動物愛護団体ランコントレ・ミグノンの代表である
友森玲子さんが、一羽のおんどりを保護しました。
そのにわとりは鳥男(とりお)と名づけられ、
犬や猫にまじって、
新しい家に迎えられる日を待っています。
ここで気になるのは、にわとりの寿命です。
動物を家に迎える人は、
動物よりも長生きしなくてはいけません。
これまでおんどりが寿命まで生きたことは
あるのでしょうか? 
鳥男はいったい何歳なのでしょう? 
レポートはほぼ日菅野が担当いたします。
第1回
人になつくのか?

2016年7月、
ミグノンの友森玲子さんが
一羽の雄のにわとりを保護しました。
鳥男(とりお)と呼ばれています。

保護からはや1年が経ち、
鳥男はミグノンで暮らしながら、
家族として迎えてくれる人が
あらわれるのを待っています。

▲ミグノンの犬たちといっしょに。

鳥男は路上で保護されたため、
どこからやってきたのか、わかっていません。
年齢もわかりません。
昔は、お祭りなどで、
ひよこが販売されていたことがありましたが、
そのひよこが大きくなってどこかで「飼いにわとり」に
なっていたのかもしれないし、
小学校などで飼育されていたのかもしれません。
おんどりですが、養鶏場から来たのかもしれません。

▲出自年齢不詳の鳥男。

にわとりは見かけがあまりファンシーではないし、
ふだん私たちが食べているものだし、
いろいろ大丈夫かな? と思っていたのですが、
いまでは鳥男はミグノンのアイドルのような
人気者になりました。

▲猫とあんがいなかよくやる鳥男。

友森さんは、
「今年は酉年だし、今年中に
譲渡ができるといいなぁと思っています」
といいます。

鳥男を譲渡するためには、やっぱり
いくつまで生きるのかを知っておきたい。
この連載を読むみなさんが、
にわとりといっしょに暮らす機会があるかどうかは
わからないのですが、
にわとりとのつきあいのコツや心構え、
一般的な暮らしで同居可能なのかどうかも
検証していきたいと思います。

まずは鳥男のいるミグノンを訪ねることにしました。

──
友森さん、鳥男くん、こんにちは。
鳥男
‥‥‥‥‥。
▲鳥男はたいていミグノンの
ペットクリニックにいる。
──
鳥男との遊びかたがよくわからないです。
友森
私もそうです、お互い手探りです。
でも、最近はだっこして、
投げて飛ばす練習をしているんですよ。
それがとても上手になったので、よかったら見てください。
▲友森さんが投げたら飛ぶ。
──
飛んでるのか投げられているのか
わからないけど、たしかにうれしそう‥‥。
▲ベンチに乗って得意げな鳥男。
友森
最近は自分でベンチにも乗れるようになりましたし、
ペットクリニックの受付カウンターにも
上手に乗っています。
でも、保護して以降、ちょっと太ったから、
飛びづらくなってしまったかもしれない。
──
鳥男はいま何kgなんですか?
友森
体重を測りましょうか。
▲クリニックの体重計におとなしく乗る鳥男。
友森
2.68kgですね。
ここに来たときは2.3kgだったのに。
──
けっこう増えたんですね。毛づやもよくなったし‥‥。
まずは鳥男との暮らしが、
私たちに実現可能かどうかを探りたいのですが、
友森さん、鳥男と一緒にいて、
楽しいことってなんですか?
友森
楽しいこと、いろいろありますよ。
例えば鳥男がブルブルと頭を振ったときに、
肉垂(にくすい)という、あご下のピロピロが
「ペチペチペチペチ」と音をたてるんです。
ほんとうにいい音です。
クリニックに急患が来て、
みんながピリピリしているときに、
鳥男がどこかでたてる
「ペチペチペチペチ」という音を聞くと、
全員がいったんほっとして、
リラックスして作業ができます。
職場のムードメーカーにいいと思います。
▲肉垂。
──
(職場にも向いているのか‥‥?)
鳥男は性格としては、どういうにわとりですか?
友森
気の小さい男の子で、甘えん坊で、
ルールはきちんと守る子です。
部屋で放したらあちこちに行っちゃうんだろうな、
と思っていたのですが、そうでもありませんでした。
特にクリニックでは、オペ室に入ったら困るので、
「オペ室の、このタイルからこっちは
入っちゃダメだよ」
と言ったら、来ないです。
──
口で言ったら通じるんですか?
友森
入ろうとしたときに「ダメ!」と言うと、
コォォォって言いながら下がって戻っていきます。
──
「ダメ!」というテンションが分かるんですね。
友森
ダメは分かるようです。
それを何度かすると、もう入ってこない。
▲ルールは守る鳥男。
──
にわとりというと、私は
小学校の飼育係を思い出し、
つつかれるイメージがあります。
友森
私も子どものころ、
にわとりにつつかれたことがあります。
ですから今回、保護はしたものの、
にわとりのことはあまり好きではありませんでした。
でもまぁ「そのうち分かりあえるかな」なんて
思ってました。
ところが、最初から鳥男はつつかない。
きっとこれまで、人にかわいがられていたのでしょう。
抱っこも、最初は嫌がっていたんですが、
私のほうが持ち方に慣れたこともあり、
むしろ抱っこされるのが好きだとわかりました。
抱っこするとウットリして寝てしまいます。
▲持ち方。
▲抱っこされてうっとりする鳥男。
──
セカンドバッグみたい。
友森
まとまった事務仕事をしなくちゃいけないときなどは、
膝に抱っこしてあげると、くるまって寝ます。
──
猫みたいですね。
友森
ただ、鳥男は本気で寝ると、
足がグーになっちゃうんです。
だから、ちゃんと持っててあげないと
膝から落っこちます。
逆に言えば、抱っこしたままほんとにリラックスして
寝られるんだと思います。
──
鳥男は、もともとどういう状況で保護されたんですか?
友森
都内の路上で迷い鶏になっていました。
──
都内の路上で‥‥。

