シェフ デザイン紆余曲折、
そしてついに…!!

帽子をつくり始めたのはまだ寒い季節でした。
それが花粉の季節を経て、
いつの間にやらTシャツ一枚で
過ごせる季節になりました。
いよいよ最後の学習レポートです。
どうぞよろしくお願い致します。

前回でいちおうかぶれるカタチになった猫帽子、
顔などのパーツを縫い付けて
猫っぽく飾っていきましょう。
本体の上にパーツを仮置きしてみて
まずは様子を見てみます。
ふんふん…あれ?…う〜ん……。



なんていうか…お遊戯の衣装?
ちゃんとイメージ画どおりに
パーツをつくったはずなんですが、
こうして実体化してみるとなにか違う…。
手描きのラフな線や塗りの雰囲気を
なんとか布の上でも表現できないものか…。
よし、こうなったら即興で
新しいデザインの顔をつくってみよう!
というわけで、絵を描くときの気分で
深く考えずに気持ちよく手を動かしてみます。
何かに使えるかもと買っておいた
デニムの布地を顔の大きさに切り抜いて、
目、鼻、口を筆と絵の具で描き、
瞳にあたる部分はミシンと黒い糸で描きます。
さあ、どうでしょう。



デザインは変わったけど、
当初目指した化け猫的な雰囲気が
なかなか出てるじゃないですか。
うん、これで行こう!
顔に合わせて
背中側に付ける尻尾とブチ模様にも
デニムを使ってみました。
うんうん、いい感じなんじゃない?



さてさてさて、
顔のデザインを変更することになって
一時はかなり戸惑ったものの、
結果的には気を良くして
ついに最後の工程に突入します。
裏地づくりです。

もしも一人で帽子づくりに挑戦していたなら、
たぶん裏地はつくらなかったと思います。
だって、かぶったら見えないもん、裏地。
もちろん、この浅はかな思いは
とんでもない世間知らず in 洋裁の世界
だったことはあとから痛感するんですが、
この時点では“先生が必要だと言ったから”という
なんとも消極的な理由で
締めの作業にとりかかりました。

裏地は表地と背中合わせにくっ付くので
型紙を裏返して使うことに注意しながら、
裏地用のパーツを作成していきます。
ここでもふと思い付いて、
足の裏地部分だけをデニムの布地に
デザイン変更することにしました。



パーツを縫い合わせると
表地と表裏反転した帽子ができました。
表地と裏地のふたつの帽子を合体させれば
晴れて猫帽子の完成となるわけです。
が、しかし、
この表地と裏地を合わせる手順って、
頭の中でぜんぜん具体的にイメージできないんです。

スソ先生に教えていただいた手順は、
ざっとこんな感じです。

表地、裏地のふたつの帽子を裏返す
 ↓
足の輪郭に沿ってふたつの帽子を
ぐるっと縫い合わせる
 ↓
完全に閉じずにちょこっと穴を空けておき
その穴を使って全体を裏返す
(穴は最後に手で縫い合わせる)
 ↓
あら不思議、猫帽子の完成です


(スソ先生画)

何度がんばってイメージしても
最後の部分は“あら不思議”のままですが、
なにはともあれやってみることにしました。
例の7mmのラインに沿ってミシンで縫い合わせ、
細い足の部分に苦労しながら全体を裏返したら…
やっぱりあら不思議!!
本当に表地と裏地がちゃんと出てきて
ひゃー、猫帽子が完成しちゃいましたよ!



ペラペラのときと違って裏地があると
ちゃんとした帽子らしさが格段に上がりました。
厚みのボリュームが出たおかげで
形を保ってくれるようにもなりました。
本当によかったです、裏地つくって。

そして、
最後の教室の日がやって来ました。
完成した猫帽子を抱えて足取りは軽く、
でもちょっぴり寂しい気持ちでほぼ日会議室へ。





なんとしても完成した帽子をかぶって
みんなで卒業写真を撮ろうと、
教室は追い込み作業の熱気で溢れていました。
ちなみに最後の教室とあって
おやつも溢れていました。
手の空いたぼくはがんばる教室仲間の姿を
カメラで記録しながら応援していたのですが、
ファインダー越しに覗いていると
まるで帽子教室の思い出を
スライドショーで見ているような気分になり、
ちょっとジーンと来ちゃったりもしました。

本当に楽しく達成感のある教室でした。
スソ先生、生徒仲間のみんな、
そしてこのレポートを通して
ずっと見守ってくださったみなさん、
どうもありがとうございましたー!









スソ先生のアドバイス
卒業おめでとうございます。
ぜひたくさんつくって
猫帽子の仲間を増やしてあげてくださいね。
たかしまさんの帽子づくりは
今はじまったばかりだジョー!
(最後の一言はイメージです)

とじる