単色なのに、深みのある、複雑な色あい。
「ボタニカル・ダイ」という技法で生まれた
植物由来の4つの色で、
「やさしいタオル」を染めました。
「ボタニカル・ダイ」は、
植物の花、葉、茎、樹皮、果皮、
または鉱石から作った染料で、色をつける手法。
この染料は、ひとつの色のなかに、
ひとの目で見える幅をこえた
200種もの色素が入っています。
それは、楽器やCDに、
ひとの可聴範囲をこえた音が
ふくまれるているのとおなじ。
音楽がゆたかにひびくように、
このシリーズのタオルは、
奥行きのある色合いに仕上がっています。
色は、4色。
黄色と辛子色のあいだのような色は
「カモミール」由来の染料で染めました。
カモミールは、元気になる花とも呼ばれ、
ハーブティやアロマテラピーにも使われる薬草です。
淡いピンクは、「ツバキ」由来の染料から。
「ツバキ」は冬になっても緑を失わないことから
つよい力をもつ、高貴で神秘な植物とされています。
(余談ですけれど、“カメリア”(ツバキ)は
かの、シャネルのシンボルでもありますよね。)
藍色にも似た、ほんのり紫がかった濃紺は、
「ログウッド」から。
“すべての色を持っている”と言われるログウッド、
じつはピアノの黒の鍵盤や、ギターの赤い板、
ナポレオンのフロックコートや
ネルソン提督のマリンジャケット(ネルソンコート)も、
ログウッドを染料にしているそうですよ。
元気な樹皮のようにも、
栄養たっぷりの土のようにも見える茶色は、
スパイスとしても知られる「クローブ」由来の染料で。
開花直前のつぼみから、この色をとりました。
クローブは和名を“丁子”ともいい、
古くは正倉院の宝物にもなった植物なんですよ。
ちなみにこのBEGINNINGシリーズは、
2012年の「ほぼ日」のテーマ
「BEGINNING はじまりを、はじめよう。」
から生まれたシリーズ。
アンリ・ベグランさんのデザインによる
ロゴを刺繍で入れるとともに、
タオルの両端には、
あざやかな色のステッチを配しています。
各色、ハンド、フェイス、バスの3サイズ展開です。