糸井 |
柳井さんについて、
いろいろな人がいろいろと論じているけど、
ぼくはいちばんわかりやすい方法で
お話を聞いていきたいと思っているんです。
まずは、小さい頃、どういう子どもだったか、
っていう話をするとわかりやすいかもしれない。
学校のクラスでは、どういうお子さんでしたか? |
柳井 |
ぼくはおとなしい子でしたね。
みんなが騒いでも、あまり騒がないタイプの子。
ただ、自分の意見は持っていて。 |
糸井 |
「頑固でおとなしい」という感じですか? |
柳井 |
頑固かどうかは知りませんが、
ぼく、小さい頃、「山川」というあだなだったんです。
「山」って言われたら「川」って言うからだそうで。 |
糸井 |
あだなが「山川」って、おかしい(笑)。
ふつうの名前みたいで。 |
柳井 |
ぼくのおじさんとかおばさんは、
「山川」ってぼくのことを言ってたですね。
だから、オトナに対して、きっと、
反対意見のようなことを言ってたんでしょう。
「それはちょっと違うんじゃないか」
と感じたら、違うと言いたがるような子かな? |
糸井 |
人と違うことを言って
いじめられていた覚えとかは? |
柳井 |
ないです。いじめられてはないですね。 |
糸井 |
ようするに、付和雷同みたいなことが嫌だったと。 |
柳井 |
それは嫌でしたね。 |
糸井 |
小さい頃に楽しかったのは何ですか? |
柳井 |
体育の時間。
・・・と言うよりも、
「勉強以外の時間」ですね。 |
糸井 |
勉強好きな子ではなかったんですか。 |
柳井 |
勉強は基本的に嫌いでしたね。
だって、おもしろくないでしょう? |
糸井 |
(笑)いやあ、そのとおりです。 |
柳井 |
給食とか、中学校の頃は弁当が好きで。 |
糸井 |
「できない子」ではなかったですよね? |
柳井 |
成績は、中の上ぐらいだったんじゃないですか。 |
糸井 |
そうですか。
・・・「山川」というあだな以外は
きれいに埋没していますね。 |
柳井 |
そうですね。 |
糸井 |
いまのような職業は
「二代目」ということになりますよね。
そうすると、お坊ちゃんみたいな感じでしたか。 |
柳井 |
でも、商店街の店ですから、
坊ちゃんとまではいかないですね。
だから「普通の子」っていう、
なんかそういう感じでした。 |
糸井 |
その頃、将来どうなりたいとか、
そういうものは、あったんですか? |
柳井 |
いやあ、まったく考えてなかったでしょうね。 |
糸井 |
(笑)・・・いいなあ。
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(つづきます)