ほぼ日	うめちゃん、こんにちは。 今回の展覧会、ちょっと すごいことになりそうな気配が‥‥。
うめ	うん。前から展覧会のこと話してて、 「東京でも、でかいとこでやってみたいなぁ、 　でかかったら、たのしいし、 　人も入ってきやすいし」 なんて言ってたら、 そこから知らん間に、おおげさになっとった。 これ、おおげさ？
ほぼ日	いやあの‥‥かなり。
うめ	やっぱり！

ほぼ日	今日いっしょにおいでいただいたのは、 この展覧会のキュレーターとして 会場の展示プランを担当されている 内田真由美さんです、よろしくお願いします。
内田	よろしくお願いします。

ほぼ日	ええっと、聞くところによると、 会場のいちばん奥に、 巨大な滝の写真が飾られるとか‥‥。
内田	はい。天井から床に這うようにして、 ３ｍの滝の写真をつり下げる予定です。 いこいのマイナスイオンを みんなに感じてもらおうと思って。
うめ	そうです。
ほぼ日	写真から、想像のマイナスイオン‥‥。
内田	滝の写真は タペストリーになる予定なんですけど、 照明が裏面から透けて、 すっごくキレイに映る予定なんです。
ほぼ日	いや、あの‥‥この、 まずは滝、なんですけどもね。
うめ	いいでしょ、滝。
ほぼ日	今回、新しく出た写真集 『ウメップ』の冒頭も 見開きの「滝」なんですけど、 これはどうして‥‥？

うめ	滝は、写真らしい写真やから！ これこそ基本です。 写真の基本って、 花、滝、それから山 （池とかこみの引きの山の画像）です。 アサカメ（「アサヒカメラ」）の 投稿ページにもいっぱい載っとる。 それは私の、やりたいことです。 滝は、この、水がシャーッとなっとるやつ、 撮りたかった。
ほぼ日	はぁあ、なるほど。
うめ	カメラ持って電車に乗ってると、 隣に座っとるおじさんとかに 年に数回、話しかけられるでしょ？ 「それキヤノン？」 「わしはニコンだけど」 「おっ、若いのにフィルム？」 とか言って、桜のスポットとか教えてくれる。 ああいうおじさんたちが、撮っとる、滝を。 わたしはたまたま滝の近くまで行ったから 撮ったけど、 あのおじさんたちは、わざわざ 滝やら花やらのために、朝から電車に乗って、 もっともいい光の瞬間やらを、 ずっと待っとるんよ。すごいよ。
ほぼ日	この写真は、いつものうめちゃんの 「Ｐモード（カメラのプログラムモード）」 のみ使用では、撮れない気がするんですが。
うめ	そうそう！ これは「P」じゃ撮れんから、 そこですよ、問題は。 「P」じゃ撮れない写真に、手を出した。
ほぼ日	「P」からの脱却。
うめ	しかも、この滝を撮るとき 三脚ないから、私。
ほぼ日	ないから。
うめ	脇しめて、１秒ジーーーーッと。 めちゃ、真剣。 けど、けっこうブレとる。

ほぼ日	うーん、うめちゃんは、 写真らしい写真を撮ってる‥‥。

内田	うめちゃんの写真は、 これまで写真集で、ほんとうにたくさんの人に 観てもらっていると思います。 だけど、大きなプリントで、作品として観た場合、 また違った印象があるんですよ。 なんというか、力がある。
ほぼ日	はい、なるほど。
内田	それまで、「そっかー」と思ってた人が 大きくなった写真を観て、 急にほめだしたりして。
ほぼ日	そこから発見できる 何かがあるということ。

内田	ですから、今回は、うめちゃんの個展として みなさんに「体感」していただけるものに なればいいなと思ったんです。
ほぼ日	それでこの、すごいプランが。

うめ	そーそー。
ほぼ日	私たちにとっては見ず知らずの犬や人の 等身大パネル11体とか。
うめ	そーそー。
ほぼ日	うめちゃん写真の缶バッヂとか、 私たちにとっては見ず知らずの 一般の方々の顔のシールとか。

ほぼ日	それから、うめちゃんの撮った 映像コーナーとか。
うめ	そーそー。
ほぼ日	どんな顔してビデオ回すんですか？
うめ	こう。

内田	と、まぁ、いろんなコーナーを考えてて、 これから内容を詰めていこうとしています。 世の中にはいろんな作家さんがいらっしゃるし、 それぞれのやり方があるんだけども‥‥、 うめちゃんは、いろんなことを 設営の現場で決める度合いが‥‥高い！
ほぼ日	高い！ それは、困りましたね。
うめ	はははは。 私、すっごく意見が変わるから！ 昨日言ってたことと今日言うことが 違ったりする。
ほぼ日	じゃ、搬入展示準備当日は、 そうとう‥‥
内田	ゾンビになる可能性が‥‥
全員	高い！
うめ	ははははは。 （明日につづきます）