<やさしいタオル>の特性ゆえに
おこりうるトラブルと、
使用上のご注意をご説明します。

ほぼにちわ。モギモギコです。
 ようやく<やさしいタオル>の価格も決まり、
 現在私たちはタオルをつくってくださっている工場と
 やりとりしながら、7月9日の発売に向けて
 なるべくスムーズにお買い求めいただけるような
 ページ作りを進めているところです。
 どうぞ、楽しみにおまちくださいね。
 
 価格を発表してから、読者の皆さまからも、
 どのデザインを何枚買おうか、というような
 悩みのメールをいただいています。
 なにしろ初めて挑戦する商品ですので
 私たちも上手にアドバイスできないのです‥‥
 「どのデザインも、ぜんぶいいよ!」と
 自信満々に言えるだけに。
 タオルチームのべっかむ3、シェフとワタシは
 もうなにがなんだかわからなくて、
 全点買いをするしかないのではないか?
 という話になっています。
 もしやわれらはこの夏、タオル貧乏・・・・。

 では、いつものように、これまでのまとめです!

 
タオルの
基本仕様
片面ガーゼ
片面パイル(タオル地)
片面ガーゼで
刺激を少なくする。

パイルの糸

【コットンの種類】
超長繊維綿の
ピマ・コットン
(コーマ糸)
繊維が長く、
けば立ちがすくなく
滑らかな糸をつくる。
【糸の撚り(より)】
ゆるい撚り(より)
ふわふわの糸にするため。
【糸の種類】
双糸
パイルのねじれを少なくするため。
【特殊加工】
LA加工

・糸にハリ、コシ、
  ツヤを出すため。
・パイル糸の中にある
  撚り(より)により
  変形しようとする力をなくし、
  パイルを芯から
  リラックスさせるため。

・洗濯・乾燥で
  パイル糸の繊維が
  膨張・収縮し、
  パイルがよじれることを
  防ぐため。

ガーゼ面の
【縦糸】
双糸(カード糸)
・木綿の風合いを出すための
  非LA加工。
・しなやかさを出すための双糸。
  【横糸】
単糸(カード糸)
・木綿の風合いを出すための
 非LA加工。
・耐久性を出すために
 摩擦に強い単糸。
・パイルを立たせるための太い糸。
織り方 縦糸横糸ともに、
ガーゼタオルで
できる限りの密度。
・横糸でパイルをおさえて、
 パイルをふんわり立たせる。
仕上げ 工業用柔軟剤は
使わない
・もともとが柔らかいので
 使う必要がない。
・肌にやさしくあるために
・届いてからすぐ使えるように。
デザイン 表面:チェック4種類
   無地2種類
裏面:無地パイル
・よぶんな装飾は、
 いらないけれど、
 ベーシックで
 スタンダードなデザイン。
サイズ ハンドタオル
フェイスタオル
バスタオル
・一日のうちでかならず、
 <やさしいタオル>を
 手に取ってもらえるような
 サイズ設定をしました
価格 ハンドタオル 850円
(3枚からご購入いただけます)
フェイスタオル 1,800円
(2枚からご購入いただけます)
バスタオル 4,800円




さて、前回まで<やさしいタオル>の特長、
“いいところ”を
たっぷり、お伝えしてきました。
そのほとんどは説明できたのですが、
一つだけ最後に残したことがありました。
それは、
「やさしいタオルの特性ゆえに、
 起こりやすいトラブル」と、
「使用上の注意」です。

どんな商品にも、その特性ゆえに、
犠牲にせざるをえないことがあります。
スピード重視のスポーツカーに
ふかふかシートのラグジュアリーさや
たくさんの人をいちどに運べる利便性を求めないように。

今回の説明をすることで、正直なところ、みなさんから
「な〜んだ、がっかりです!」と言われるんじゃないかと
ちょっと、心配もしました。
けれど「ほぼ日」では、あらかじめわかっていることは
すべてご報告していくという方針をとりたいと思っています。
お手もとに届いてから
「不良品ですよ!」と誤解されそうなことも、
いくつか混じっていますので、
あえて、ここで説明させていただくことにしました。
あらかじめ、こんなことがある、ということを
納得していただいてから
購入していただきたいと思っています。
こんなことが、ありえます。
<やさしいタオル>の
特性ゆえのトラブル。

1.
高品質のピマ・コットンにLA加工だから
糸がすべりやすい。
つまり、パイルが「ほどけやすい」。


<やさしいタオル>のパイル面に使っている綿は、
たいへん品質が良く、繊維の長さがとても長い、
「超長繊維綿」のピマ・コットンを使っています。
そして、この綿には、さらに、
「 LA加工」をほどこしています。
この糸の特長は「ハリとコシ」。
そして、繊維自体のシワが少ないので、
「ツルツル、すべすべしている」んです。
そのことは“とってもいいこと”なのですが、
パイルをふっくらと立ち上がらせてくれ、
ふんわりさせるという効果の一方で、
「糸がすべりやすい」ということにもなってしまうのです。

これが、どんなトラブルを引き起こすかというと、
糸がすべりやすいゆえに、
パイルがほどけてしまいやすいということです。
タオルをフックなどに引っかけてしまうと
パイルの一本がツツツー、と抜けてしまうという経験、
みなさんも、あることと思いますが、
あの状態が「起こりやすい」とお考えください。

お使いになるときには、いつものタオルを使うときよりも、
ちょっとだけご注意いただければ、と思います。
ふつうに洗濯したり乾かしたり、
日常使っているぶんには、心配いらないレベルですが、
ほんのちょっとだけ、デリケートに扱ってくださいね。

