ていねいに織り上げた無地の白いタオルを、
ボタニカル・ダイという手法で
あざやかに染め上げました。
ボタニカル・ダイは、古代からある「草木染め」を、
現代の染色技術に取り入れた方法です。
ボタニカル・ダイをえらんだ理由は、
まず、色のうつくしさ。
ここに使われている色は、それぞれ単色に見えますが、
じつは、いずれも、ひとの目で見える幅をこえた、
200種もの色素で構成されています。
ひとの耳の可聴範囲を越えた音が、
音楽の深みや味わいになるのと、同じで、
ボタニカル・ダイの製品からは、
独特の奥行きと深さを感じることができます。
もうひとつの理由は、やわらかさ。
もともとが「やさしい」タオルですけれど、
ボタニカル・ダイで染めることによって、
肌に触れたときやの風合いが、
さらにやわらかくなりました。
淡く、上品な、大人っぽいピンク色のタオルは、
「ピンククラウド」という名前です。
このタオルを染めた原料は、いちご。
いちごは、「幸福な家庭」を象徴する植物。
ちいさなこどもにいちご模様の服を着せるのは、
そんな願いがこめられていると言われています。
キリスト教では聖母マリアの好物だったことから、
「尊敬」「愛」のシンボルでもあるんです。
「ターコイズ」のあざやかなターコイズ・ブルーは、
くちなしとマロウ、ふたつの植物をあわせて染めました。
まず、くちなしの実から取れる染料は、
古来から使われてきた伝統的なブルー。
くちなしは、春から夏にかけて、
甘く素直でやさしい香りを放つ植物で、
その実は邪気を払うともいわれ、
古代の人はお守りにしたそうです。
また、マロウからは、奥深い緑色を。
古代ローマ時代から美声のハーブといわれてきたマロウは、
古来、マシュマロの原料になった植物。
ハーブティーでも有名で、
透き通るブルーがとてもきれいです。
気持ちが穏やかになるような明るいイエローは、
「マリーゴールド」から。
コロンブスがひまわりをヨーロッパに持ち帰るまでは
「太陽の花」と呼ばれていたマリーゴールド。
日がのぼっている時間に花を開くため、
太陽光線を反射する=身を守る、といわれ、
家庭に幸運をもたらす花と考えられてきました。
マリーゴールドの染料は、
サフランの代用として、料理の色づけや、
髪を染める染料にも使われてきたんだそうですよ。
そして、ボタニカル・ダイの
うれしい特長をもうひとつ。
この染料で染めたタオルは、
やわらかさがアップしています。
こればかりは、触っていただかないことには
おわかりいただけないのですけれど、
もともとやわらかさが自慢の「やさしいタオル」が、
ワンランク上の品質になりました。