── |
トメさんは、いろんなところから
いい刺激を受けるんですね。 |
トメ |
単純バカなんですよ。
信頼している人の言葉は、すぐ信じちゃう。 |
── |
それは、素直ということなんでしょうか。 |
トメ |
バカ素直です。 |
── |
その結果、黒帯と108万部。 |
トメ |
108万部はほんとにびっくりです。
ずっとあきらめる人生をくり返してきたから、
よかったと思うんですよ。
20代とか30代のアタマで
こんな、本が売れちゃうようなことを
経験していたら
ぜったい舞い上がってたと思う。
いまだから、すっごいクールになれている。
いいことも悪いことも長くは続かないよ。 |
── |
すごく冷静ですね。 |
トメ |
うん、着実に。
慎重に、冷静に、クールにね。
あ、ほらほら、ここは
幼稚園に毎朝通って
園児といっしょに歌を唄う
ペリカンのカッタ君で有名な
常盤公園です。
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── |
ニュースで見たことがあります。
へええ、ここだったんですね。
あっ、遊園地だ。すてきな場所だなあ。
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トメ |
すごく気持ちいいですよ。
私は試合前にこのまわりを走り込みました。 |
── |
「走り込み」。
お母さんでいらっしゃる方の
セリフだとは思えないですね。
子どもがふたりいて、
次のステージにどんどん行く、
怪物級の、お母さん。 |
トメ |
私は、子どもがふたりとも
いちばん手のかかる小さな時期に
ダンスをはじめたんですよ。
大会前、夜にダンスの練習をしていた
時期があったんですが、
保育園に迎えに行って、
夕飯用のお弁当を作って、
それからスタジオにふたりを連れて
出かけました。
そして、子どもたちは
母の踊るスタジオのはしっこで
お弁当を食べていました。
そんな光景をふつうのお母さんが見たら
「ギャ〜〜〜!!」って、なりますよ。
すっっっっごいほこりだらけのスタジオで
夕飯むりやり弁当箱に詰められて。 |
── |
「かーちゃんは踊ってるから、
ここで食ってて!」 |
トメ |
はい、ふたりでもりもり食ってました。
そうこうするうちに
仕事を終えた夫がスタジオまで
子どもたちを迎えに来る。
私が帰宅すると3人とも疲れ果てて
寝てるんですよ、ハハハ。
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── |
周囲は「もうやめなよ」とか
言わないんですか? |
トメ |
言わないですね。
だいいち、いちばんうるさいであろう親は
遠くに暮らしているし。 |
── |
‥‥ラッキー。 |
トメ |
あっ! 本音が出たな?
夫は呆れてるけど、
反対してエネルギーを使うことに比べると
協力したほうがエネルギーが少なくて済むから
そのままにしてくれています。 |
── |
反対した際の妻との口論に使う
エネルギーがすごいから(笑)。 |
トメ |
ええ。ですから夫は
「できるところは手伝うよ」という態度です。
なんたって、技術者だからね。
いつもどうすればいちばんうまくいくかを
考えるタイプ。 |
── |
それは、恵まれていましたよ。
ツッコミがいないというのは。 |
トメ |
そう! ほんとにね。
夫の両親には、柔道をやっていることは
最後まで内緒にしてました、
ハハハハハ!!
初段取ったときに、はじめて告白。 |
── |
周囲には感謝しますけれども、
まあ、あたりまえですが
「子どもがかわいそう」
と言われたらおしまいです‥‥。 |
トメ |
はい。まずはそれを言われますよね。
半端な気持ちじゃ、なんだって
続けてはいけません。
でもだから、私は逆に、ぜったい
子どもには
「あきらめるな!」
って、堂々と言えます。 |
── |
おおおおお。 |
トメ |
泣いてんの! |
── |
それは、自分があきらめてないから、ですね。 |
トメ |
うん、
夢を持てよ、とも
堂々と言えるし。
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── |
あ"〜〜〜!!! |
トメ |
泣いていいよ、泣いていいよ!!
ケーキ屋さんに着いたよ!! |