また、もしも飛び出てしまったパイル糸は
それ以上出ていってしまわないように、
根元からその1本をハサミで切ってしまって下さい。
それ以上パイルがすり抜けるのを止めることができます。

2.
ハンドタオルの左右の端が波打ちやすい。


<やさしいタオル>には、ハンドタオル、
フェイスタオル、バスタオルの3種類がありますが、
織機の関係で、ハンドタオルだけ、
左右の端の始末の方法が違います。
ミシンでかがる方法をとっているのです。

こんな感じで、ミシンでまつられています。
(この写真は、ミシンのところを強調するために、
 色に加工をくわえています。)


できるだけ、タオルを作るための糸と
収縮率のちかい糸を使っていますが、
それでも糸に性質の違いがあるために、
洗濯・乾燥を繰り返し、使っているうちに、
端が波打ってしまう可能性があります。

洗濯後に干すときなどに、
ピンと端を伸ばしてから干すと、
波打ちは軽減されますよ。

また、ふつうのハンカチと同じように、
乾燥後、アイロンをかけていただくのも
よいと思います。

その3.
ガーゼ面には、3センチ間隔で、
へこみがあります。


<やさしいタオル>は二重織りになっています。
表面がガーゼで裏面がパイル地です。
二重の組織はぴったりとくっついているのではなくて、
「接結糸」と呼ばれる糸で、
3センチ間隔で留まっています。



二つの組織(パイル面とガーゼ面)は
その点以外では、2枚に分離しています。

ガーゼ面からみると
「接結糸」のところがへこんで見えることがあります。
こちらは、ガーゼのタオルをつくるときには、
必ずできるものですので、
不良品ではありません。ご安心ください。
洗濯をくりかえすうち、へこみは目立たなくなりますよ。

その4.
上下の端の始末で、
タオルの上下を留めているミシン目が
チェックの柄の目に
そっていないことがあります。


<やさしいタオル>の上下の端のしまつは、
工場で一つ一つ手作業をしています。

上下のはじっこの三つ折りになっている部分のことです。

三つ折りにした端を、
パイル面をみながら、まっすぐ縫っていきます。
できるだけまっすぐに縫ってくださってはいるのですが、
なにぶんにも、後ろ側の<ガーゼ面>はみえません。

どうしても裏面のガーゼ面に出る縫い目のほうが、
ややまがってしまって、
チェックの柄の目にピッタリとそわないことがあります。
この部分の作業が完全手作業のために
避けられないことですので、ご了承ください。
(もちろん縫い目が外れてしまっているなどの
 トラブルは不良品ですので、ほぼ日ストアまで
 ご連絡くださいね。詳しくは販売時に発表します。)


その5.
綿製品は使っているうちに
繊維が硬くなるとともに、
使用および洗濯により劣化していきます。


綿製品の性質として、年月を経ると、
繊維が硬くなります。
これは、すべての綿100%の製品にいえることです。
どんなに高品質の綿のシャツでも、
長く着ていると、色あせ、生地の質感が変わり、
弱くなっていくものですが、それと同じです。

<やさしいタオル>のパイル面は
LA加工をほどこしてあるので、
一般のタオルに比べ、硬くなりにくいといえます。
ガーゼ面はLA加工をしておらず、
横糸に、ちょっと太めの糸をつかっていますので、
洗濯・乾燥を繰り返すうちに、
ほんのすこし硬く感じられるようになるかもしれません。

ただ、長く使っていると、
劣化により綿の繊維が柔らかくなるという
反作用もありますので、
どんどん硬くなるというよりも、
「くたびれてくる」という感じになっていきます。


以上が、<やさしいタオル>の
特性ゆえのトラブルのご説明でした。

次は<やさしいタオル>使用上の注意です。
当たり前のような話ではありますけれども、
せっかく買っていただいた<やさしいタオル>ですから、
洗濯などのときにご注意いただき、
長く使ってくださいね。

<やさしいタオル>の
使用上のご注意。

その1.
塩素系の漂白剤は色あせの原因に。


塩素系の漂白剤のご使用はお控えください。
うっかり使ってしまいますと、
色が抜けてしまいます。
どうしても漂白が必要なときは、
色柄物専用の漂白剤をお使い下さい。

その2.
蛍光増白剤の入っていない
洗剤をお使い下さい。


洗濯のときは、蛍光増白剤の入っていない洗剤か、
粉石鹸をおつかいくださいね。
せっかくの<やさしいタオル>の色が
不自然にあせていってしまうのを防ぐことができますよ。

その3.
お日さまに干すと、色あせが早い。
(陰干しをすると、色が長持ちします)


これは、お好みで、選択くださればよいことなのですが、
<やさしいタオル>は風通しのよいところでの陰干しを
おすすめします。
太陽に干したタオルは気持ちの良いものですが、
紫外線によって、タオルの色がはやく退色します。
濃い色を長く持たせたい場合は、
乾燥機でふっくらと乾かすか、
風のよく通る場所で陰干ししてくださいね。

その4.
届いたら、一度洗濯をすることを
おすすめします。


<やさしいタオル>は、柔軟剤仕上げをしていませんから
お届けした日からすぐに使うことができます。
けれども、工場から出荷されるときに
箱にぎゅうぎゅうに詰められて届きますので、
お届けするときにはぺったんこになってしまうことが予想されます。
ふっくらした感触をおたのしみいただくために、
一度洗濯をしてからお使いいただければと思います。


以上が、みなさんに知っておいてほしい情報です。
じっくりと読んでいただいて、
納得していただけたらさいわいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
さていよいよ明日は、
パッケージ と、限定枚数の発表です。
「やさしいタオル」の販売は、
7月9日(水)より開始予定です。

このページへの激励や感想などは、
メールの表題に「タオルについて」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2003-07-03-THU

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