糸井 |
超合理主義で傲慢な経営者・・・。
そういうイメージで、一般から
とらえられていることに関しては、
もう、あきらめているんですか? |
柳井 |
マスコミの書いたものを観ると、
最初から結論は決まっているんですよ。
結論が決まっていて、その結論に合う要素を
ぼくの発言から取り上げるという。
テレビの編集みたいなものですよね。
だから、またはじまったかな、という
そういう感じでとらえていますけれども。 |
糸井 |
そのストレスは、もう感じなくなりましたか。 |
柳井 |
いや、マスコミというのは、だいたい
そういうものだと思っているので。 |
糸井 |
まあ、事実、そうですけどね。 |
柳井 |
だからそこらへんはマスコミの特徴で、
マスコミの分類では、わたしは先に言ったような
人間に入るのかなあ、とは思っていますけど。 |
糸井 |
落ち着いてますね。
腹が立ったりはしないんですか。 |
柳井 |
腹が立つというよりは、まあ、ぼく自身にも
確かにマスコミに言われているような面があって。
でも、やはり、一面的すぎますよね?
ぜんぶで十面あったとしたら、
そのひとつの面に過ぎないわけだから、
「そういうところだけじゃないんですよ」
とは、自分でも思いながら読みますけれども、 |
糸井 |
柳井さんが傲慢なだけで
やってこられるはずがないので、
それでこういう会社をやっていけるとしたら、
見せて欲しいとぼくなんかは言いたくなりますけど。 |
柳井 |
そういう人間だったら
企業の経営もできないでしょうし。
人のことを考えないような人間が
人の上に立ったら、
会社はボロボロになりますよね。
だから傲慢なだけという評価は、
ちょっとおかしいんじゃないかと思いますけれど。 |
糸井 |
もともと、いまみたいに思われる立場に
なってしまうことについては、
いつごろから意識なさったんですか。 |
柳井 |
この一年なんじゃないですか。
急速にユニクロがブームになるにつれて
わたし自身もそうだという
虚像みたいなものが作りあげられているという
感じですよね。だからこの1年かなあ。
原宿店のオープンくらいからですよね。
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(つづきます)