『黄昏』プレゼンツ‥‥  旅の荷物に詰め込む本。  年末年始の帰省のときなどに。
ヴェネツィアの宿
須賀敦子
文藝春秋
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ひとり旅に連れて行くなら須賀敦子。
一冊だけ選ぶとしたら、
『ヴェネツィアの宿』でしょうか。
乗り物に揺られて、異国の言葉をひろい集めながら、
眠りにつく前に、いつもそばに。
やさしい言葉にくるまれた、
揺るぎないものは生やさしくはないけれど。
静かに励まされます。
いまここで旅をしている自分と、
書物の中で誰かの息づかいにふれる旅とを
重ね合わせながら。
日本で読むのも良いけれど、
異国で読むともっとずっと心に効きます。
(みらの)
丸かじり劇場
メモリアルBOX
東海林さだお
朝日新聞社
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新幹線を待つ間、
エキナカ(上野)をウロウロする時間が好きです。
お弁当やお茶を買ったり、
本屋さんで車内で読めるものを選ぶのですが、
この本はピッタリでした。
不思議と、旅から戻ってからの日常では
あまり読む気にならないんです。
「わたパチ」とか「五円チョコ」みたいに、
「遠足のときにこそ食べたいおやつ」
なのかもしれません。
(ミスサトウ)
阪急電車
有川 浩
幻冬舎
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おいらが「旅の荷物に詰め込みたい本」は
‥‥ほんとは文庫本で紹介したいのですが、
あいにくこちらはまだ
文庫化してませんのでハードカバーで。
阪急の中でも宝塚線という短い路線を各駅停車で往復、
その駅から駅までの間につき一つの話が書かれています。
しかも、往路と復路で絶妙に問答っていうか
アンサーソングのような‥‥
アンサーストーリー? になっていたり。
電車内の誰にも、その人だけのストーリーがある。
乗り合わせた人が、些細なきっかけで知り合いになる。
というような内容の話。
阪急の沿線にお住まいでない、
或いは阪急電車そのものをご存知ない方でも
各停の車窓から外を見たことがある、
車内で人間観察をしたことがある、
電車通勤・通学の経験がある、
(‥‥それじゃほとんどじゃないか!)
そんな方にお楽しみいただける本だと思います。
(すぎねえ)
2009-12-30-WED

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