第1回 薄気味悪い「迷惑メール」の正体って。

『インターネットのワナ』、記念すべき第一回は、
「迷惑メール」の話からスタートします。
ごくごくふつうにメールを使っていて、
いけないサイトに訪問したおぼえもないし
(訪問したことある人も、いいんですけどね)、
あやしげなページに書き込みをしたおぼえもないのに、
どこでどう知られたのか、
エッチなことのお誘いメールやら、
よくわからないお金を払えというメールがくる‥‥。
気持ちわるいし、怖いですよね。

しかし、わたしたちが気持ち悪がったり、
怖がったりしているのは、
その「迷惑メール」というものについて、
よく知らないがゆえに過大に怖れているのかもしれません。

とてもネットに詳しい人たちに、
こういうことについて質問すると、
「ほっときゃいいんだよ、そんなもの」と軽く言いますが、
実際のところ、来るだけ届くだけで気持ちわるいですよね。

敵を知り、おのれを知れば、いいんじゃなーい?
というわけで、まずは「迷惑メール」について、
知ってることを増やしてみましょう。


風邪は万病の元。
「迷惑メール」は犯罪の元?

まず「迷惑メール」のことから
連載をスタートさせたのには、理由があります。

迷惑メールは、これから紹介する犯罪や
わずらわしい出来事の入り口になってしまうことが
とても多いのです。
よく言う「風邪は万病の元」みたいなものなのですね。

では、まずは「ほぼ日」へもメールをいただいた、
「こんなメールが届くのですが」といった事例を
見てください。

=
年末くらいからほぼ毎日メールが届きます。
いやらし〜〜ページの誘い込み、
出会い系の誘い込みのもの。
たぶんこれがきっかけだろうなと思われる
最初のメールは、
”間違えてPCのアドレスを全部間違えて消してしまい
 相手が誰だかわからなくなったんだけど、
 もしかしてマルマル君だったら返事ください。”
ってのが来たことだと思うのです。
「違いますよ」と親切心で返信したらば
今度は、”せっかくだから相談に乗ってください
 24歳のOLで趣味はなんとかで・・”とかって。
また親切心で「女なんです」って送信したらば
毎日イヤなメール攻撃。
毎回宛名や内容が違っていて
次はどう来るかな?とある意味面白いんだけど、
いいかげんあきらめろよなと思うこの頃です。

こういう時ってアドレスを変えるしか
撃退方法はないんでしょうか?

現実の「オレオレ詐欺」も、人の良心を利用した
憎むべき犯罪ですが、
この方のように親切で返したことを利用されると、
実害がなくても悲しくなってしまいます。

また、自分のメールアドレスがいったいどのように
出回っているのか、
考えるのもいやになってしまうでしょう。


知らない相手からのメール。

たぶんみなさんも、身に覚えのない相手からのメールや、
広告だらけのメールを受け取ったことが
あるのではないでしょうか?
大きな企業に届く「迷惑メール」の数は、
一日に何百万通とかいう単位なのだということです。
家の郵便受けなら、いつの間にかチラシが
投げ込まれてしまうこともわかりますが、
ちゃんと自分の名前や住所が書かれた、
知らない人や会社からの郵便は不気味ですね。
メールでももちろん、知らない相手からメールが来たら、
まるで自分のメールアドレスや情報が
見えないところでやり取りされているような、
ほんとうにいやな気分になってしまいます。

「ほぼ日」にも、毎日たくさんの
こういったメールが届いています。
「エロメール」といわれる、
不審なインターネットサイトへの誘いや、
デート詐欺らしきものが
とてもたくさんあります。
先ほども紹介した、
宛先を間違えたかのような内容で、
心配になって「違いますよ」とつい返事を
書いてしまいそうなメールもあります。
また、「インターネット版振り込め詐欺
(オレオレ詐欺)」にあたるような、
「お金を払わないと大変なことになりますよ」といった
内容のメールも届きます。

この相手の人たち、組織の人たちは、
どうして、わたしたちの宛先を知ったのでしょうか?
それを考えるとなにかと心配になってしまいますよね。
また、とても悲しい例として、
「ほぼ日で買い物をしてから、迷惑メールが増えました。
信用していたのに裏切られた気持ちです」というような、
疑いをもたれてしまったケースもあります。


迷惑メールの被害を受けない方法は?

