「ピヤノアキコ。」発売記念
純・トリビュート企画

矢野顕子感謝祭。

第11回
坂本美雨さん(娘)から
矢野顕子さん(母)へ
照れながらも渡したプレゼント。

ほぼにちわ、矢野感謝祭でございます。
いよいよラストに近づいております。
残すところあと2名! ということで
本日の登場は、坂本美雨さんです。
実の娘である美雨さんが、
御母堂であり大先輩でもある矢野さんに、
いったい何をプレゼントするのでしょうか??



今日おじゃましたのは、六本木ヒルズのJ-WAVE。
偶然にも、その前日に来日した矢野さんと、
美雨さんが、別々の番組の収録に訪れるということ。
これは、「じかに渡すところ」の取材ができるー!
と、喜び勇んで出かけたわれわれなのでした。

矢野さんがいらっしゃる前に、
まずは美雨さんにお話をうかがいます。
──美雨さん、なにを、
  用意してくださったのですか?

「長考してしまって、ごめんなさい!
 わたし、母とはセンスが全然違ううえに、
 すごく照れるんですよ。
 今回、たとえばNYの本村庵(蕎麦屋)に頼んで
 スペシャルメニューをつくってもらおうとか
 ジェニファー・ロペスに変身するために
 エステ券をプレゼントしようとか、
 考えたんですけれど、なんだかこう、
 『きゃん!』という感じが、なくって」


──きゃん、ですか?

「ええ。永続する『きゃん!』っていう
 感じがなくっちゃ、だめだなって。
 ましてや母は、娘のわたしに、
 すっごくずばずば、ものを言うので、
 プレゼントするのが、とても難しいわけです。
 わたしの着ているものにも
 ぜったい、ひとこと、言うし(笑)。
 今日もこの金色のサンダル、言われそう。
 もともとうちは、ちっちゃい頃から、
 誕生日とか、母の日とか、やる家庭じゃないので、
 だからこそ、好きなものを、
 好きなときに、あげられる。
 母から何か突然送られてくることもあるし、
 私も日本でかわいいもの見つけたら、
 NYに持って帰ったりするし。
 そういうなかで、わたしは母が必ず
 『きゃん!』となるものを、
 って、考えたんです」


──ふうむふむふむ。いちばん矢野さんのことを
  よく知っているから、できる、プレゼントが
  きっと、あるんですよね。

「NYで母は4匹の猫の世話をずっとしてくれていて、
 とても感謝しています。
 友達もたくさんいるだろうけれど、
 もしかしたらひとりでいて
 淋しいときもあるかもしれないし、
 夜中とかね、電話をもらうと、
 ちょっと物足りないなという時間があるのかな、って。
 そういうときに、確実に母に笑顔を
 もたらしてくれるものは、
 やっぱり私よりも猫なんじゃないかなと思って。
 だから、これです。これをつくってきました」


そうして美雨さんがとり出したのは、
きれいな紫色のカゴでした。



そのなかに、なにか、レースのようなものが。
──開けて、見せていただいてもいいですか?
  ん? これはいったい‥‥??



「これ、猫の首につけるように作ったんです。
 3月、NYに帰っていたときに、
 タビちゃんという、
 17歳の女王様がいるんですけれど、
 彼女が怪我をしたんです。
 もう一匹、長く暮らしている、
 マイケルっていう男の子(笑)に、
 どうやら噛まれたらしくて、
 肩に大怪我をしていて。
 病院で治療するために、
 肩の毛を剃られて、はげちゃったわけなんです。
 ひどい怪我で、中が化膿しているので、
 そこを切って、5針縫って、
 しばらくは膿を出すための管が入っていたりして。
 悲惨な状況だったんですけれど、
 なんとか私が向こうにいる間に快復して、
 ゴハンをたべてくれるまでになったものの、
 やっぱり女の子ですから、かわいそうで。
 なので、これは、エプロンじゃなくて、
 ハゲかくしなんです。首に捲くの。
 絵に描くと、こういう様子になるんですけれど。
 (と、絵を描く)
 これ後ろ姿ね。こう巻いてもらえると、
 たぶん、かわいいのではないかなって」




「夜中に、ちょっと時間があるときに、
 タビちゃんにこれをつけて
 遊んでほしいなというつもりで、つくりました」


──猫をとおして笑顔をあげる。
  シャイだけど、
  とてもいいプレゼントだと思います!
  これ、手作りですよね。

「ええ。つねにわたし、こういう素材を、
 家にためこんでいるんです。
 手縫いです。
 私、ミシンかけられないので!
 中学校のときに家庭科の授業で
 ミシンの糸の通しかたのときだけ休んじゃったので、
 それ以来、ぜんぶ手縫いでやってました。
 いまアクセサリー作りを
 職業のひとつにもしていてるのに、
 手縫いなので自分の首を絞めてるんです。
 これからミシンも勉強しなくちゃ」


