予告 あたらしいビワコットン
午前11時
販売開始
ビワコットンは、江戸時代から続く伝統的な織物、
「縮」(ちぢみ)がルーツです。
琵琶湖西岸のまち、高島で織られる「縮」は
高島ちぢみとよばれていて、
表面にさざ波のような、細かい凹凸があります。
この高島ちぢみを進化させたビワコットンは
さらに糸に強く撚りをかけて織り、
ごく細い縦の筋をつけたことで、
綿100%の平織りなのに、
びっくりするくらいの伸縮性があり、
「ほぼ日」でも人気の定番になりました。
そのビワコットンにあたらしい二重織りの生地、
ビワコットンミルフィーユができました。
夏だけではなく、3シーズン気持ちよく
過ごしていただける
ふんわり・のびのびの
いまだかつてない着心地の生地です。
今シーズンのラインナップは、
この新感覚のビワコットンミルフィーユを使った、
スウェット風のリラックスウエア。
そして、昨年大人気だった
秋冬にうれしいハイネックと、
1年中活躍するクルーネックの
長袖トップス2種。
肌ざわりよく、ほんのりあたたかい、
あたらしいビワコットンについての
たのしいお話も、お聞きしましたよ。
轟木節子さんのプロフィール
轟木節子【とどろき・せつこ】
スタイリスト。
1972年、熊本生まれ。
ファッション誌、カルチャー誌、広告などで幅広く活躍。
シンプルな中にスパイスの効いた、
独自の空気感が漂うスタイリングが人気。
ナチュラル志向なライフスタイルも注目されている。
近年は、フォトグラファー、文筆家としての活動も。
著作に日々のスタイリングのヒントがつまった
『毎日のナチュラルおしゃれ着こなし手帖』
『毎日のナチュラルおしゃれ着こなし手帖 2』
などがある。
![](./img/2021aw/1/interview05_0405.jpg)
今シーズンはじめて登場する、新感覚のビワコットン。
生地の個性をいかしたアイテムづくりを手がけた、
カイタックファミリーの
山下秀一さん、山本妙子さんと、
デザインしたスタイリストの轟木節子さん。
3人が、素材について、デザインについて、
じっくり語り合いました。
二重構造で、グッと縮むあたらしいビワコットン
- ーー
- 二重織りのビワコットンミルフィーユの
開発経緯について教えてください。 - 山下
- いままでのビワコットンは、
薄くて涼しくて気持ちいいんだけど、
寒い季節にはやっぱり薄いなっていう話は、
ちらほらあったんですよ(笑)。 - ーー
- 薄いのが特長なんですけどね。
夏のものっていうイメージかも。 - 山本
- 白はどうしても透け過ぎちゃうとか。
- 山下
- 以前から、もうず~っと言われてたんですよね。
厚地だったらよかったのに」、
「もっと厚いのがあれば」って(笑)。
でも生地を厚くするのが、実はいちばんの問題でして。
試しに糸を太くして織ってみたことがあるんですけど。
今のビワコットンほど縮んでいかないんですよ。
だから、思ったほど厚くはならなかったんです。
この程度の違いだったら
商品化する意味がないなと思うくらい。
それで一昨年は2枚重ねにすれば、ということで、
ビワコットンの生地を、
単純に2枚重ねにして縫製して
「ビックTドレス」を作ったんです。
2枚重ねて縫うので、縫製も難しくなる。
それなら最初っから
二重織りの生地をつくればいいってことになって。
生地メーカーさんが工夫して作ってきてくれたんです。
だけど、出来上がった生地は
思ったのとちょっと違ってて、なんとも不思議な生地でした。
それがこのビワコットンミルフィーユです。 - ーー
- すごくふっくらしていていますね。
縮み方もすごいです。
どのくらい縮んでるんですか? - 山下
- 普通のビワコットンですと、
180cm幅で織ったものが、88cmくらいになるんですが
これは、120cmが45cmとか46cmとか。
![](./img/2021aw/1/interview06_1005.jpg)
- 轟木
- 糸に強く撚りをかけているから、ですね!
