田島 |
伊賀さん、あのときはどうも。
ぜんぜん伊賀さんだと気づかずに話しかけちゃって
すみませんね。俺、酔っててさ。
あっ、かっこいいな、この人!って思って
話しかけちゃって。 |
伊賀 |
TAROの話をして、盛り上がりましたよね。
だから、田島さんにはぜひ
Tシャツに参加していただきたかったんです。
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田島 |
ほんと、うれしいな。
でも、つくりたい気持ちはあっても
服のデザインなんてやったことないんです。
どういうふうにつくったらいいか。 |
伊賀 |
そうですね‥‥田島さんの「思いの丈」を
Tシャツにぶつけていただいたら
いいと思うんです。
Tシャツといっても、プリントだけじゃなくて、
Tシャツに直接描いていただいてもいい。
布をはりつけたり、糸で縫いつけたり。 |
田島 |
うーーん、絵か。
子どものころは、油絵とかやってましたけど
13歳くらいから絵なんて描いてないし‥‥。 |
伊賀 |
でも、
うまくないと、絵を描いちゃいけない
ってことじゃないと思うんです。 |
田島 |
ハッ! そうだよね!
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伊賀 |
先生(TARO)が言っておられるように‥‥。
「うまくあってはいけない。
きれいであってはならない。
ここちよくあってはならない。」
だから、ふだん洋服をつくったことのない方にも
ぜひやってもらいたいんです。
そういう人がTシャツを前にして
TAROというテーマひとつで、
「どうしよう、自分はここでなにができて
そして、なにをやりたいか」。
そう考えていただくことこそ、
このTシャツでやりたいことなんです。 |
田島 |
何がいいんだろうなあ。
絵の題材は
ぼくが決めるんですよね。
そこでみんなが知恵を絞るのが
TAROっぽいってことなんだね。 |
伊賀 |
さらっとキレイなTシャツつくっても
おもしろくないですし。
こういう機会なんで、 確実にもう二度と
こんなことできない、
っていうようなものをやれたら
俺はおもしろいと思うんです。
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田島 |
そうだね‥‥Tシャツねぇ‥‥
考えたことないからなあ‥‥
1か月くらいあればできるかなあ。
‥‥そうか‥‥そうか(笑)。
Tシャツに直接描いてもいいんだよね? |
── |
リキテックスや布用の絵具だったら
問題ないと思います。
男の子用と女の子用の
2枚をつくっていただきたいんですが。 |
田島 |
へえ、そうなんだ。おもしろいね。
なんかドッキドキしちゃうなあ。 |
伊賀 |
そのドキドキ感がいいんですよ。 |
── |
‥‥大丈夫でしょうか。 |
田島 |
だ、大丈夫じゃないよ、
ゼンッゼン。
ッハハハハハ! |
── |
大丈夫です、大丈夫です。 |
田島 |
黒一色でもいいの? |
伊賀 |
ぜんぜんかまいません。 |
田島 |
なんていうインクでしたっけ? |
── |
リキテックスです。 |
田島 |
リキテックス‥‥ね。
‥‥やべー! 俺やべー! |
── |
白Tシャツもありますが、
古着の上に描くのもおもしろいので
ごらんになってみてください。 |
田島 |
古着も、おもしろいね。
マレーシアか、シブイな。
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伊賀 |
古着なんで、謎のTシャツがいっぱいあります。 |
田島 |
でも、やっぱり古着よりも
真っ白のTシャツがいいかな。
塗りつぶすスペースがほしいから。
さっきのマレーシアだったら
いけるかな。マレーシア、
うん‥‥うん‥‥ |
── |
田島さん? |
田島 |

うん‥‥なんか、考えはじめてきちゃった。
ちょっと待って(笑)。どうしようかな。
うわ、すっげえプレッシャー感じてきちゃったな。
急に! |
── |
大丈夫です、大丈夫です。 |
田島 |
できるのかな、俺に! |
伊賀 |
大丈夫です、大丈夫です。 |
── |
TAROがみてますんで。 |
田島 |
ちょっと気合い入るなあ! |
── |
マイナスに賭けろ、ですよ。 |
田島 |
そうだよね。Tシャツとか洋服とか、
ほんと、わかんないところから‥‥。
俺、Tシャツも、いつも適当に着てるし、
このジャンパーも15年くらい着てるもんだしさ(笑)。
裏地がボロボロになっちゃって。
事務所の方から贈られた、15年愛用のジャンパー。
「そもそも最初はこんな色じゃなかった」そうです。
傍らには、TAROの本がつまった愛用のカバンが健在。
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伊賀 |
そういう人につくってほしんですよ。
マイナスをプラスに転換させる、
TAROスピリッツですよ。 |
田島 |
そうかそうか。
「知らない強さ」か。 |
伊賀 |
そうやってつくったTシャツを
服に関わる仕事をやってる人がみて
「うわあ、すげえなあ」と思うことが
あるかもしれません。
もちろん、服をふだんデザインしている人が
つくりこんだTシャツっていうのも魅力的です。
このTARO-Tは、
そういうのが混じっているのが
おもしろいと思うんです。 |
田島 |
わかりました。がんばります。 ‥‥(小さい声で)大丈夫かな。
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伊賀 |
大丈夫です、いけます。 |
田島 |
ハッハッハッハッハ。 |
伊賀 |
各自のところへ先生(TARO)が。
降りてきますから。 |
田島 |
そうだよねえ! もう、っったのむ!
あっ、お願いすると来ないかな。
こっちが「やるぞ」って状態になってないと。
気がついたら「いた!」ってかんじですよね、きっと。
いやーそうかそうか。 |
伊賀 |
いくらTシャツつくるのが得意な人でも
TAROのことをそんなには思ってない人には
つくってもらってないんです。 |
田島 |
いや、おれは soulはあるからね!
好きだというね!!
それだけはあるからね。やってみます。
ほかの人はみんな
かっこよくつくってくるんだろうなあ。 |
伊賀 |
いや、逆に、かっこいいものを
「つくらない」というほうが
いいかもしれませんよ。 |
田島 |
‥‥なるほどねえ。なるほど!
あっ、わかってきた! そかそかそか。 |
伊賀 |
ハマリすぎてて誰もみない絵は
だめじゃないですか。 |
田島 |
「いやったらしい」もの。
賛否両論が巻き起こるようなものね。 |
伊賀 |
へんに着地点を考えないほうが。
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田島 |
そうだね!!
なるほど!!
パチパチ!!
そかそか、「着地点」!
わかった。オッケー。
「着地点は考えなくてよい」 |
── |
人に説明する必要もありませんし。 |
田島 |
そうだよね。
俺は考えなくていい。
ちょっとわかったな。 |
── |
たくさんあるTシャツのなかで
みんなが「ぜったいこれは欲しくない」って
思うものがあってもいいかもしれません。
逆にそれはTAROが
褒めてくれることなのかも。 |
田島 |
なあるほどね!
そうか。 |
伊賀 |
1枚だけ残ったら、かっこいいっすよ。 |
田島 |
なら、俺が着ればいいんだ。 |
── |
そうですよ! |
伊賀 |
ほんとにそれはそうだな。すげえ、かっこいい。 |
田島 |
うん。そうだね。
じゃ、ま、考えます。 あ、考えちゃいけないんだった。
ハハハハ。
漠然とぼーっと、こう、ね。
ハハハハ。
なんか曲書くのに似てんな、きっと。
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伊賀 |
お忙しいとこ、すんませんでした。
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