── |
私はですね、
『キッパリ!』の本のなかの
「使用前の例」ばかりなんですよ。
テレビのスイッチを消さない、
姿勢は悪い、
「スミマセン」で片付ける。 |
トメ |
ブブッ(お茶を吹く)!
でも、私もです。
私もはっきり言います、そうです。 |
── |
えええ(著者なのに)?
『キッパリ!』のもとになった連載は、
ご自分で考えられたものなんですか?
それとも、どなたかの
提案ではじまったものでしょうか。 |
トメ |
自分がもとになってます。
前書きにも書いたんですけれども
すごく自分が嫌いになった時期があって、
そのころは、ほんとに落ち込んだんです。
人間関係を変えるわけにはいかないし
住んでる場所も変えるわけにはいかないから
じゃあやっぱり自分を変えるしかないな、
と思って、いろんな本を読んだんですよ。
ナポレオン・ヒルや、
船井幸雄さんの本も読んだし、
松下幸之助さんの本も読んだ。
「10年カレンダーをつけましょう」とかね。 |
── |
10年? |
トメ |
そう、10年。
10年間の予定をたてるんです。
そこには家族の欄もあって、
たとえば、子どもが小学校に入学したときに
自分はいくつで、どうしている、
ということがわかるようになっている。
各月に、自分がそのときになにをしたいのかを
「具体的に」書いていくんです。
すっごい大きな紙なんだよ。それを壁に貼って。 |
── |
むずかしいですね。 |
トメ |
そ。
できなかった。
これをやればみんな成功できるって
言われたんだけど、
私は半年ぶんも書けなくて(笑)。
その場ではできそうな気がするんだけど、
やっぱり毎日忙しいから
結局できなくって、落ち込む。
「私はダメだ‥‥。
案の定、成功できない!」

そのころは、すごく自分が嫌いだったから
劇的な変化を求めていたんです。
朝起きたら「新しい自分よ」と
思ったりして。
でも、そーんなことは、ぜんぜんなくってね。
自分で勝手にハードルを
高くしてしまっていて、
やる気になっては落ち込んで、
やる気になっては落ち込んで、
んもう、毎日心の中は
ジェットコースター状態。 |
── |
たいへんな状態ですね。でも、わかります。 |
トメ |
そのうち、気がついたんです。
職種に限らず、成功している人たちは
言うことがみんないっしょなんですよ。
「大きい変化は小さい変化から」
「感謝の気持ちを忘れない」
「思いついたらすぐ行動」
この3つ。
なかでも
「大きい変化は小さい変化から」
という言葉にピーンと来たんです。
昨日とちがうことを今日やったら、
なにかが変わっていくのかなあ、と。
人生って、選択の集合体で、
いまの自分は、
自分が選択してきたことの延長上にある。
だから、このまま行かないで、
昨日とちがうことをしたら
ちがう「わき道」に
行けるんじゃないかな、と思った。
それは、なんでもいいんです。
たとえば朝、靴を左足から履いてみるとか、
そういうレベルでね。
覚悟もいらなくて、
時間もかからなくて、
お金もいらない。
これが大切!
 |
── |
なんにもいらなくて、
ただ「思いつき」だけで。 |
トメ |
なにを変えるにしても、
みんな「日常」しかないから
そこを変えるしかないでしょう。
昨日とちがう小さなことをなにかやってみる、
ただそれだけで、
ほんとうに大きく変わってくるんです。
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── |
根雪のようになっているのは
日常や習慣ですもんね。 |
トメ |
高いハードルは小さなハードルで
成り立っているんだよ。
だまされたと思って、やってみて。 |
大将 |
イカとアナゴです。
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── |
わ、シャリの上で
アナゴの切り身が動いてますよ。 |
トメ |
さっきしめていたからね。 |
── |
焼きアナゴしか見たことがないんですが、
つまり、アナゴのナマははじめて食べます。
これも塩で食べるんですね? |
大将 |
しょうゆ代がないもんでねぇ。
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── |
うわ、あまい。 |
トメ |
じゃあ、私も。
アナちゃんを食べてしまえ。
ああ、おいひい。 |
大将 |
‥‥‥‥(目だけで笑う)。

ふぐとさよりです。 |
── |
魚を食べてる、って気になりますね。 |
トメ |
でしょでしょ!! |
── |
シャコもなんだかようすがちがう??
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大将 |
ゆでてませんよ、
ナマですよ。 |
トメ |
シャコ、食べると、とけるね!!
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