──(笑)なるほど。あれ? まだあるんですね。

「これはアロマキャンドルです。
 このハゲかくしを思いつく前に、
 保険で買っておいたの(笑)。
 ディプティック(diptyque)という、
 私の大好きな香りのブランドです。
 自分のにしちゃおうかとも思ったんですが、
 日本の自分の部屋だと、香りがきつすぎて。
 NYの家だったらいいかなって」




──わあ、いい香りですね。あれ? さらにまだある?

「で、さらに、原宿のラフォーレで
 見つけてしまったものがまだあって。
 ケーキの形のキャンドルです。
 母は、NYの家で、人をもてなすことが多いんですよ。
 料理をつくって。
 これがテーブルの上にぽんとあったら、
 話のねたになるかな。という感じです」




さて、ここまでお話をしたところで、
矢野さん登場です!
さあ渡しましょうよ。
ああドキドキ。喜んでくれるかなー?



矢野 なぁーに、そのサンダル!
美雨 ほら言われた(泣)。
きれいなサンダルなのに
ペディキュアしてないって
言うんでしょう!
矢野 うーむ。
しかし私も銀色をはいている。
ほぼ日 ま、それはともかく、美雨さん、ほら。
美雨 はい。母(かぁ)さま、これを。
(カードとともに渡す)
矢野 なになに? なにくれるの?
美雨 母さまのためじゃ、
ないからね。(とうそぶく)
矢野 あ、おお、おおお!
タビちゃんの!!
ほぼ日 すぐわかった! すごい!
美雨 (にこにこ)
タビちゃんの、ハゲかくしです!
矢野 わあああああ。
もうね、ほとんどハゲじゃないんだけど、
良く見ると、縫った跡があるしね。
でも女の子だよね、
鏡を見て、すごく気にしているの。
これなら喜ぶと思う!
わたしもうれしい!

ほぼ日 よかったー!(パチパチパチ)
美雨 あとね、これキャンドル。
矢野 (においをかいで)「合格!」
美雨 それからね、これも。
数日前にこれを見つけてしまったの。
矢野 へえええ! おおお! うまそーっ!
これじゃ、火、つけられないね!
いただきまーす!
美雨 やると思った‥‥。
ほぼ日 よかったあ。合格もらった!
美雨 よかった。
矢野 このごろ、マイケルは、
美雨を振りそうなんです。
こうしてふたりとも
日本にいるようなときは
キャットシッターのかたがいらしててね、
ちゃんと猫用の服にきがえて、
大事に大事にみてくれているんだけれど、
どうやら、そちらに惚れてるのよ。
マイケルのフィアンセは
ほんとは、美雨なんですけど、
どうも、ココロがそっちに、ね。
美雨 そうなの(悲)。
「今日とまってけよ」なーんて、
マイケル、言ってるんだわ(笑)。

と、このあたりでちょうどお仕事の時間となりました。
美雨さん、矢野さん、どうもありがとうございました!
なお、美雨さんから見た「母・矢野顕子」については
こちらのコンテンツに詳しいです。
未読の方は、ぜひチェックしてくださいねー。

さて次回は最後のプレゼンテーター、
糸井darling重里が登場します。
お楽しみに〜!





(後日譚 4/30追記)

=
母がNYに帰り、写真を送ってくれました!
添付しますねー。

luv, miu

──ということで、その後のたびちゃんを画像でどうぞ!


ぺろぺろ。

zzz...

 最近の美雨さん。

photo by
SAKASAI Kiyoshi

1)6月18日 初単独ライブ決定!
キーボードに吉村龍太、チェロに徳沢青弦を迎え、
坂本美雨の新しい音楽が動き出します。
みなさま、ぜひいらしてくださいね!

日程:2004年6月18日(金)
開場18:30/開演19:00
会場:渋谷BOXX
チケット:¥4000(税込:前売)
     ¥4500(税込:当日)
5月8日(土)一般発売開始
チケットぴあ(0570−02−9999)
ローソンチケット(0570−06−3003)
イープラス(http://eee.eplus.co.jp

フライヤーはここをクリック!
美雨さんのオフィシャルHPはここをクリック!

2)「ほぼ日」の連載、考えてます!
「シベリア日記」の御愛読、
ありがとうございました。
またみなさんにお届けできる連載を
じっくり考え中です!

2004-04-22-THU

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