- 山下
- そうそう、「超強撚糸」だからです。
しかし、ここまで縮むと思ってなかった。
もともと高島ちぢみって、ヨコ糸が強撚糸だから
グッと縮んで伸縮性があるわけですよね。
それがダブルになっているんで、
さらに縮みが大きくて、生地に厚みと膨らみが出たんです。 - ーー
- 糸そのものは変わらないんですか。
- 山下
- 糸そのものはほとんどそのままです。
タテ糸とヨコ糸の密度を少し変えて、二重織りにしています。
二重織りって、専用の織機じゃないと織れなくて、
表と裏、2枚の布が接結糸っていうもので
ところどころ繋がって織られているんです。
だからこの1枚だけだと、いわゆる通常の、
今までのビワコットンではあるんですけど、
接結して、二重になってるんで、
ヨコ糸の撚糸がダブルで入ってることになりますから、
縮む力が大きいんですよね。
![](./img/2021aw/1/interview07_16838.jpg)
- ーー
- 同じ面積の中にヨコ糸が倍入ってることで、
さらに縮んじゃったんですね。 - 山下
- そうなんです。それで確かに厚みは出たんだけど、
想像していたものとは違う方向性にいっちゃった。
だけど、でき上がったものは、
これはいいな! っていうね。
こんな生地、世界中探したって
売ってないです。
ははははは。 - 轟木
- たしかにね~。
- 山下
- 試織が上がってきたとき、
スウェット感とヴィンテージっぽさがあって。
こういう雰囲気だったら、もう、これ男目線ですけど、
「ヴィンテージのスウェットシャツ、
これでつくったらかっこいいぞー」って。 - 山本
- そこから轟木さんに見ていただいて
デザインが始まりました。
![](./img/2021aw/1/interview08_0318.jpg)
- 轟木
- スウェット!
ちょうどパンツが欲しいなと思っていたんです。
ストレッチ教室や、朝の散歩に。
からだにスイッチが入る、スポーティーなものが
欲しかった。
素材を生かし、ヴィンテージっぽさも入れて
- ーー
- ヴィンテージの形をベースにして、
いろいろアイディアを入れ込んでいったわけですね。 - 山本
- この素材が、生地幅が45cmくらいと狭くて、
横には伸びて、縦にはほとんど伸びないっていう、
扱いづらさがあるんですよね。
ですからなるべくまっすぐなシルエットで、
足りない部分をマチや切り替えで補うような。
![](./img/2021aw/1/interview09_0306.jpg)
- 轟木
- ちょうどヴィンテージのスウェットって、
剥ぎが多いのも特徴ですよね。
動きやすいように。
だからこういうマチが入っていたりっていうのは、
デザインとしても機能としても、いいと思うんですよ。 - 山本
- ヴィンテージのスウェットって
裾のリブの部分が結構長いのもあるんですよね。 - 轟木
- スタンダードな形から
より欲しい、着たい、気持ちいい、に
進化させていったんです。 - 山本
- ドロップショルダーの落ち具合も、
ちょうどいい感じになったんですよね。 - 轟木
- メンズのスウェットを女性が着たような、
今の気分のオーバーサイズな感じを踏まえて。
着たときに落ち着きのいいドロップショルダーに。 - 山本
- 単純にオーバーサイズってなると、
丈もただ長すぎてダルッとしちゃうのを、
すごくいいあんばいにしていただきました。 - ーー
- 丈、けっこう短めですものね。
- 轟木
- そうですね。
バランスよく着られると思います。
甘い印象のAラインのロングスカートとかと
合わせてもすてきなものを。
っていうことを考えてつくったので、
ちょっと丈は短めになってます。
ワンピースの上から着てみても新鮮でした。
大人が着ても品が良くて。
抜け感もあって。
![](./img/2021aw/1/interview10_0235.jpg)
- ーー
- そしてパンツのほうは。
- 轟木
- はい。こちらも、きれいなシルエットにこだわって。
細過ぎず、ストレートなテーパードですね。 - 山本
- 股下にマチをつけて動きやすく、
脇に縫い目がないので印象も細身ですね。 - 山下
- いわゆるスウェットパンツよりは、だいぶ細身です。
- 轟木
- 個人的なはじまりが
ストレッチ教室に着ていきたい!だったから。
からだを動かしやすくて、
からだに沿っているけれど少しゆとりがある、
ほどよいものを目指していたんですよね。 - 山下
- 素材も、テンションが結構やわらかいので、
細身でもそんなにきつくは感じないと思うんで。 - 轟木
- 結果、軽くて最高に動きやすいものができて
嬉しいです。 - ーー
- 伸びますしね。
ポケットが、合わせて4つ。
![](./img/2021aw/1/interview11_0122.jpg)
- 山本
- 最初はなにもないデザインで、
生産側としては、この素材だとポケットは、
付けづらいなぁって思ってたんですけど。
でもすごくかわいいものをつくっていただいて。 - 山下
- そもそもがトレーニングパンツなんで、
ポケットとかついてないのが基本なんですよ。 - 山本
- 後ろに何もないとインナーのラインが気になるとか、
そういうところも考えたんですよね。 - 轟木
- ポケットがあるだけで、お尻が気にならない、
っていうのはあるから、パッチポケットをつけました。 - 山下
