糸井 |
「本ってまだ商品じゃない」
っていう柳井さんの言いかた、
そのとおりだなあ。そうでしょうね。 |
柳井 |
商品化を拒否しているようなところが、
かなりあるんじゃないですか。 |
糸井 |
おもしろいですねえ、こういう話。
いままで、いま柳井さんが
おっしゃったようなことを言うと、
なぜか攻撃を受けちゃってましたよね?
本好きな人たちから。 |
柳井 |
たぶん日本人だけではないと思いますが、
本は文化を代表していますからね。
だから、文化に対して、
商業の世界の現実を述べると、
「文化への冒涜」だと思われてしまう。 |
糸井 |
ふふふ。
そういう時って、ちょうど
「冒涜」という言葉が選ばれるねえ。 |
柳井 |
お客さまがいて、サービスをして、
その対価としてお金をもらうわけですから、
そこには対話がないかぎり、
ほんとうは、商売、成り立たないですよね。
でも、本というか「文化」からすると、
商業は低いものだから、軽視してもいいと
されてきたんでしょうねえ。 |
糸井 |
ほんとうは、一部のインテリだけじゃなくて、
みんなが読んだりしているものだから、
ぜんぜん、高尚にしなくてもいいのに。 |
柳井 |
本の世界では、やっぱり、
インターネットのような、
お客さんとの対話は
できていないんじゃないですか。 |
糸井 |
それに、インターネットが出てからは
気づかされざるをえないですよねえ。 |
柳井 |
そろそろ、みなさん、インターネットで
気づいたんじゃないですか。
インターネットのいちばんの特長って、
やっぱり、おたがいの意志疎通が
できることでしょうから。 |
糸井 |
そうですよねえ。
なんか、本の話から入っちゃいましたけど。
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(つづきます)