糸井 |
生徒たちのことが、
うらやましいなぁと思ってたんですよ。 |
スソ先生 |
ほんとですか?(笑) |
糸井 |
いや、ほんとに。ぼくも作りたい。
じつは、ぼく昔、
帽子デザイナーになりたいって
思ってたことがあるくらいですから。 |
スソ先生 |
ええ〜、そうなんですか?! 本気で? |
糸井 |
もちろん本気ですよ、だからほんとにうらやましい。
自分の好きなものを帽子にしていいんでしょ? |
スソ先生 |
はい、自由です。 |
糸井 |
おもしろいですよねえ。
人々が自分の頭になにを乗っけたいと思ってるか、
それを聞いてまわるだけでも
すごくおもしろいですよ。
‥‥たかしまさんは、猫を乗せたいわけですね。 |
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と、再び生徒たちの作業に見入ります。
その途中でお団子を見つけて食べたりもします。
そして、糸井重里はピタリと足をとめました。
茂木直子の前で。 |
糸井 |
「直子ちゃん! 直子ちゃんはじょうずだねえ!」 |
はじまりました、「直子ちゃんいじり」です。 |
糸井 |
「直子ちゃんは昔からお絵かきがじょうずだった!
こんなおおきくなって‥‥おじさんはうれしい!
ん? それはなあに? あ、切腹の帽子!
大丈夫だよお、直子ちゃん、ぜんぜん平気」 |
茂木 |
「ひぃ〜」 |
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ちなみに生徒・茂木は、
「直子ちゃん」と呼ばれること、
並びに「親戚のおじさんに愛される」
という設定でいじられることを、
それはそれは苦手としております。 |
糸井 |
「直子ちゃん! おじさんちょっと、
団子をたべたりいろいろ忙しくてね、
そろそろいかないといけないの!
でも直子ちゃん、大丈夫!」 |
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糸井 |
「なにかあったら、 やさしい先生とか、
お兄さんやお姉さんたちもいるから。
ね! 大丈夫だから!
‥‥おじさん、ほんとにいなくなるけど、
直子ちゃん、大丈夫?」 |
茂木 |
「ひぃ〜」 |
糸井 |
「じゃあ、先生、
いろいろご迷惑をかけますけど、
ひとつ、直子をよろしくお願いします。
あと、団子、おいしかったです」 |