あるところに チョコレートチャンククッキーが だいすきな おんなのこがいました 行きつけのコーヒーショップで 毎日食べていたそれを ある日 自分で作ってみることにしました 理由は 焼きたてを食べてみたかったから
とろりと溶けたチョコレートで 舌をやけどしないよう 注意しながら食べるクッキーは 想像を遥かに超えるおいしさでした
“ もっと食べたい もっともっと食べたい ”
おんなのこは クッキーのサイズを どんどん大きくしていって それに伴ない コーヒーも相当量必要だわ と気がついて 大きな大きなマグカップを手に入れました いちいち継ぎ足さなくてもいいように
大きなマグカップの難点は いきおいよく傾けると口の端から コーヒーがダラッと溢れ流れちゃうこと 同じ失敗を毎日繰り返すものだから お気に入りのエプロンの胸のところには コーヒーのシミがいっぱいです
そうだ こないだもらった ペンギン親子のワッペンを貼付けて カモフラージュしてみましょ あら かわいい〜 でもまぁ明日も同じ失敗しちゃうから この親子 コーヒーの海を 泳ぐことになっちゃうわね ふふふふふ
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なみなみ注がれた巨大マグカップを 筋を浮かび上がらせながら片手で持ち カメラの前でそんな物語を想像しながら ふるえぬように耐えていた
コウテイペンギンの親子です。 赤ちゃんペンギンは、あどけない表情。 おとなペンギンは、ちょっと悪い目つき。 その組み合わせがたのしいワッペンです。
横尾さんが描く動物は、 「ちょっと悪い目」が魅力なんです。
周りにある白いパーツは、 冷たい海の氷を表現しているんですよ。