個人的なユニクロ主義。
柳井社長に至近距離でインタビュー。

第9回 直接、話を聞きたいと思いました。


糸井 ぼくは、前から、柳井さんに
直接、お話をうかがいたかったんです。

いろいろなところで、たくさん、
柳井さんのことが語られているけど、
その語られかたが、あまりにも
マネジメントの一翼を担う
「役職」としてだけじゃないですか。
柳井 そうです、まさに。
糸井 実際に柳井さんというかたが
何を考えているのかということも、
どういうように生きてきたということも
何もしらないままに、ポンと宇宙人のように
機能としての柳井さんが語られますから。
柳井 そうですか?(笑)
糸井 エピソードにしても、
ぼくはかえって好きなくらいなものが
あるんですけど、どこかで
ユニクロの新しい店舗を視察している時に、
見物していた人が
「あ、柳井さんですか」
って声をかけたら、
「・・・いえ、違います」
と言ったという(笑)。
この例、ぼくは好きなんですけど。
柳井 そんなことをするわけがないですよね。
ぼくはそんなにバカじゃありませんよ(笑)。
糸井 でも、「違います」って言うくらい
謎の人物だと捉えられてるイメージが、
ぼくは好きだなあ(笑)。
ここまでシンボリックに捉えられる経営者も
久しぶりだと思うので、おもしろいんです。

柳井さんは、
「世の中の人は、
 自分をどう見ているんだろう?」
というようなことを、
意識することはあるんですか?
柳井 それは、やっぱり意識します。
あ、意識しますと言うよりは、
「あ、また、自分が
 プロトタイプな見方をされているな」
「世の中の人は、わたしという人間を、
 こういうふうに観ているなあ」
ということを感じます。

「超合理主義」だとか「傲慢」だとか、あるいは
「商売が第一優先で、他のことは何も考えない」
・・・そういうイメージで
とられているなあとは感じますけれども。
(つづきます)

2001-10-29-MON

BACK
戻る