わたしは見た。みんなは、もう見たか? ほぼ日カシミア2010 UFH
なぞの未確認飛行人間「UFH」。各地から目撃情報が寄せられているが、いまだにくわしいことはまったく未確認である。彼(と呼んでいいのかさえ未確認なのだが)は、いったい何者なのか?いままでにわたしたちが知りえたことを、ここで紹介しておこう。
01 初観測はモロッコで。
わたしたちが、はじめてUFHを観測したのは、
モロッコにおいてである。
ほぼ日乗組員のモギとナンコが、
モロッコに旅行したときの写真に、
UFHらしきものが、偶然写り込んでいたのである。
これ以後わたしたちは、さまざまな歴史的遺物、
芸術作品、学術文献、伝統和菓子などのなかに、
たびたびUFHの痕跡を見出すこととなった。
なお、本人たちがUFHに気づいていたかどうか、
この写真に合成そのほかの加工がないかどうかについては、
まったく未確認である。
02 古代エジプトでも目撃されていた。
UFHについて調査をすすめていくうちに、
わたしたちは、はるか昔の古代エジプトにおいて、
すでに人類とUFHが遭遇していたことを、
知ることとなった。
さる遺跡の墓碑に刻まれていた
象形文字(ヒエログリフ)のなかに、
UFHらしきものが発見されたというのである。
写真をよく探すと、あきらかに飛行する人間の姿が、
象形文字のひとつとして使われていることがわかる。
なお、たいへん残念なことが、ひとつある。
それは、これらすべての情報の信憑性が、
いまだ未確認だということである。
レオナルド・ダ・ヴィンチとUFH。
卓抜した芸術家であり、科学者としても名高い
レオナルド・ダ・ヴィンチは、
“飛行”のメカニズムについて、高い関心を持っていた。
「人間が空を飛ぶことは絶対に可能だ」と、
熱い調子で書かれた手稿も見つかっている。

場所やくわしい日時は未確認であるが、このたび、
あきらかにダ・ヴィンチが描いたと思われる、
飛行人間の人体図が発見された。
有名な〈ウィトルウィウス的人体図〉と同様に、
飛行人間の人体各部における黄金比を図示したものなのか、
そのあたりは確証には欠けるが、いずれにしろ、
ダ・ヴィンチもUFHを観測していたにちがいない。
なお、この〈飛行人間人体図〉について、
専門家による学術的鑑定が現在行われているが
ほんとうにダ・ヴィンチの筆によるものかどうかは、
いまのところ未確認とのことである。
04 世界のUFH伝説。
UFHに言及した過去の文献も、ないわけではない。
未確認ではあるが、おそらく大正から昭和初期に出版された
『飛行人間の神話構造』で、著者の画餅千三氏は、
世界各国の伝説・物語・言い伝え・うわさ等をとりあげ、
UFH観測の事例として、人類学的な構造分析を試みている。
画餅氏によると、
「天女、天狗、竹取物語、魔女、スーパーマンなど、
 飛ぶ人間をあつかった物語や伝説は、
 すべてUFHとの遭遇のインパクトを、
 そのときどきの社会状況と関連させつつ伝える、
 いわば民衆による記憶装置であろう」
と結論している。
画餅千三氏に他の著作は見当たらず、
彼がいったい何者であるかは、まったく未確認であるが、
注目すべき仮説といえよう。
01 初観測はモロッコで。
東京は佃島にあるらしい、老舗の和菓子屋「狸窮」。
江戸時代から変わることなく、
代々、伝統の味を守りつづけている。
看板商品は、まんじゅう。
黒糖と蜂蜜がたっぷり練りこまれ、
薄皮の艶もうつくしい「月飛人」は、とくに人気だ。

おどろくべきことに、「月飛人」には、
UFHを象ったと思われる焼印が入っている。
商品名から想像するに、これは、
まんじゅうを月に見立てた、
「月を背景に飛ぶUFH」なのではないか。
どうやら「狸窮」の創業者は、
UFHを見たことがあるらしい。

18代目となる店主の本間さんに、
このことについて訊いてみた。
まんじゅうづくりの手を休めず、
本間さんは、めんどくさそうに言った。
「知らん。
 うちは代々、これでやってるだけだ。
 飛ぶ人間とか、そういうのは、わからん」
かくして、和菓子とUFHの関係は、
まったく未確認のままである。
わたしは見た。みんなは、もう見たか?
UFHを観測されたかた、UFHについて何かご存知のかた、
ぜひ情報をお寄せください。
「こうじゃないか?」という推測、
「こうあってほしい」という願望などをふくめ、
未確認の情報でかまいません。
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