それは6月11日の、宿題をやる日。
目玉焼きの「目玉」の部分を縫うところからです。
型紙通りにチャコで線を引きまして。
切りまして。
縫います。
ここで、がく然とするわたくし。
ひゃー、寸法が、あわなーい!
スレキ(仮布)でやったときは
ぴったりだったから、
型紙がずれているわけじゃない。
そうか、この布、伸縮性があるので、
ミシンにかけるときに、片方をひっぱりすぎて、
最後にあわなくなっちゃったんだ‥‥。
これは、かなりしっかり「仮縫い」をしないと
どんどんずれちゃいますね。
ということで念入りに仮縫い(手縫い)。
そうしてきっちりミシンで縫いまして。
なんとか目玉ぶぶんが完成しました。
先に縫い終わっていた白身にですね‥‥
このようにつければいいわけです。
縫います!
かなり厚手の布ですが、
JUKIのミシンが優秀でして、
がんがん縫えちゃいます。
おっ、できたんじゃない?
かぶってみましょう。
すぽっ!
あれ、なんか、大きいなー。
見た目はわからないかもしれないですが、
頭を入れる部分が、
ぶかぶかだったのです。
この、切りっぱなしのふちの部分を
どうにかしないといけませんね。
ということで考えました。
さらに「ふち」をつければいいのでは? と。
この日はスソ先生がいらっしゃいませんでしたから
独断でございます。
もう型紙をつくっている時間がありませんので
円周は、黄身の外枠とほぼ同じなはずということで
その型紙を使うことにしました。
ちょっと、「がたがた」になっちゃったんですが、
サイズ的には、頭ぴったりに!
できた! できたんじゃない?
あとは、スソ先生に見てもらうだけじゃなーい?
でも、ちょっとだけ気になるのは。
「ふにゃふにゃ」なことなんだよなあ。
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そして、日は変わりまして、6月23日。
スソ先生をお迎えする日です。
いちおうきょう合格が出れば卒業です。
い、いかがでしょう‥‥。
ここんとこ、がたがたなんですけど。
「なるほどー、ここは工夫しましたねー。
たしかに挟み込んで縫うのは
けっこうたいへんなんですよねー。
ここを仕上げる方法は3つあって、
ひとつは、ほどいてもういちど縫う。
もうひとつは、刺繍針と刺繍糸で
いかにも手縫いふうに端をまつる。
さいごの方法は、もっと思いっきり、
ミシンを何重にもかけて、
ワイルドな感じに仕上げちゃう。
どれかお好きな方法で」
はい、では、さんばんめで!
「ちょっと、かぶってみてください」
はい。空気を入れるとこうです。
空気を抜くと、こうなります。
「あら、もうちょっと、へりを、
張らせたい感じもしますね。
コルセットなんかで使う
硬いテープを入れたらどうかしら。
名前がわからないんだけど、
こういう感じの‥‥」
と、説明を書いてくださるスソ先生。
「渋谷まで行けば
手芸専門店がありますから
ひとっ走りしてきてはどうかしら」
は、はいっ、わかりました!
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ということで30分ほどお出かけしまして、
渋谷まで往復してきましたよ。
「マルナン」というお店で、
なぜか店員さんがおじいちゃんばっかりなんですが、
親切にしてもらって、買ってきました。
幅1センチくらいの、ワイヤーテープ。
ここから、さきほどの「ワイルド仕上げ」のための
ミシン縫いと、このワイヤーテープを入れる
作業に入ります。
まずは、ワイルドに縫う。
これは、そんなに難しくない!
かたたたたたたたた(ミシンの音)。
んがががががががががが!(速いミシンの音)
はやい、はやい。
思いっきり踏み込むとミシンははやい!
「なんか、ドリルみたいな音がする」
とか言われつつ、
何重か、縫い重ねまして、できあがりました。
そしてこんどは、ワイヤーテープを、
縁の内側に、きっちりとめていきます。
これは手縫いです。
‥‥先生、糸が針に通りません!
「あらあら、世話がやけますねー」
めんぼくないことです。
がんばります。
と、格闘すること約1時間。
な、なんとか‥‥
できたか? できたんじゃないか?
でーきた〜〜!!!
ほら、こんなふうにかぶっても、
端がぴんとしてる!
「うん、目玉焼きっぽいですね!
これで卒業としましょう!」
わ〜い、うれしいです、
ありがとうございます!
あ、たかしまさん、かぶってみます?
「えっ、いいんですか」
もちろんですとも。
よくお似合いです!
あ、打ち合わせに来たハラダさん、
かぶってみます?
「かぶるかぶる」
お、おにあいですね。
ところでこれ、すっぽりかぶると
「着ぐるみの頭部」みたいになるんですよ。
ほら、かいじゅう目玉焼きにんげん。
「こーげーちゃーうーぞー」
あと、意味なくぐるぐる回したりできます。
ふう‥‥よかったよかった。
スソ先生、さいごまでおつきあいくださり、
ほんとうにありがとうございました。
不肖の弟子ですが、なんとか完成いたしました。
もう、しばらく、布を切って縫ったり
ミシンを使うことも、ないだろうけれど、
やってよかったです。
洋服好き、帽子好きってことで参加しましたが
ほんとうに、布と糸と針での造形ってむずかしかった!
これをプロでやってる人たちは、すごいなあ。
このごろ、ブティックに行くと
「ほう、ここをこう、
パターンにしてるんだ」とか
「こんなふうにこまかく縫ってあるんだ!」
とか思うようになりました。(逆もあるけど。)
服も帽子も靴もメガネも、つくる人みんなすごいや!!
ところで、最後にたかしまてつをさんの帽子、
かぶらせていただきました。
なんか、妙に似合うんですよ、これが。
ではでは! たのしかったです!
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「たのしかった? よかったー!
シェフさんはあんがい手先が器用で
手縫いも、ミシンも上手でしたから
またなにかつくってみたらいいのに。
そして、目玉焼き帽、
外でもかぶってね(笑)。
こちらこそありがとうございました」 |
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