ボーズ |
だいたい、アニの場合は
寝てても仕事が進行するので、
そこがまずは問題なんです。
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安斎 |
その状況は、いろんなことが楽勝だよね。
「寝る場」がすでにできてるんだもん。
寝るにはもってこいの環境だよね。 |
ボーズ |
「俺が寝てるほうがむしろ良い曲ができる」
ということを平然と言うときすらある。 |
アニ |
寝ると、催眠効果でグルーブが出たり。 |
ボーズ |
こんなふうに、自分で
福の神的なことを言い出したりして。 |
片山 |
それはすごい
プラス思考ですね。 |
アニ |
電気グルーヴとレコーディングをしてたときは、
考えなきゃいけないときに限って飯が出て、
ひどかったな。 |
ボーズ |
電気グルーヴにはもうひとり、
寝るヤツがいました。ピエール瀧です。
ピエール瀧とアニが寝てる、という
最も腹の立つシーンを目の前にして、
こっちは、もう一生懸命考えるしかない。 |
アニ |
でもね、俺は
ちょっと寝たほうが、
スッキリしていいんです。 |
一同 |
笑
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アニ |
俺は眠いままずっとやりつづけるのか?
それとも、ここは一度寝て、
スッキリしてからやるのか? |
安斎 |
中途半端な協力のしかたは、よくないもんね。
俺も「勝手に観光協会」で、
みうらくんが曲作ってるときは、
寝るよ。 |
片山 |
それは、アニさんと同じような
感じですね。 |
安斎 |
うん。寝てるほうがね。
むしろ、いないほうがね。 |
アニ |
そうそう、気配消したほうが
みんなが集中できるかもしんないし。 |
ほぼ日 |
‥‥‥‥。 |
ボーズ |
さらに、アニが悪いのは、
レコーディングのとき、みんなで
「う〜ん、う〜ん、これどうしようか」
と言ってるときに、
「う〜ん」って顔して
寝てるときがあるの。
「う〜ん」って言いながら腕組みのまま、
息がゆっくりになってきて、
「寝てるじゃん!」
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アニ |
そこで寝て、いちおうね、
夢にアクセスしてたりして。 |
片山 |
それは、幸せですね。 |
アニ |
寝て、探してるんですよ、
夢のデータベースをね。 |
ボーズ |
何か拾ったことあんのか、そこで。 |
アニ |
だいたい空のディスクに
アクセスしてるんだけど。
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一同 |
笑 |
ほぼ日 |
寝てるのは、まわりに
ばれてるんですよね? |
アニ |
でも、咄嗟になにか訊かれても
「だいたい問題ないっす!」
って、反射的に大きな声が出ます。 |
ボーズ |
「き、聞いてました!」みたいな感じでね。
でも、僕はアニを
うらやましいと思う気持ちはあるんだよ。
それだけリラックスして
現場にいられる、ということだもん。 |
アニ |
そうです。アリシア・キーズがね、
いいことを言ってました。 |
ボーズ |
なんて言ったの? |
アニ |
「リラックスした状態でしか、
いいパフォーマンスは生まれない」 |
安斎 |
そういうの、覚えてんだよなあ。
調子のいいことを。 |
ボーズ |
そうなんですよ。
でも、こっちがほんとに
テンパってるときに言われると、
腹が立ちます(笑)。 |
安斎 |
でもさ、だいたいスタジオって
暗すぎるよね。 |
ボーズ |
寝やすい間接照明だし。 |
片山 |
やさしいあかりですもんね。 |
安斎 |
でかい音もさ、何回も聴いてたら、
そりゃ、寝るよね。 |
片山 |
芸人も、ネタを考えているときに、
うつらうつらする者がいます。
芸人って、コンビだと、
ボケとツッコミで、
どっちかが、いわゆる「頭脳」である場合が
多いんです。
だから、どちらかひとりは
ほんまに「聞いてるばっかり」の状態が多い。 |
ボーズ |
なるほどね。いい「あいの手」入れれば
それでいいんだ、というときもあるだろうし。 |
安斎 |
あいの手も、つらいんだよな。
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アニ |
つらい。
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安斎 |
のせんのも、つらいよね。
人間って、そうそうは
のんないじゃん? |
片山 |
おっしゃるとおりですね。 |
ボーズ |
人間、だいたいはイライラしてますね。 |
アニ |
せっかくのあいの手を
スルーされることもあったりしてね。
「わ、聞き逃しかよ!」 |
ボーズ |
僕らも「アニどう?」って訊いて、
アニが「こっちがいい」というのを、
「ああ、そう」と流したりする。 |
安斎 |
それは、いい環境ですね。
寝るにはもってこいの環境じゃん。 |
ほぼ日 |
アニさん、この部屋も
ちょっと暖房切りましょうか。 |
アニ |
ぜんぜん大丈夫ですよ。
ギンギンですよ。 |
ボーズ |
わかんないんだよね、
アニのギンギンが。
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(つづきます!)
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