糸井 |
ぼくは、前から、柳井さんに
直接、お話をうかがいたかったんです。
いろいろなところで、たくさん、
柳井さんのことが語られているけど、
その語られかたが、あまりにも
マネジメントの一翼を担う
「役職」としてだけじゃないですか。 |
柳井 |
そうです、まさに。 |
糸井 |
実際に柳井さんというかたが
何を考えているのかということも、
どういうように生きてきたということも
何もしらないままに、ポンと宇宙人のように
機能としての柳井さんが語られますから。 |
柳井 |
そうですか?(笑) |
糸井 |
エピソードにしても、
ぼくはかえって好きなくらいなものが
あるんですけど、どこかで
ユニクロの新しい店舗を視察している時に、
見物していた人が
「あ、柳井さんですか」
って声をかけたら、
「・・・いえ、違います」
と言ったという(笑)。
この例、ぼくは好きなんですけど。 |
柳井 |
そんなことをするわけがないですよね。
ぼくはそんなにバカじゃありませんよ(笑)。 |
糸井 |
でも、「違います」って言うくらい
謎の人物だと捉えられてるイメージが、
ぼくは好きだなあ(笑)。
ここまでシンボリックに捉えられる経営者も
久しぶりだと思うので、おもしろいんです。
柳井さんは、
「世の中の人は、
自分をどう見ているんだろう?」
というようなことを、
意識することはあるんですか? |
柳井 |
それは、やっぱり意識します。
あ、意識しますと言うよりは、
「あ、また、自分が
プロトタイプな見方をされているな」
「世の中の人は、わたしという人間を、
こういうふうに観ているなあ」
ということを感じます。
「超合理主義」だとか「傲慢」だとか、あるいは
「商売が第一優先で、他のことは何も考えない」
・・・そういうイメージで
とられているなあとは感じますけれども。
|
(つづきます)