- たしかに、その大きいポケットがついたので、
ちょっとアウター感が出て、外出もできる。 - 轟木
- はい、足元はビットつきのローファーや
レザーのシューズを合わせて。
ステンカラーコートなんかとも相性がいいですよ。
サイドのスリットが深い、ストンとした
ロングスカートとも合うかも。
![](./img/2021aw/1/interview12_0098.jpg)
- 山本
- それ、レギンスっぽい役割になりそうですよね。
- 轟木
- そうですね。
あー、私も早く着たい。 - 山本
- 轟木さんからたくさんご提案いただいて、
カジュアルすぎない、素敵なものになりました。 - 轟木
- スウェットって、きれいめな服と合わせると
はずしのアイテムになるところが好きです。
肩の力が抜けて、着た人の
ニュートラルな魅力が光る。
普段の服に加えると、味変的な、
新鮮な着こなしに変わります。
呼吸をするような、スウェット
- 山下
- これ、「スウェット」っていっちゃっていいものか、
ちょっと迷ったんですよ。
っていうのは、一般的には「スウェット素材」って、
裏毛とか裏起毛の編み地のことなんですよね。 - ーー
- あ、そうなんですか。
- 山本
- そうなんです。
これは見てわかる通り、裏毛じゃない。
布の構造としてはガーゼに近しいんですよ。
だから素材としてはスウェットじゃない。
スウェットは「汗を吸う」っていうのが語源なので、
「汗を吸う運動着」みたいな感じですよね。
服のスタイルとしては、スウェットと言えますね。
![](./img/2021aw/1/interview13_0330.jpg)
- ーー
- 分厚い二重織りガーゼみたいなもの‥‥
平織りで厚いということもめずらしいし、
これまでのビワコットン以上に伸びる。 - 轟木
- 伸びるのがあたりまえの
ニットやカットソーではなくて
布帛(ふはく)という、
ハンカチやシャツのような織りである
っていう、おもしろさですよね。 - 山下
- 布帛か、ニットかっていうことは、
普通の人はあんまり気にしないとは思うんですけど、
ただ間違いないのは、
どっちの着心地でもないってことですよね、これ(笑)。 - ーー
- そうですね。どっちの着心地でもなく、うん。
- 山下
- なんか不思議な着心地っていう。
高島ちぢみのいいところは
全部詰まった感じですよ(笑)。 - 轟木
- すごく気持ちいいですね。
軽いこともそうですけど、
着た瞬間に、いつもより元気になる感じ。
スイッチが入って、からだをぐんと動かせる気がして。
謎だけど。この伸びやかな着心地のせいかなぁ。 - ーー
- やさしく包まれる感じがするなと思ったんですけれど、
厚みがあるのと、よく伸びるせいなんでしょうか。 - 山下
- 戻ろうとする力が、特に強いわけではないんですけど。
これだけ伸びるので、
ぎゅーっと伸ばしたらフィットしますよね。
たしかにこの感じは、普通のカットソーじゃない。 - 轟木
- うん、そうですよね。
- ーー
- ハグされたような雰囲気がすごくいいんですよね。
![](./img/2021aw/1/interview14_0370.jpg)
- 山下
- そう。ゆる~く伸びてふわっと戻るっていう(笑)。
あと、空気の層があるので。あったかみもありますね。
ちぢみの波が深くて、二重構造で複雑になってる分だけ、
空気がいっぱい入りますから。 - 轟木
- いつもビワコットンについて、
「呼吸するような」っていってるけど
これは、
「呼吸するようなあたらしいスウェット」
っていう気はしますね。 - 山下
- ビワコットン特有のサラサラっとした肌ざわりは、
布の表面の微妙な凸凹によるものですけれど、
これはその波がさらに深いので、
肌ばなれはもっとよくなってるんですよ。
ちょっとザラッとはするんですけど、
慣れてくると、それが心地よくなってきます。 - 轟木
- 夏のビワコットンの素材感が好きっていう人には、
さわやかさはそのままで、
少しあたたかく着られる春秋のビワコットンができたよ、
ってお伝えしたいですね。 - 山本
- 着られる時期も幅広いと思います。
もう秋の装いしなくちゃって思うんだけど、
歩くと暑いな、みたいなときに、すごくいいんです(笑)。 - ーー
- 軽いし、着ていて楽だし、
プレゼントにもよさそうですね。 - 山下
- 年齢問わず、気持ちよく着られると思います。
特に、お年召した方なんかは、昔ながらの天然素材の良さを
よく分かってらっしゃる方が多いと思いますし。
今もビワコットンの源流の高島ちぢみのファンって、
すごく多いんですよ。
そういうかたたちにもぜひ、着ていただきたいです。
![](./img/2021aw/1/interview15_0507.jpg)
- ーー
- そうですね。ありがとうございました。
(おわり)
午前11時
販売開始
INFORMATION
- [販売時期]
- 4月26日(火)午前11時販売開始
- [販売方法]
- 数量限定販売
※なくなり次第、販売を終了します。 - [出荷時期]
- お申し込み後、1~3営業日に出荷
STAFF
- 撮影
- 山根悠太郎(モデル)
大江弘之(商品) - モデル
- Kanoco
- スタイリング
- 轟木節子
- ヘアメイク
- 吉川陽子
- テキスト
- 武田 景