植物由来の染料を使った
「ボタニカル・ダイ」という手法で
染めた糸を使ったタオルです。
化学的な染料とちがい、この染め方は、
ひとつの色のなかに
ひとの目で見える幅をこえた
200種もの色素が入っているため
とても奥行きのある色が出ます。
さらに、糸そのものをやわらかくし、
弾力がうまれるという効果もあって、
「ボタニカル・ダイ」の糸で織り上げたタオルは、
「やさしいタオル」のなかでもよりやさしく、
やわらかく仕上がっているんです。
今回のタオルは、
「トリコロール」の名前のとおり、
1枚のタオルに3つの色を使っていますが、
その色は、それぞれ、同じ植物からとっています。
やさしい青の階調がうつくしい「ブルー」の
もととなった植物は、アイリス。
フランス王家の紋章にもなったほど人気のある、
球根から咲くヨーロッパの花です。
日本では、アヤメやカキツバタ、ハナショウブも
このアイリスの仲間。
花の色は多彩で、黒、紫、青、赤、桃、茶、黄、白、
またひとつの花のなかでも異なる色の組み合わせもあり、
そんなところからギリシア神話の「虹の神」である
IRIS(アイリス、イリス)の名前がついたと言われます。
球根からは薬が、花と球根からは染料がとれる有用植物で、
その球根の色で染めた服は、安息日のための毛織物にも
使われてきたのだそうです。
パイル面は全体が、
光沢のあるペールブルーになっています。
墨色のグラデーションのタオル「グレー」の染料は、
オーク(樫=カシ/楢=ナラ)が原料です。
ギリシア・ローマ神話や北欧神話で
神に捧げられたと言われるオーク。
強くて耐久性があるため、船や家屋の建築材料、
教会や大聖堂の調度品に使われたほか、
水に強いという特性から、
ウィスキーの樽としても活躍してきました。
(ちなみにオークの実が「どんぐり」です。)
有用植物としても知られ、
その樹皮のエキスは薬に、
花は香りのエッセンスにも使われてきたんですよ。
こちらのパイル面は、全体が光沢のあるペールグレーです。