---|
ほぼ日 | あ、いえいえ。 |
立原さん | あ、ぼくのこれ、どうでしょう。 『夏色キセキ』で登場する姫石神社というところの 架空の神社のお札を、デザイナーさんが つくったものなんですけど。 |
新宅さん | あ、それ、すごいですねー。 |
---|---|
ほぼ日 | お、すごい。本物みたいですね。 |
立原さん | あと、このページも、大丈夫かも。 やることのリストなんですけど。 |
一同 | うわー、すごい。 |
---|---|
新宅さん | このつかいかたはすごいですねー。 時間軸とかは特に関係なく? |
立原さん | はい。時間は関係ないです。日にちも関係ないです。 チェックボックスと、やることを書いて、 ひとつずつやったものにチェックしていって。 |
ほぼ日 | しっかり活用してくださっていて、うれしいです。 ありがとうございます。 |
若林さん | アニメ業界って「ほぼ日手帳」ユーザー、 多いと思いますよ。 5人くらいの打ち合わせに行って、その中で2人とか、 「あ、同じの使ってる」ってこと、けっこうありますから。 |
新宅さん | そうですよね。なんでですかね。 |
ほぼ日 | あ、そうなんですね。 |
若林さん | この業界って、 「黒のフォーマルな手帳じゃないと」とかってないですし、 わりと「なんでもあり」なんで。 遊びのことと仕事のこと、両方書き込むことができる、 カジュアル感がある手帳のほうが合ってるんだと思います。 要は、どんな場面でも自分のペースでいきたい人、 言いかえると、ルーズに過ごしたい人が多いのかも(笑)。 |
立原さん | スーツ着る機会も滅多にないですしね。 |
若林さん | うん、冠婚葬祭のときと‥‥あと、 あやまりにいくときくらいかな。 この業界でスーツ来て出社すると 「あやまりにいくの?」とか あと、「‥‥え、就職活動? 転職すんの?」 みたいな(笑)。 |
一同 | (笑) |
ほぼ日 | 最後に、みなさんの写真を 撮らせていただいてもいいですか? せっかくなんで『夏色キセキ』のポスターの前がいいかも。 |
みなさん | はーい。手帳持ったほうがいい、ですよね? |
ほぼ日 | あ、お願いしまーす。じゃ、撮りますねー。 |
(『夏色キセキ』のみなさん、本当にどうもありがとうございました!)
2012-07-05-THU