ホテルでつくろう永田野菜。

苗の植え付けには神主さんも参加!


〜前回までのお話。

ようやく苗を植え付けるところまで
こぎつけた「金谷ホテル菜園プロジェクト」。
ただ、ここ日光の森では猿や鹿による
作物への被害がもともと多い場所。
猿や鹿の侵入を防ぐために
畑を金網ネットで囲むことを画策したが
全ての資材がそろわない上に
金網ネットで囲む作業も
通常業務の合間をぬっておこなうため
苗の植え付けから
1週間ほどは泉さんをはじめとした
金谷ホテルのスタッフたちが
深夜は交代で小屋で
寝ずの番をしていたらしい。

苗の植え付けから
2週間がすぎたころ、
金谷ホテルから
「金網ネットは完成したのですが
 猿や鹿でもない何者かに
 ピーナッツの芽だけがかじられているんです。」
と連絡がありました。
「そいつは一大事だ!」と
諏訪さんと駆けつけた我々を
現地で出迎えてくれたのはこの方。

金谷ホテル統括本部長の井上槇子さん。
創業者である金谷家の方でもあります。
「昔の金谷ホテルのように
 自分たちでおいしい野菜を作って
 お客さまに提供をすることができたら」
というアイデアは
井上本部長から生まれたもの。
ホテルの歴史を一番知っている
井上本部長だからこそ
生まれた企画でもあるし
ぜひとも成功に導きたい。

「すごく立派な畑ができて
 ホテルのスタッフも楽しみにしてます。
 今日は私は作業に参加できませんが
 どうぞよろしくお願いします。」
とのこと。


井上本部長もホテルで提供する
パンの袋詰め作業に追われているようでしたので
挨拶もそこそこに畑へ向かいました。
余談ですが、金谷ホテルのパンは
むちゃくちゃうまいです。

そして畑に向かうけもの道を歩いていると

なんだかログハウスのようなものがみえます。
ちかづくと…。


な、なんと。普通に宿泊できそうな
バンガローができあがっています。
中をのぞくと


電源も確保!


水道も完備!
実際の畑はどうなっているかというと。


金網ネットで囲われています。
「諏訪さん、ちょうどいい時に来た!
 こっちこっち」


と金谷ホテル管理部泉さんの案内で
畑にはいります。


畑には鍵がかかっていて
完全に塞がれているんのですが
「同じピーナッツでも
 向こうの畝はちゃんと育っているのに」


「こっちの畝はうまくいってないんですよ」


よくみると


何者かにかじられた後があります。


金網はしっかりしたものだから
猿や鹿というわけではないし
鳥も考えられません。


かじられた残骸をみながら
考え込んでいた諏訪さんがいいました。
「これはリスの仕業ですね」



「この大きさの穴を
 くぐりぬけられる小ささ、
 決定的なのは
 この残された芽についていた歯形。
 これらを総合するとリスでしょう。
 ただ、芽だけを食べているようですから
 害虫予防に用いる
 『オルトラン』をまきましょう。
 独特の臭さがあるので
 リスもこれで寄ってこないと思います。
 あとはネットをかけてあげれば
 大丈夫でしょう。」


種をあらたに蒔き直して
「オルトラン」を散布していきます。


あとは順調に育ってきたものを


こうやって間引いてあげて


こっちのピーナッツも混んでいるから


こうやって間引いてあげて。
トマトの実つきがよくないようですね。


これもそう。


ナスの実つきもよくないですね。


こういう時は「トマトトーン」という
実つきをよくするために用いる
ホルモン剤がありますから
それを花だけにかけてあげてください。
そこで向かったのは
地元のホームセンター「カンセキ」。


このプロジェクトが始まってから
2回目の買い出しです。
まずはリス対策のために


支柱と

ネットを購入。


「トマトトーン」はプロの農家も普通に使う
広く一般的なものなので
どこでも入手できるそうですよ。

それから数日がたったある日、
金谷ホテルから
トマトの画像が送られてきました。

どうやらプチトマトに
実がつきはじめたみたい。


7月にはいってからも
金谷ホテルのあたりの気温は20度くらい。
気温が低い分だけ
作物の成長も遅いようです。
現在、諏訪さんと永田先生が
金谷ホテルの気候に合わせた
対策方法を検討中。
もうすぐ実行に移せそうなので
こちらのページでもお知らせしていきますね。

(もちろん、つづきます!)


2006-07-23-SUN