真っ白な洋服にしみを付け 泣きたい気持ちになった経験が 誰にでも一度や二度は あるのではないだろうか?
あたしにはある こどもの頃 お気に入りのブラウスに ブルーベリージャムをみごとにたらし 血の気が引くほどのショックを受けた
それから小学校の給食着 ミートソースを取り分ける 花形係を担当してしまったがゆえ 袖と前身頃にいくつかの オレンジ色のシミがついてしまった 服が汚れないための給食着なのだから 着ていてよかったー と 安堵すべきところなのに あたしはなぜかショックをうけ 5時間目の授業をききながら “あぁ早く帰りたい” おちるともわからないシミを思った
給食着はクラスのみんなのものだから ワッペンを付けるわけにはいかないが 小さくついてしまったシミを ウマやリスの周りに散らばる 小さなワッペンで隠したら 星座や文字ののようなものが 浮かび上がってきて ジャムやミートソースからの メッセージを受け取れるかもしれない
ウマの背中に、 ちょこんとリスが乗っているワッペンです。
リスがたいせつそうに抱えているのは、 なにかの「実」なのだそうです。 木の実とか、果実とか。
おおきな特徴は、ウマのしっぽの部分。 ここには接着するための糊がついていないので、 ふさふさの、フリンジなんです。 身に着けている人が動くたびに、ゆらゆら、 しっぽが揺れるワッペンです。