岡本太郎記念館・館長の、平野暁臣さん。 TARO MONEYに、何を願う? 1

もうすぐ、岡本敏子さんが亡くなってから
1年が経とうとしています。
TARO MONEYは、
敏子さんのあとに岡本太郎記念館の館長に就任された
平野暁臣さんに、たくさんご協力をいただきながら
制作をすすめています。
TARO MONEYについて、
平野さんにお話をうかがいました。




TARO MONEYのコーナーに、
300通近くのメールが届いたと、うかがいました。
驚きましたよ。
これについて、みなさんが「本気」で
考えようとなさっているところに感動しました。
みなさんが、日ごろ個人で感じていたことに対して、
糸井さんの投げた球が
まっすぐに届いたんだなぁと思いました。

こういう、岡本太郎の乗った球を
社会に対して投げてくれた糸井重里さんに、
心からありがとうと言いたいし、
投げられた球を
ふざけたり茶化したりしないで
ちゃんと受け止めてくれた人たちにも
ありがとうと言いたい。
感激しました。
こういう社会がある、ということに対して、
変な話だけど、安心もしました。

このプロジェクトがこうやって
さざ波を立てながら走りはじめたということを、
ぼくは、すごくいいな、と思っています。
「こういうものをつくりました」
「販売しました」「売り上げを寄付します」
そんなスムーズなことでは、きっと
TARO MONEYがやろうとしていることは
ここまで伝わらなかったでしょう。
ごまかさずに、正直に真正面から
ものごとを進めていこうとする姿勢が
じつに太郎っぽいと思います。
でもね、そもそも
岡本太郎と何かしようとするときは、
全身全霊全力になってしまうものなんです。
そうでないと、太郎は遊んでくれないんですよね。
生半可なノリで
「30分だけね!」というのは、できない(笑)。
最初は軽いつもりでも、結局は本気にならないと
太郎に関することは、なぜだか
何にもできなくなっちゃうんです。
そして、太郎と真剣に遊んだら、
たのしいだけじゃなくて、
気がつくと、それまでなかったものが
その人のなかに芽生えている、
ということもたくさんあるようです。

このTARO MONEYも、太郎と遊ぶ道具です。
そんな気はなくても、手にしたら、
やっぱり本気で太郎と
遊ぶことになってしまうでしょう。
これは、もしかしたら、罠かもしれないね(笑)。



平野さんのお話は、明日につづきます。





※できるだけたくさんのメールをご紹介したいため、
 抜粋して掲載させていただきます。


「税金として持っていかれるのはイヤだ」と思いました。
でも、何がどうなっても『TARO MONEY』ほしい!
という私の気持ちは変わらない気がします。
役に立てるということと、
すてきなものが手にはいることが
両立しているのはうれしいです。
『明日の神話』を修復するのに
莫大な費用がかかるのであれば、
時間がかかってもいいから、
じっくり腰をすえてかかってみても、いいのかなぁ。
糸井さんをはじめ、
乗組員のみなさまが不本意でないかたちを望みます。
(長)


ひとつの事に関心を持つと、
ぜーんぜんそんなつもりじゃなかったはずなのに、
いろんな事をお勉強しなくてはならなくなるという
良い見本です。
それにしても欲しくなっちゃったな、TARO MONEY。
違う意味での金銭欲が高揚してしまいました。
(佳子)



第1回目の記事を読んで、考えて考えて考えて。
でも妙案は浮かばなくて、何もメールしませんでした。
今日、2回目の記事を読んで、
たくさんの人の意見に触れて、
なんだか感動して涙が出ました。
だから、いい案なんてやっぱりまだ持っていないけど
今の気持ちを伝えたいと思ってメールしました。
たくさんの人に、こうやって考えてもらいたいです。
字面だけ見て変にとらえられて欲しくない。
だって、大きな思いがあるんですもの。
だから私は今の日本で正当といえる手順を
踏んでもいいのではないかと思います。
そのほうがたくさんの人を
まきこめるのではないでしょうか。
がんばってください。応援しています。
(ひゅー)


私は税金が発生しても
TARO MONEYを購入すると思います。
確かに税金は、何かとマイナスイメージがあって
自分もサラリーマンとして
何とかしてくれよと思うのですが、
よくよく考えると全てがマイナスなのではなく、
もしかしたら芸術関連の費用として
使われるかもしれない、
めぐりめぐってこの税金が
プロジェクトに貢献するかもしれない、
という考え方もあるような気がしているのです。
(tio)


「明日の神話」の復活を最優先で。
そのためなら、ちょっとばかり
税金で持ってかれたって悪くないと思いたいけど‥‥。
いろいろな投稿を見ていると、
複雑な心境になってしまうのが正直なところです。
(じゅん)


お手数を考えると、簡単には言いにくいですが、
懸命に、このまどろっこしい制度に
反発していけばいいのではないでしょうか。
(あつ)


PRをするということでいいと思います。
税金だから払うのはNO、ということではなく。
このプロジェクトの目標である「明日の神話」再生に
少しでも多く、寄付金が使われるほうが
やっぱりしっくりきますからね。
「ほぼ日」をPRすることで、
より多くの人たちにこのプロジェクトを知ってもらう。
それでいいと思います。
どういった形であれ、
このプロジェクトが成功する事を祈りつつ、
コインを楽しみに待ってます。
(タマだ)


お金を寄付する側としてはもちろん
できるだけ多くのお金が「明日の神話」のために
なってほしいと思います。
でも一番届けたいのは「少しでも力になりたい」
気持ちであってお金そのものではないと思います。
税金を払うことは悪いことじゃないんだし、
普通に「寄付」というかたちでいいと思います。
(masae)


何のために寄付をするのか。
今回であれば、岡本太郎さんの
壁画を修復するための寄付ですよね。
ぼくは、詰まるところ「気持ち」だと思っています。
寄付金であっても税金がかかるというのは
「制度」ですから、「気持ち」がどうであれ
それはその枠の中において行われるべきことだと考えます。
(f)


課税されるより、
こちらのプロジェクトで使って頂いた方が
気持ちが良いです。
TARO MONEYを手に入れたら
まず家族におすそわけしてあげようと思います。
そして、そこから「ペイフォワード」のように
ゆっくりでいいので
外の世界にも広がって行くといいですね。
(Y)

たくさんのメッセージを、ほんとうに
ありがとうございます。
明日のこのページでも、
みなさんからのメールをご紹介する予定です。
TARO MONEYへのご意見や、ページのご感想をどうぞ
postman@1101.comまでお寄せください。

2006-04-05 WED

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