(つづきます)

今回わかったこと
1)鳥男はつつかない。
2)ルールは守る。
3)抱っこも好き。
4)迷い鶏だった。
2017-08-09-WED
ミグノン夏祭り
&ミニ譲渡会
@TOBICHI、
開催します!

ほぼ日のTOBICHIで
ミグノンの夏祭りを開催します。
毎回好評の写真展も予定していますし、
9月18日(月祝)開催の
「いぬねこなかまフェス」のチケットを
特典つきで販売いたします。
(席を選んで購入できますよ!)
ミグノンのかわいくて味わいぶかい
チャリティーグッズも並びます。
また、犬猫のおもちゃも販売いたします。
viviさんによるミグノンの看板犬「とつこ」の
原画も販売したり、もりだくさん! 

また、今回のコンテンツの主人公「鳥男」と
モルモットの「守本わけめ」、
ねこ2ひきほどが参加するミニ譲渡会も開きます。
ミニ譲渡会の日時は8月19日(土)17時~19時です。
(状況によって動物に負担がかかりそうなときは
時間を短縮したり休憩することがあります)

ぜひ、お出かけください。

ミグノン夏祭り
&ミニ譲渡会
@TOBICHI、
開催します!

  • ミグノンのTOBICHI夏祭り

    とき

    2017年8月18日(金)~20日(日)
    11:00~19:00

    ところ

    TOBICHI
    東京都港区南青山4-25-14

いぬねこなかまフェスは、
動物愛護について、より多くの方に知っていただこうと
考えて始めたイベントで、
毎年9月の動物愛護週間に開催をしています。
獣医師による、
犬猫とうまく付き合うために役立つ講演のほか、
動物が好きでぜひ協力したい、と参加してくれている
アーティストや俳優によるライブや朗読もあります。
動物愛護というとちょっと特殊な世界というか、
少し動物が好きなぐらいでは関わってはいけないような
雰囲気がありますが、
いぬねこなかまフェスはそれぞれが得意なことで
動物のために集まり、
自分たちも楽しみながら
保護動物のためにできることをしています。
チケットの売上の利益は
ランコントレ・ミグノンで保護をしている
動物の医療費やシェルターの家賃、
ドックトレーナーの人件費、フード代に使用しています。
みなさんも、遊びに来ていただくだけで
動物たちの支援になります。
手作りのイベントですが、笑いに、勉強しに、
ちょっと感動しに、いらしてください。

ランコントレ・ミグノン代表 友森玲子

© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN