私の本の読者や講演に来てくれる人は、すぐに理解してくれましたよ。
たとえば顧客にコンテンツを無料で提供するといった、
「ソーシャル・メディアならでは」と言われている
最近のマーケティング手法がありますね。
グレイトフル・デッドは、それを世に先駆けてやっていたのです。
どんなバンドも観客がライブを録音するのは禁止していましたが、
グレイトフル・デッドは、ファンが自由にライブを録音できるようにし、
それを奨励したんです。
ライブをテープに録音するファンは
「テーパー」と呼ばれるほど認知される存在になりました。
自分たちの音楽にまつわる規制を取り払い、自由に解き放った結果、
それが新しいファンを獲得し、売上を伸ばすことにつながりました。
私の本の読者や講演の観客は、
こういう考え方をすぐによく分かってくれました。
というのも、私は以前から、自分の著書や講演のなかで、
「インターネットをつかって
動画、ブログ、画像といったコンテンツを
どんどん無料で出していこう」と語っていたんです。
グレイトフル・デッドの手法はそれとまったく同じですから、
すぐピンときたのでしょう。
「ほぼ日」がなさっていることも、同じですよね。おもしろいですね。
グレイトフル・デッドのことを
「麻薬をやってるヒッピー」くらいにしか思わない人たちも必ずいます。
「あいつらから学ぶことなんて、あるのか?」と。
でも、世の中には、他者から学ぶことのできるオープンな人もいれば、
そうでない人もいます。
人生は短いですから、頭の固い人と付き合うひまはありません。
私は理解してくれない人と出会っても、さらっと流すようにしてきました。
そうすることで、気の合わない人には
あまり出会わずにすむようになってきたかもしれません。 |