ふわっとした いや、ふわっというか ぴたっ、とも しっとり、とも違う 包み込まれるような 着心地の良さのせいだろうか
それともその状態になるまで 自分が育てたのだという 思い入れのせいだろうか
むこうがすけて見えそうなくらい 繊維が痩せ細ったなんの変哲も無い ただのTシャツを 人はいつまでも 捨てることなく 部屋着にしていたりする
たしかに あの 肌なじみの良さを知ってしまうと 袖を通して2、3年の ヒヨッコTシャツなんか くつろぐための部屋着として 認めるわけにはいかねぇ という気持ちもよくわかる
しかしその うっすいうっすいTシャツは とうに寿命が過ぎているようなものなので ちょっと強めに突こうものなら 穴なんか たやすく空いてしまうのだ
お金では買うことの出来ない 第二の皮膚とも言うべきTシャツに 穴があいてしまったら… お直しワッペンでふさいでしまおう 見慣れたTシャツの平穏な世界に 突然 シカの親子が迷い込み 新たな物語が始まりそうです
りっぱなツノのお父さん鹿とちいさな子鹿、 ペアのワッペンです。
ポイントは、お父さん鹿のおしりが 白くてふさふさしているところ。 子鹿が小首をかしげているのもキュートです。
シカの周囲には、丸いパーツが並んでいます。 これは何ですか? と横尾さんにたずねたら、 「‥‥たぶん、鹿せんべい」 とのことでした。