TBS徳川埋蔵金ライブに向けて。 ヘルメットをかぶった 経済番組をご一緒に。 |
第12回 darlingインタビュー(その5) どうも。赤城山に行ってきて、 年末への勢いが出てきたよ。だから、 今からこの埋蔵金ページはパワーアップします。 darlingインタビューも当初7回シリーズの予定でしたが、 速度と力を加えます。っつうか、7回目までのぶんを、 もう今日だけですべて出しちゃいます。 喋りも佳境に入ってきてますので、 たっぷり楽しんでくださいね。じゃあどーぞ。 ----前回最後に「俺たちは好奇心でやってたけど、 本気で隠そうとして埋めた人たちのその本気さに負けた」 と中断したわけですが、 今は埋めた側に対してどう思ってますか? 俺はおもしろがり屋さんだから、 好奇心さえあれば何でもするっていう 価値の転倒した人間なんですよある意味で。 だけどいったん発掘をやめる前に思ったのは、 あの徳川埋蔵金で日本社会をどうするかっていう 強烈な意思がはたらいてた、 それに対して俺らが好奇心だけで 対抗できるはずがないじゃないか、っていう、 謙虚な気持ちがあったんですよ最後で。 で、今、思ったら、あの時代より俺成長してたですよね。 好奇心以上に、勉強させてください っていう気持ちですよね。 掘ることで、調べることで、その時代の人の意思を 学んで役に立てたいっていう気持ちでやりたいんで、 前よりも、あんなに謙虚に終わらなくてもいい っていう気がしますね。 やっと弟子入りできたっていう気がする。 ----今までで一番感動したのは穴の発見ですか? 感動っていうと何度もあるし ジャンルごとに一番があるんだけど、 ほんとに一番っていうと、 これはみんなが知らない時なんです。 あの辺は関東ローム層だから 雪が降ると下に水がたまっちゃう。 そうするとユンボで何回すくっても、 水をすくうことになっちゃう。 ポンプ使ったらポンプが泥で穴詰まりしちゃって 使えなくて。ずっーっと、雪が降っている中を、 スプーンの状態になっているユンボが 水と泥とが一緒になったものをすくうんだけど またこぼれちゃったりして。何ていうかな、 平手で水をすくい続けるような作業で、 黙―ってやってるわけですよ会長(望月氏)が。 あれはね、上から見てるとね、実は大泣きしたね。 その、無力感と、それを黙々と、 他にすることを思いつかないから これであがくんだって思ってる人が現実にいて、 俺はその時、「やめよう」って言えなかった。 あれを見てる時が感情的にはピークかもしんない。 その次が「すばらしい穴(穴の名称。後に予習篇で解説)」 っていうのに関わる時間で、 もうあるかもしれないからここでやめようって言った時で。 これは感情として二番目なんですよ。 だから俺はやっぱり人間に感動してるんですよね。 ----経済番組としてどう方向づけるんですか? 明治維新と現在はそっくりだ、 今は敗戦直後の焼け跡と思わないと復興できないんだ、 っていうことを前々から言ってた人に ゲスト出演をお願いしてるんですよ。 基本的にこの意見の人たちはいっぱいいるんだけど、 やっぱり権益の壁にぶつかってるわけです。 じゃあ血を流していいのかっていうと、 権益を持ってる人の流すっていうのは それはそれで貴重なんですよ。 だからそこを息の根を止めるつもりで ナタを振るわなきゃいけない人っていうのが 今現れないといけない。 そのことを日本中が意識しないと。 ほとんどの頭の中はまだバブルですよ。 根本的にまだバブル。豊かだと思いながら 「たいへんな時代になったね」って話をしてる。 そこのところを一回覚悟しない限りは またがたがたの仕組みができちゃう。そんな半端な、 半分蒸気で半分ガソリンで動く電気自動車作ろうぜ みたいなことじゃ足腰立たないですよね。 例えば通信の問題でも、 NTTの電話料金が下がると言ったって、 ものすごく半端な下げ方になるわけです。 で、また外圧かかってるけど、 外圧かかって最後に直すんだったら、 やっぱり軟着陸っていう言葉がよく使われるけど、 最終的にどうしたいんだっていうビジョンを はっきり持ってる人が図面を書いて、 その中での是々非々で、最適の妥協点、 痛みはあるけれども次が見えるような妥協点を 見つけられる人と組まなきゃならない。 