ほぼ日刊イトイ新聞が、
Web of the Year 2003にノミネートされました。

めざすなら
めざしてしまえ、第1位!

投票は終了しました。
どうもありがとうございました!


第11回 最終兵器登場! さあ来い!


世の中にはいろんな決まり文句があって、
ついついそれを一度口にしてみたいという
衝動に駆られることがあるのだけれど、
そういった決まり文句というのは
そういった決まり文句にふさわしい場所でのみ
きちんと作用するものだから、
むやみやたらに口にしたところで
その決まり文句を発する自己に
爽快感のようなものは生じ得ない。
たとえば個人的なエピソードになるけれども、
とある友人が結婚披露宴の司会をすることになって
彼は緊張しながらもつつがなくそれをこなしていた。
披露宴が進行するなかで、
司会の彼はどちらかというと存在感を消しており、
おとなしく進行役に徹しているという感じだった。
平素やかましくしゃべりまくる彼の行動を考えれば、
それはずいぶん慎重であるように映ったけれど、
両家の方々が列席される披露宴においては
それもまあ、やむをえぬことだろうと思えた。
新郎新婦の経歴が読まれ、主賓が挨拶し、
乾杯があって、歓談ということになり、
そこにウェディングケーキが運び込まれた。
ふたりがともにナイフに手を添え、
拍手が起こり、フラッシュがたかれる。
その瞬間において、
司会の彼は唯一、自己を解放するに至った。
すなわち、にぎやかに盛り上がる披露宴の席において、
司会の彼はつぎのように絶叫していたのである。
「おふたりの初めての共同作業であります!
 ふたりの、初めての、共同作業でありますっ!!」
つまり、世の中には、そのように、
ついつい一度声に出してみたくなる
決まり文句があるということである。

さて、「Web of the Year 2003」で
第1位をめざそうというこの企画も、
いよいよ大詰めである。
本日が投票の最終日である。
ようするに、投票は本日締め切られるのである。
ここにおいて、私は声を大にして言いたいことがある。
それは、こういうことである。
「みなさま!
 最後の最後のお願いに
 参りました!
 力を貸してください!
 力を貸してください!
 ほぼ日刊イトイ新聞、
 ほぼ日刊イトイ新聞です!
 最後の、最後の、
 お願いに参りました!」

‥‥いっぺん言ってみたかったんだよなあ、これ。

長い長い前置きをいまようやく終えて、
ここで初めて本題に入りますが、
我々は悩んでおりました。
もはやあまりに複雑すぎてこれまでの経緯を
ひとくちに説明できないほどですが、
我々は、これまで、投票を集めるために、なぜか、
ハトを出したり鬼を出したりしてきたのです。

「ほぼ日」に投票した人を数えるために設置したボタン。
これは当初、押すと数字が増えるという、
じつにシンプルな機能をもっておりました。
しかし、いまひとつ魅力に欠けるということで、
押すと数字が増えるうえにハトが出るようにしました。
ところが、ハトでは物足りないという声があり、
昨日さらに改良して、鬼が出るようにしました。

人は、あらゆる刺激に慣れていく動物だといいます。
刺激の提示は、つかの間、人の欲求を満たすが、
それは、かりそめのサティスファクションに
すぎないといいます。

つまりそれは刺激の倍々ゲーム。
享受する衝撃のインフレーション。
土地ころがしならぬ、刺激ころがし。
21世紀によみがえった刺激バブルとはこのことです。
ピッコロよりベジータ、ベジータよりフリーザ、
フリーザより魔神ブゥであります。
まいど話が進まんなあ。

とにかく、最終日を迎えるにあたり、
我々の命題はただひとつであります!
すなわち、ハトよりも、鬼よりも、
人々の「見たい」という欲求を
満たすものを用意せねばならない!
ストロンガー・ザン・ピジョン!
ストロンガー・ザン・ゴブリン!


もちろん我々はそれを用意いたしました。
いったいボタンを押すと何が出るのでしょうか!
四の五の言わずに発表しましょう!