迷惑メールがあなたのメールアドレスに
来る理由としては、次のようなことが考えられます。

コンピュータでランダムにアルファベットや数字を
 並べ替えて作られたメールアドレスに宛てたもの

アンケートなどと称したところであなたが記入したもの

どこかから情報が漏洩したもの

といったところがあります。
ランダムな並べ替えなどは避けることができませんが、
まずは信頼できない相手にみだりにメールアドレスを
知らせないほうがいいかもしれません。
ただ、こういうことにいくら気をつけていても、
迷惑メールを完全に防ぐことはできないと
思ったほうがいいでしょう。
それに、コミュニケーションの便利な道具として
メールを活用しているわけですから、
過剰に防衛的になったら、その便利さに
自分から制限をかけてしまうことにもなりますよね。

でも、とにかく、迷惑メールを受信している場合は、
被害を「受け取ってイヤな気持ちになる」というところで、
食い止めることが大事になってきます。
それでも、「せめて受け取る件数を減らしたい」
という場合は、こんなことをします。

●メールソフトにある振り分け機能を使ったり、
 契約しているプロバイダの提供する
 迷惑メール対策サービスを使って、以下のことを行う。

指定したドメイン又はメールアドレスから送信された
 電子メールを受信しない

「未承諾広告※」と件名に記された広告メールを
 受信しないように設定する

これだけでも、多少は「迷惑メール」を減らせますが、
相手は、差出人名を変えたり、
法的に記さねばならない「未承諾広告」の文字を、
「末承諾広告」とか「未承認広告」「未承諾広吉」などと、
まちがったふりをして、チェックの網から逃れます。
ですから、「受け取りたくない」あなたと、
「迷惑メール」の差出人との間は、いたちごっこになって、
きりがなくなってしまうことでしょう。

簡単にいえば、
届いてしまった迷惑メールや不審なメールは、
「無視」または
「捨ててしまうこと(削除)」が
一番の対処法と言えます。


ときに迷惑メールは、「なりすまし」といって
他人のメールアドレスを
装っていることがあります。
よほど知っている相手ならば
「こんなメールを送った?」と確認してもいいでしょうが、
知らない相手ならば決して返信しないで
(あなたのメールアドレスが実際に使用されていることが
 知られてしまうので!)
捨ててしまうことをおすすめします。

どんなに魅力的なメールでも、
また「あなただけに特別な情報です」といった
甘言に惑わされないで
身に覚えのない相手からのメールは削除が一番です。
「ほぼ日」では、darlingが、
こんな名言を残しています。

知らない人からのメールを削除して、
人生の大損をした、というようなことは、
基本的にはない!
‥‥と、思います。


語尾がちょっとだけ弱気ですが、
ほんとうに言いたいことは、
「どんどん削除しろ!」、
ということでしょうね。

最終的な手段として「メールアドレスの変更」も
悩みを抱えながらぐずぐずしているよりも、
いいですよ、と言っておきましょう。
ケイタイのメールアドレスは、かなり気軽に変えてる人も、
パソコンのほうのメールアドレスは、
なかなか変えにくいものです。
でも、勇気を出して変えてしまったほうが、
そのことに悩み続けなくてもよくなるわけですから。

公的な機関も利用できます。

もし、こういった迷惑メールから
何か被害を受けた場合は、
相談先やより詳しい情報の入手先として
「公的機関」があります。



警視庁ハイテク対策
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/haiteku/index.htm

国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/

消費者生活センター
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/(東京)
http://www.kokusen.go.jp/link/_pref.html(全国のリンク)

財団法人日本データ通信協会
http://www.dekyo.or.jp/soudan/top.htm

財団法人日本産業協会
http://www.nissankyo.or.jp/



被害にあっていなくても、
ネット上でさまざまな案内を掲載していますから、
一度目を通しておくことをおすすめします。
悪い人たちの「新しい手口」など、知っておくと安心です。


迷惑メールといえば、
ウイルスメールもありますよね?

メールの困りものとして、もうひとつ、
忘れてはいけないのがウイルスメールです。
こちらは、パソコンに必ず「セキュリティソフト」
(ウイルス対策ソフトウェア)を
インストールすること、最新の情報に
いつも更新しておくことでほとんど防ぐことができます。
もちろん、ウイルスも
次々に新しいものが生まれてきますから、

見知らぬ相手からのメールを開いて見ない、
(現在、Microsoft社のOutlook Expressなどは、
 ページの文面を見ようとしただけで感染するウイルスが
 見つかっています。)

添付ファイルを開かない、

ということも重要です。

それでは、しあげにもう一度、

知らない人からのメールを削除して、
人生の大損をした、というようなことは、
基本的にはない!
‥‥と、思います。


「セキュリティソフト」
(ウイルス対策ソフトウェア)を
制作している主な会社は、下のとおりです。
ぜひご自分のパソコンを確認してくださいね。



主な「セキュリティソフト」
(ウイルス対策ソフトウェア)

・シマンテック
http://www.symantec.com/region/jp/

・トレンドマイクロ
http://www.trendmicro.com/jp/home/enterprise.htm

・マカフィー
http://www.mcafee.com/jp/default.asp

・ソースネクスト
http://sec.sourcenext.info/

無料で利用できる
「セキュリティソフト」

・GRISOFT
http://free.grisoft.com/(英語)

・ジュピターテクノロジー株式会社
http://www.forest.impress.co.jp/lib
/inet/security/antivirus/avast.html

(ダウンロードサイト・windowsのみ)



さて次回は、「ワンクリック詐欺」についてです。
お楽しみに(?)。

このページへの感想などは、
表題に「インターネットのワナ。」と書いて、
postman@1101.comに送ろう。

2005-02-24-THU

BACK
戻る