── |
三木のり平さんということは、
鶏郎さんと、関係がありますね。 |
細野 |
そうだよね。三木のり平の三木が
三木鶏郎の三木だというのは、
最近まで知らなかったから、僕。 |
竹松 |
田沼則子(ただし)さんという名前だったのを、
三木のり平さんと命名したのが鶏郎先生ですね。 |
細野 |
小さい頃、三木のり平というのは
アイドルだったからね。ほんとに面白かったから。 |
── |
ホンワカ、ホンワカは、
のり平さんの出たCMソングだったんですね。 |
細野 |
そう。洗濯機の宣伝で、
だんだん脱いでいったりするの。
一人でストリップみたいに。‥‥面白くて。
だいたい、その頃の音楽は
アメリカのそういう音楽だったからね。 |
── |
当時のCMには、
鶏郎先生のようなオリジナルのほかに、
洋楽を使っていたものも多かったんですね。 |
竹松 |
そのままではなくて、それをアレンジして‥‥? |
細野 |
いや、そのまま使ってたの。
ヤシマのボンボンのバックは、
レス・ポールだったよね。 |
慶一 |
レス・ポールだった? |
細野 |
うん。もう‥‥うなされるような音楽だったからね。 |
慶一 |
黒猫が出てくるやつ?
‥‥怖かったよね、あれ。 |
細野 |
そう、そう。‥‥「キャラバン」だよ。 |
慶一 |
あっ、「キャラバン」っていう曲なんだ!
目から鱗80枚!
記憶にはあるんだけど、
曲とCMのつながりがわからなくって、
もう、これは死ぬまで
わからないんだろうな、と思ってた!
アーッ! |
細野 |
アッハハハ‥‥そういうこと、あるよ。結構、ね。 |
慶一 |
ヤシマのボンボンか、あれ!! |
細野 |
そうだよ。よく見ていたね。
よかったぁー、知っている人がいて(笑)。 |
── |
あの、お二人は、
なにをお話しされているんでしょう(笑) |
竹松 |
全然、わからない‥‥(笑)! |
細野 |
ボンボンキャンディー。
噛むと、中に液体が入っていて‥‥。 |
── |
そのお菓子のCMなんですね! |
細野 |
そう、そう。昭和30年代かね。 |
慶一 |
うん。テレビが始まってすぐくらい。
そのCMに黒猫が出てきてね、
暴れ回るんだよね。これが怖くて。 |
細野 |
そう。悪夢のような‥‥(笑)。
その音楽が、レス・ポールとメリー・フォードの
「キャラバン」という曲。
なんか不思議な音楽じゃない。アラビアの(笑)。 |
慶一 |
いやぁー‥‥今、謎が解けたなぁ! |
細野 |
そういうことはいっぱいあるんだよ。 |
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慶一 |
細野さんに、もう一個、ふってみようかな。
‥‥口笛の曲で、1曲、わからないのがあるんだよね。 |
細野 |
メロディーだけでも覚えている? |
慶一 |
♪〜(口笛を吹く)♪ |
細野 |
あ、知ってるよ。「パペーテの夜明け」。 |
慶一 |
!!!
‥‥今日、2個も人生の謎が判明した!(笑) |
細野 |
それは、シネラマの映画音楽。
持ってるよ。パペーテ。タヒチ。
‥‥なんでもきいてね(笑)。 |
一同 |
アッハハハ! |
── |
いい先輩だ(笑)。 |
細野 |
でも僕がききたいことは誰も答えてくれないんだよ。
だから、鶏郎先生の所に
あるかなと思って、今、探したんだけど。 |
── |
大瀧詠一さんでもだめですか。 |
細野 |
だめです。ジャンルが違うもの(笑)。 |
慶一 |
細野さんより年上じゃないと、わからない? |
細野 |
多分ね。
‥‥僕がラジオで毎日聞いていたのは、
アコーディオンと口笛で、
「パリ」という曲なんだけどね。
フランシス・レマルクという人のシャンソンの曲。
それの、本人がやっているアコーディオンと
口笛のバージョンがもう、どこに行っても無いの。
いろんな人にきいても‥‥
フランス人にきいても、無かった。 |
竹松 |
きっと、鶏郎先生がいたらわかる。
鶏郎先生がいたら、話をすると、
「ああ、それ、それ‥‥」と(笑)。 |
細野 |
でしょ! 絶対、知っているはずだから。
ラジオで毎日かかっていたやつだから。 |
竹松 |
シャンソンはすごく好きですし。
ほんとにわかると思いますよ。 |
細野 |
アーッ‥‥会いたい! ききたい! |
一同 |
アッハハハハ! |
竹松 |
じゃ、今度、リストを作っておきますね。
まだ、軽音楽とかシャンソンとか
ハワイアンとかのSPがリストにできていないので。
もしかするとご所望のが‥‥。 |
細野 |
絶対、ある‥‥なんか、今、感じたもの。
鶏郎先生が「あるよ」って言ってる(笑)。 |
竹松 |
フフフ‥‥じゃ、で出てきたらリストをお送りします。 |
── |
先生はシャンソンも‥‥なんでも聴いたんですね。 |
竹松 |
そうですね。‥‥パリはとくに好きで。
小学・中学が暁星でフランス語を習得したので、
フランス語が得意でした。
大学でも法学部の研究がフランス法。
‥‥なので、シャンソンも造詣が深いというか。
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