個人的なユニクロ主義。
柳井社長に至近距離でインタビュー。

第8回 商売には、お客さんとの対話が要るのに。


糸井 「本ってまだ商品じゃない」
っていう柳井さんの言いかた、
そのとおりだなあ。そうでしょうね。
柳井 商品化を拒否しているようなところが、
かなりあるんじゃないですか。
糸井 おもしろいですねえ、こういう話。
いままで、いま柳井さんが
おっしゃったようなことを言うと、
なぜか攻撃を受けちゃってましたよね?
本好きな人たちから。
柳井 たぶん日本人だけではないと思いますが、
本は文化を代表していますからね。
だから、文化に対して、
商業の世界の現実を述べると、
「文化への冒涜」だと思われてしまう。
糸井 ふふふ。
そういう時って、ちょうど
「冒涜」という言葉が選ばれるねえ。
柳井 お客さまがいて、サービスをして、
その対価としてお金をもらうわけですから、
そこには対話がないかぎり、
ほんとうは、商売、成り立たないですよね。
でも、本というか「文化」からすると、
商業は低いものだから、軽視してもいいと
されてきたんでしょうねえ。
糸井 ほんとうは、一部のインテリだけじゃなくて、
みんなが読んだりしているものだから、
ぜんぜん、高尚にしなくてもいいのに。
柳井 本の世界では、やっぱり、
インターネットのような、
お客さんとの対話は
できていないんじゃないですか。
糸井 それに、インターネットが出てからは
気づかされざるをえないですよねえ。
柳井 そろそろ、みなさん、インターネットで
気づいたんじゃないですか。
インターネットのいちばんの特長って、
やっぱり、おたがいの意志疎通が
できることでしょうから。
糸井 そうですよねえ。
なんか、本の話から入っちゃいましたけど。
(つづきます)

2001-10-26-FRI

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