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大切なタオルだから、勉強もしましょう。
その2
ふわふわ実現のための、織りの工夫。
そして、ガーゼ面にも目立たぬ改革が! |
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*ほぼにちわ、モギモギコです。
くわしくお伝えしてきました
<やさしいタオル>の素材と技術についてのお話は、
今回が最終回です。
ちょっと“お勉強”っぽい内容が続きましたが
それも今日までのガマンです!
とても重要なことですし、まるごと知っていたほうが、
自分の使うタオルにプライドが持てますからね。
ぜひ、読んでくださいませ。
「ほぼ日」のつくる<やさしいタオル>は、
見た目だけのものじゃないと、力説させていただきたく。
次回からは「デザイン」についてのお話になりますから。
いま<やさしいタオル>は、こんな状況になっています。
●工場で‥‥‥着々と、生産が進んでいます!
●ほぼ日で‥‥サンプルの撮影を進めています!
タオルって、ふつう、手に取って選ぶものですけれど
インターネットでは、それができません。
だから今回は、初めて扱う商品ということもあって
<やさしいタオル>の魅力を最大限お伝えできるよう、
写真撮影にも、とても力を入れているんです。
7月9日に立ち上がる販売のページでは、
意外な人・意外な××(まだひみつ)が、
モデルとして登場してくださる予定です。
どうぞお楽しみに〜!
さて今回は「織りとガーゼについて」。
パイルをしっかり立たせる工夫のことや
ガーゼ側に使われる綿のことなどを
お伝えしますね。
いよいよ「ガーゼとパイル」が合体、
1枚のタオルになるんですよ〜〜!
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ドクター・コットン、
今日は「織り」のお話をしてくださるんでしたよね。
糸に、あれだけの工夫をしたうえに、
まだ、なにかアイデアがあるんですね。
わたくし、かなりおなかいっぱい‥‥
じゃない、頭がいっぱいなんですけど。
「まだまだです。もうひと工夫、必要です。
<リッチなふかふか感>がほしい、
でも片面はガーゼである。
それが<やさしいタオル>ですよね。でも、
ふつうに考えたら、いくらパイルがふかふかでも
両面パイルと比べたら薄くなっちゃいますよね」
たしかにそうです。片面はガーゼのまま、
両面パイルに負けないだけのふかふか感がほしいです。
「ですよね。そこで必要なのが、
<織りの工夫>です」
糸が、いくらすばらしくっても、
織りがヘナチョコじゃ、ぺったんこですもんね。
高級感だって、出ないわ〜。
でも‥‥織りを工夫するって、どういうことですか?
織機が特別なんでしょうか。
美しい織り姫さんが「見ないでくださいまし〜〜」って
密室で作業するとか?
「‥‥鶴の恩返しじゃありません!
出ばなをくじかないようにお願いします。
モギさん、僕はまだ、<やさしいタオル>の織りの構造を
ちゃんと説明していなかったですよね」
そうなんです。じつはよく知りません。
なんとなく、ガーゼを織って、パイルを織って、
それを糸でちくちく縫い合わせるっていうイメージでした。
こないだ、分解してみたら、2枚になったから。
「やっぱりそう思ってましたか。
ちがうんですよ。
ガーゼを織りながら、同時にパイルを織り、
それを点でつないでいくんです」
ガーゼとパイルを一緒に織るってことですか?
「そうなんです。そういう特別な織機を使うんですよ。
でも、一度に説明すると混乱するでしょうから
まず、パイル側のことを説明しますね」
はーい。
「パイルを織るには、縦の方向にある縦糸と、
横の方向にある横糸、
そして、パイルをつくるためのパイル糸が必要です。
立体構造ですからね。
で、この縦の方向の糸は、
ねじれをすくなくするために、双糸を使います。
で、ここがポイントなんですが、
横糸に、堅くなりすぎない程度の、
ギリギリまで太い糸を使うんです」
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(a)の横糸を
強く太い糸にして、
間隔を狭めます。
すると、自然に
(b)のパイル糸が
立ち上がります。 |
「こんなふうに、太い横糸が、パイル糸を支えるんですよ。
そして、横糸の間隔をすごく密にするんです。
片面がガーゼになることを考えて、
バランスをみながら、限界まで密にします。
そうすると、根本が強く押さえられて、
パイルが立ち上がってくるわけです」
そう言って、ドクター・コットンは
かばんからサンプルを出して、私の前に置きました。
それは、LA加工した超長繊維綿のピマ・コットンで
緻密に織られたパイル面をもつ、
ガーゼ&パイルのタオルでした。
「ちょっと触ってみてください。
ここまで緻密にすると、裏側のガーゼのほうも、
織りがスカスカでなくて、密度が濃い布になって、
耐久性も抜群になります」
ずるい、ドクター・コットン。
もうすでに、こんなサンプルをつくっていたなんて!
