ちょっとゆがんでいたり、ななめだったり。
この、独特の「ゆらぎ」のあるデザインは、
“お直し”の横尾香央留さんによる
手刺しゅうを原型にしたものです。
横尾さんが一針ずつ手で
刺しゅうしたものをオリジナルとして、
タオル工場の熟練した職人さんが忠実に再現。
手仕事ならではのニュアンスを、まるごといかし、
機械刺しゅうとは思えないほどに、
やわらかく、かわいらしく仕上がりました。
深みのある、やさしい地色は、植物からとった色素による
「ボタニカル・ダイ」という手法の染めかた。
植物の花、葉、茎、樹皮、果皮などから作った染料で、
色をつける手法です。
ひとつの色のなかに、ひとの目で見える幅をこえた
200種もの色素が入っているため、
奥行きのある色合いに仕上がっています。
ちなみにこのあでやかな春らしい新色は、
“くだものの女王”ともいわれる「マンゴスチン」から。
栽培に手間ひまがかかり、すぐれた薬効があるとされ、
昔はヨーロッパ各国の女王でさえ
口にすることができなかったくだものです。
作冬に販売し、たいへん好評だった色は、「マロン」。
日本では「勝ち栗」といわれる縁起物。
フランスでは恋を守る実だとも
言われているんですよ。