そこで幕府の末期にあったことっていうのが 重ね合わせて語れると思うんですよ。 ----誰が埋めたと思いますか? 個人を超えたもので、ディスカッションの中で 生まれたものだと俺は思う。埋蔵金じゃなくても、 「誰々さんがすごい」っていうものを超えた何かが、 ぼく、好きなんですよね。 終わってから、そういう何かのメンバーだったという誇りを いつでも持ってたいっていう気持ちがすごくありますね。 エピソード的になるけど、当時徳川埋蔵金プロジェクトの マイクロバスの運転やってた奴がいるんだけど、 当時はいち運転手だったんだけど、その会社伸びて、 そいつ今は副社長か何かで全然運転してないらしいんだよ。 で、そいつが、この仕事に来るっていうの。 ただし、「運転はしない」って(笑)。 それほどやっぱり集まってくるんだよ。もちろん、 「お前馬鹿野郎運転やれよ」っていうんだけど、 来てくれたらそれだけで嬉しいんですよ。 そんな仕事、ないよね。 例えばうちの子供と会長の子供はいまだに交流あるから。 そういう、何だろうな、人間全体でつながる仕事って ないですよねー。ちょっとあの時無茶だったのは、 どれだけ危険を恐れないかっていうので リーダーが前に行くっていうのは、 あんまり正しいとは言えないんだけど(笑)、 精神的な絆をものすごく深くするからなあ、ああいうのは。 今度はぼく体が弱ってるから、どうしたらいいんでしょう? ----作業に適した動きは身につきましたか? 歩き方とか変えますからね。 危ないのは、崩れるとすべるっていうことだろうね。 地面の問題なんだけど、周囲を見てないと それはそれでまた、上から落ちてくるものがあるんですよ。 やっぱすべるっていうのが一番危ないんじゃないかなあ。 すべると転ぶでしょ。転ぶと崩すでしょ。 そうすると下の人まで迷惑かけるからね。 そういうのがないように道を上手に平らに 作ってくれたんだけどね、望月さんがね。 ----もしや紅白を超えるかもしれない視聴者に一言。 もうね、楽しんでくれるだけで十分だと思うんですよ。 「馬鹿がいる」って。 それだけでいいような気がするんですよ。 つまり、負けるために行くわけじゃないんですけど、 はじめて今回は、「新聞に出てないから出ないんだよ」 って言われない日なんです。 今まで全部録画でやってたわけですよ。 だけど今回は生中継やるわけだから、 もしあっても新聞出てないじゃない? その意味では夢の第一回になるわけです。TBSが 無理すれば朝まで実況だってできるって言うくらいだし。 その意気込みの馬鹿さを笑ってもいいから、 「ちょっと自分でもそういうとこ欲しいな」とか、 単純な損得じゃないところでものが動く、 更にプロセス的にはそれが視聴率とれるかもしれない、 そうすると半分事業化できるじゃないですか。 そのぎりぎりの妥協点というか、そこんところで、 来年どうしようかなあって考えてる人が 「もう一回馬鹿やってみようかな」 「馬鹿混ぜてみようかな」 そういう気分で元気になってくれると何か嬉しいですよね。 おどおどしないと生き抜けないっていう感じ、 定年を安全に迎えたいおじさんみたいに 日本中がなってるじゃないですか。 これやっぱり不潔ですよね、社会として。 それをぜんぶ否定するわけじゃないから、 俺らだって食うや食わずで掘ってるわけじゃないから、 馬鹿もいろんなやり方があるよっていう、 そういう利口さが欲しいよね。 ----他の発掘者たちと埋蔵金プロジェクトとに、 集団としての差を感じますか? 僕たちはやっぱり手に入らない前提があるだけ、 思い切りがいい。それと、 見つからなきゃいけないっていう義務はないですからね。 だからその意味では、 義務になったり使命になったりするとやっぱりもっと ディフェンシブな戦いになっちゃうと思うんで。 俺らがオフェンシブでいられる理由っていうのは、 マージナルなところに、 社会と魔界のマージナルなところにいられるから、 その無責任さっていうのは、最大限に利用したい。 精神的には、マージナルじゃないんだよね。 埋蔵金も、「ほぼ日」も同じなんだ、俺にとっては。 (明日は予習篇。お楽しみに) |
1999-12-13-MON
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