ボタンを押すと、
バカボンのパパが出ます!
なんと画期的なことでしょう。
なんと革新的なことでしょう。


‥‥おや? 
心なしかみなさんの反応が薄いように見受けられます。
なになに? ハトや鬼ほど魅力的でない?
なんでいまさらバカボンのパパなのかわからない?
こりゃまた失礼いたしました。
少々、手前どもの説明が足りておりませんでした。

こちらに用意しましたバカボンのパパは、
ただのバカボンのパパではございません!


なんと、これは、かの糸井重里がしたためた
手描きの、バカボンのパパ
でございます!
言葉はもとより独特の画風でも定評のある、
糸井重里画伯による
バカボンのパパ
なのです!

資料をひもときましたところ、
この作品が生まれたのはいまより数年昔でございます。
おそらく、なにかの企画のデッサンとして、
スケッチブックに描かれたものだと思われます。
それは数年のあいだ、
糸井事務所の倉庫に眠っておりました。
それが、先日の大掃除の際、
奇跡的に発見されたのであります。

これが、なんとも味わい深い出来映えなのです。
似ているとか似ていないとか、
よく描けているとか描けていないとか、
そういったことを意識の埒外に押しやる
微妙な作品なのです。
どうです、見たくないですか、
糸井重里の描いたバカボンのパパ?

つまり、ボタンを押すと、
糸井重里の描いたバカボンのパパが出ます!
聞いて驚け、その新たなる名称! 名付けて!
「ポチッと押すとピコッと増えて
 クルックーとハトが出るのではなく
 かといってガオーと
 鬼が出るのでもなく
 これでいいのだ! と
 バカボンのパパが出るボタン」!

略して!
「ポチピコクルックガオー
 これでいいのだボタン」!


どうですか! 押したくなったでしょう!
なんてったって、ポチッと押すと、
数字がピコッと増えて、
これでいいのだ! と
バカボンのパパが出るんですよ?
出してみたくないですか、バカボンのパパ?

ああ、ダメです、ダメです、
ルールを忘れないでください!
「ポチッと押すとピコッと増えて
 クルックーとハトが出るのではなく
 かといってガオーと鬼が出るのでもなく
 これでいいのだ! と
 バカボンのパパが出るボタン」、略して
「ポチピコクルックガオーこれでいいのだボタン」は、
「ほぼ日」に票を投じてくれた人の数を
数えるために設置したものです。
投票した人が、ひとり1回だけ、押すことができます。
なので、条件に当てはまらない人や、
すでに押してしまった人は、押してはダメです。
前々日から申し述べておりますが、
お天道様はお見通しですよ。
科学的には説明できませんが、
お天道様はお見通しなのです。
1票を投じた方のみ、1回だけ、押してください。

‥‥なんですって? 
せっかく投じたのに、ずっと前に押しちゃった?
ハトも鬼もバカボンのパパも見られないなんてひどい?
昨日が最高のチャンスだというから押したのに?
こんなことなら今日押せばよかった?
ご安心ください。
今日を過ぎれば、ハトボタンも鬼ボタンも
バカボンのパパボタンも
自由に押せるようにします。
押して押して押しまくれるようにします。
ですので、どうしても気になる方は、
日曜日以降に押してください。

さあ、例の魅力的な決まり文句をくり返します!
「最後の、最後の、
 お願いに参りました!
 どうぞみなさま、
 力を貸してください!」


まだ投票そのものを行っていない方!
いよいよ、ほんとうに、いまがそのときです!
千載一遇のチャンスとはこのことです!
だって、投票すると、
主催者からの豪華賞品が当たる可能性があって、
そのうえ、バカボンのパパが出るんですよ?
糸井重里の描いたバカボンのパパが、
これでいいのだ! と出てくるんですよ?
見たくないですか、バカボンのパパ?
原作は赤塚不二夫先生ですよ、バカボンのパパ?
いわば夢のコラボ作品ですよ、バカボンのパパ?

さあ! そういうわけで!
まだ投票してない人は投票しに行こう!
「ポチピコクルックガオー
 これでいいのだボタン」

を押して、バカボンのパパに会おう!

よろしくお願いいたします!
‥‥それでいいんですか?
「これでいいのだ!」

2003-11-23-SUN

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