糸井さんがこんなお話をしてくださったんです。
震災のあとに、ガーベラの花を
まちなかで配っている花屋さんがいたと。
こんどつくるタオルも、そういう気持ち、
そんな感じがいいな、と。
糸井さんははじめ「誰か描けるひとに頼むといいよ」と
おっしゃったそうなんですけれど、
その頃、ちょうど「ほぼ日」のかたが
ぼくのテキスタイルの展示を見に来てくださった。
そのとき、糸井さんのガーベラの話と、
ぼくのテキスタイルがつながって、
「タオルをつくりませんか」
というお声掛けをいただきました。
とってもうれしかった。
そんなふうに絵が描けるなんて、
イラストレーター冥利に尽きます。
やっぱり、自分のやってる仕事で、
そういうものに、直接じゃなくてもいいけど
関わりあえるような仕事っていうか、
そういうものをやりたいと思って、
けっこう悶々としているような時期だったんです。
そういう点でもうれしかったし、
テキスタイルを気に入ってくださったというのも
うれしかったし、
その流れで依頼していただいたのもうれしかった。
もう「うれしかった」ばっかり(笑)。
そんな気持ちで描きました。
絵柄は、「ガーベラ」というのが
まず、モチーフとしてありました。
ただ、ガーベラばっかりじゃなくって、
もっと、まわりにいろんなイメージを
ちりばめようと思ったんです。
ぼくがテキスタイルをつくっていたのは
「cholon(チョロン)」さんというお店なんですが、
そのときにやってた花柄は、
植物とか、動物とか、昆虫だとか、風景だったりとか、
そういうものを自分なりにアレンジしたデザインでした。
その流れで、いろいろなモチーフがありつつ、
あくまでもガーベラが主役になるようにと描きました。
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