いつの間に! いけず〜! と思いながら、触るわたくし。
‥‥おおおおっ!?!?
片面がガーゼなのに、この弾力は!!
<リッチなふかふか感>が実現できてますよ〜!
ということは、これですべて決定??
Everything's gonna be alright?
あらいやだ、うれしくて英語が出ちゃったわーん。
もうなにもかも、うまくいく気がするです。
おほほほほ。ハイホー! ハイホー!
「‥‥も、モギさん、まだガーゼ面について
お話ししていないのですが」
あらま、そうでしたそうでした。
ここで、私は、ドクター・コットンに
ひとつの疑問をぶつけてみることにしました。
パイル面は、超長繊維綿のピマ・コットンという
高級な綿を使い、LA加工までしています。
でもガーゼのほうはどうなんでしょう。
いままでドクター・コットンは
ガーゼに使う綿のことについては、
とりたてて言っていませんでした。
はっ‥‥なにか隠し事があるんじゃ?
どうなんですかドクター・コットン!! えっえっ!?!?
「つ、詰め寄らないでも喋りますよ、ご安心ください。
僕も、ガーゼのことは悩みました。
まず、ガーゼも超長繊維綿のピマ・コットン、
しかもLA加工にしたらどうだろうという案ですが、
今回は見送ることにしています。
費用がかかりすぎるというのが理由のひとつですけど、
丈夫さ、という点で、ひっかかるんです」
繊細な糸ですものねえ。ましてやガーゼって、
包帯を思い浮かべるんですけれど、
包帯って力を入れたら「ビリリリリリッ!」って
裂けちゃいますものね。
「ガーゼ&パイルのタオルって、
どこからへたってくるかといえば、
ガーゼ面のはしっこからなんですよ。
長く使うと、ですけどね。
だから、繊細すぎる糸だと、耐久性に問題が出るんです」
なるほど〜。
でも、LA加工のガーゼって、
それでも、魅力あるような気がします〜。
なんだか、すべすべになりそうじゃないですか?
「そこなんですよね。
たしかにLA加工は、綿にとって、よい処理です。
が、それでガーゼを織るということは、
ガーゼ特有の、ざっくりした木綿の風合いが
なくなってしまうってことなんです。
いわば<ガーゼじゃない感じ>になる。
それは、僕は、残念だと思うんです。
パイル面の綿糸には有効なLA加工ですが
やっぱりガーゼ面には、要らないと思うんです」
たしかに、ガーゼはガーゼらしくあってほしいですものね。
はい。そこは了解です。
でも、丈夫で風合いがあるのはいいけれど
洗濯をくりかえすうちに、ごわごわになりませんか。
「いえ、ごわごわには、なりにくいようにしますよ。
ふつうのガーゼは単糸で織るんですが、
<やさしいタオル>のガーゼは
縦糸を双糸にします。
これでしなやかさを出すことができます。
横糸は、パイルの土台にもなるわけだから、
パイルを立たせてふかふかにするために、
太く強い糸を使う必要があるため、単糸ですけれど」
なるほど、わかりました、ドクター・コットン。
ガーゼの縦糸が双糸になるという改革で行く、と。
これはこれで、「ふつうそうに見えて非凡」な、
いかにも「ほぼ日」らしいガーゼになりますね。
「どうも、ありがとうございます。
ガーゼ面の、さらなる工夫については、
僕もまだ研究を続けていきたいんですよ。
いずれ、もっといいガーゼができるかもしれないし
そのときは、また、一緒に、
ガーゼ&パイルのタオルをつくらせてください。
うんと高い値段になるかも知れないけれど
両面同じ超長繊維綿のLA加工済みピマ・コットンで
つくるタオルがあってもいいかもしれないですしね。
でも、今回の<やさしいタオル>は
このバージョンで、行きましょう。
このタオルって、モギさん・・・(目を見開く)
すごいものなんですよ、すでに!」
そ、そうですそうです。わかります。
わかっているのに、ついドクター・コットンの前に立つと、
無限の欲望が開花してしまいまして。恐縮至極です。
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よし! さぁ決まりです。
ああ、なんだか、ほっとしてしまいました。
でも、ここまでに決まったことは、
家でいうなら「建築工法と、材料が揃った」だけ。
これからデザインを考え、色を探し、
サイズを決めていく段階に入るのでした。
ああ、わたくしが勝利の歌を歌えるのはいつのこと!?
(答えを知ってるくせに、わざと言ってみました)
いよいよ、次回(6/27)は、
お待ちかねのデザインの発表です!
キレイで落ち着いていて、しかもさわやかなデザインの
ラインナップのすべてを、一気に紹介します。
ああ、見せたい! |
「やさしいタオル」の販売は、
7月9日(水)より開始予定です。 |
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