5つの国のことばのタオル、
さいごに紹介するのはチェコ語です。
インド・ヨーロッパ語族のスラヴ語派に属し、
チェコ共和国内と、
世界にちらばるチェコ系住民をあわせ、
約1200万人が使っているといわれます。
チェコ語のアルファベットは42。
そのうち15個に、ハーチェク(ˇ)、
チャールカ(´)などの付属記号がついています。
チェコ語やチェコの人でわたしたちに馴染みが深いのは
作家のカレル・チャペックやその作品である「ロボット」、
音楽家のドヴォルザークやスメタナ、
画家のムハ(ミュシャ)などですよね。
今回、チェコ語のことばを選んでくださったのは、
「ほぼ日」でもおなじみのshinoさんです。
shinoさんのプロフィール
シノ
1961年生まれ。
学生時代は型割陶器を、
1980年より吹きガラスの修行を始め、
米国ピルチャック・グラス・スクールで学ぶ。
その後、友人等と工房ARTHOLICを設立し、
個展、グループ展に出品。
美麻ワークショップ、GLASSWORK誌を経て、
長らく中断していた創作活動を再開。
現在はプラハ(チェコ共和国)を拠点に
主にビーズによるジュエリーを制作している。
「ほぼ日」では「生活のたのしみ展」の
「pojď k nám」への参加や、
https://seikatsunotanoshimi.1101.com/2017_spring/column/4333.html
ガラス作家の高橋禎彦さんとのTOBICHIの展示
「タカハシノ」、
https://www.1101.com/tobichi/takahashino/index.html
ベレーとチョーカの店「RADIOVKA」などでも活躍。
https://www.1101.com/tobichi/tokyo/exhibition/detail/?p=3430
ではshinoさん、
今回のことばについて教えてください。
発音‥‥むずかしそう!
UŽ JSEM DOMA.
(ウシュ イセム ドマ)[ただいま。]
直訳は「もう私は家にいます」ですが、
日本語の「ただいま」みたいなニュアンスで使われます。
挨拶ほど堅苦しくなく、でも声に出して伝える、
そういう言葉が好きなんですよね。
HLAS CESTUJE. NĚKDY SE KE MĚ VRÁTÍ.
(フラス ツェスツイエ. ニェグディ セ ケ ムニェ ヴラーティー)[声は旅をする。いつか自分のもとに帰ってくる。]
実はこれは中学の卒業文集に書いた一節なんです。
もちろん日本語で。
この後に続く内容は覚えてないですし、
まさかチェコ語にするなんて想像もしていませんでした。
でも、自由に旅行することが叶わない今、
声はどこかに伝わって、誰かに繋がる‥‥。
ふと思い出した一節に思いを馳せたくなりました。
TO NIC NENÍ, ALE PRO MĚ JE TO NĚCO.
(ト ニッツ ネニー, アレ プロ ムニェ イエ ト ニェツォ)[なんでもないもの、でも私にとってはなにか。]
これは俗に言う「ライナスのブランケット」的なこと。
わたしはものをつくる仕事をしているんですが、
社会的価値感には興味がなく、
個人の価値観に惹かれます。
誰かにとってはどうでもいいもの、
でもその人にとっては大切なもの。
そんなものが作れたらなぁと思っています。